
ってか、MAGMAの7inch?
そんなモノが出ていたのか…と驚きつつ購入した1枚だった。
そりゃまあMAGMAだってアルバムを聴けば短い曲もあるにはあるが。
しかしMAGMAといえばやはり重厚長大というイメージが。
7inchで計2曲収録のレコードって、全然MAGMAのイメージじゃないよねえ。
ところが本当に出てたんですねえ、MAGMAの7inch。
ここに収録されているのは、1971年、72年、74年の3枚。
シングル3枚なら6曲入ってそうなもんだが、74年の「Mekanik Machine」のB面はアルバム『KOHNTARKOSZ』からのエディットだったそうで、そのせいでオミットされたか。
フェイドアウトで終わる、実際にはもっと長い曲だろうと思われる曲もあるけど、ともあれ2分半~5分の楽曲が並んでいる。
ともあれ、7inchでもMAGMAの異様さは存分に発揮されている。
1971年・72年の4曲は初期MAGMAに特徴的だったホーンズをフィーチュア。
(ベースはフランシス・モーズで、ギターはいない)
72年のシングルA面「Mekanik Kommandoh」をはじめとして、ラテン・タッチとさえ言える明るい(?)ムードを振りまきつつ、聴いているうちにどんどん混沌として来るのはやっぱりMAGMAだ。
基本的に歌モノと言えるだろうけど、コバイア語だしなあ(笑)。
個人的な聴きモノは、「Mekanik Kommandoh」のB面「Klaus Kombalad」。
フランソワ・カーンの柔らかなエレピに導かれて始まり、同じフレーズと“らららら”というスキャットを4分半繰り返すだけのバラード・ナンバー。
しかしコレが非常に美しい。
曲が進むにつれてやはり混沌の度合いを増すホーンズと、よく歌うベースも実に見事。
大好きな1曲。
一方、収録曲中で最も注目されたのは、一部で伝説的名曲などとも言われた「Mekanik Machine」だろう。
ヤニック・トップ(ベース)作曲の、暗黒へヴィ・ロック。
前半、ヤニックのベースこそ“どヘヴィ”だけど、それほど派手な曲じゃないよな、と思いつつ聴いていると。
ブライアン・ゴディング(元BLOSSOM TOES)の歪んだギターが大暴れし始める後半に至って、やっぱり混沌MAXに。
そう、ヤニックもさることながら、ブライアンの貢献度も大きいと思う。
あと、この時点ではステラ・ヴァンデ(コーラス)が参加しているのも効果大。
MAGMA全史の中では番外編かも知れないけど、意外と入門編にもなりうるのではと思ったりする1枚。
追記:
「Klaus Kombalad」はその後DJでよく回すようになる。
(2025.1.21.)