
主宰のデイヴ・レオーンはクラブと同名のレーベルもやっていて、HIDEOUTに出演していたバンドたちのレコードもリリースした。
それらのシングル音源を集めたのがこのアルバム。
48分半で21曲も収録されている。
(21曲中5曲が2分以下)
以前紹介したオムニバス『WHAT A WAY TO DIE』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_1787.html)に収録されていたPLEASURE SEEKERSもHIDEOUTからのリリースで、PLEASURE SEEKERSはこのアルバムにも2曲収録されている。
クレジットを見ると、その2曲ともデイヴ・レオーンの作詞作曲。
PLEASURE SEEKERSに限らず、このアルバムに収められているUNDERDOGS、FOUR OF US、FUGITIVESもデイヴの曲を演っていて、デイヴが単なるクラブ経営者/レーベル・オーナーではなかったことが窺われる。
しかもUNDERDOGSの7inchはリプリーズからもリリースされていたりして。
アルバムのサブタイトルは“BOSS DETROIT GARAGE 1964-67”となっている。
その通りの音が聴ける1枚。
MC5やTHE STOOGESが登場するちょっと前の、若くてプリミティヴな熱に溢れたバンド群。
後にプロデューサーに転向するダグ・ブラウン率いるDOUG BROWN AND THE OMENS(ボブ・シーガーが在籍していた時期も)とか。
あのグレン・フライが在籍していたこともあるというMUSHROOMSとか。
スージー・クアトロを輩出したPLEASURE SEEKERSとか。
(それにしても美人ぞろい。特にキーボードの子)
SRCの前身バンドに当たるFUGITIVESとか。
大して有名にもならず、後に有名になるメンバーがいたワケでもない他のバンドも良い。
ボブ・ディランやTHE BYRDSのカヴァーを演っているフォーク・ロック風のFOUR OF USも、洗練されない素朴さがなんとも言えません。
そう、ファズ・ギターがバリバリ鳴るようなイカレたサウンドのバンドがない代わり、どのバンドも素朴で一生懸命な感じ。
60年代末のHIDEOUTには、MC5なんかも出るようになっていたそうで。
クラブが何年までやっていたかはよくわからないんだけど、レーベルとしては70年代半ばまで活動していて、このアルバムには収録されていないボブ・シーガーはもちろんのこと、BROWNSVILLE STATIONやあのファントム(!)なんかもリリースしている。
デイヴ・レオーンは1999年に心臓発作で亡くなったとのこと。
そのへんが詳細に書かれている故ビリー・ミラーのライナーノーツも読み応え大。
ただ、さっきAmazonで見たらかなりの値段…。
追記:
PLEASURE SEEKERSのキーボードはクアトロ姉妹の長女・アーリーン。
最年長の彼女はバンドがCRADLEに移行するとミュージシャンをやめてマネージャーに転身。
あと、2017年のAmazonではけっこうな値段が付いていたこのアルバム、今はあちこちでとりあえず普通の値段で出ている。
(2025.2.8.)