EL ZINE VOL.29

画像はい、EL ZINE最新号登場です。
創刊号がVOL.0だから、VOL.29で記念すべき通刊30号ということに。
月刊ペースで出してたりしばらく出さなかったりとかではありつつ、9年で30号だから(って、もう9年か!)、1年に平均3.3回発行。
もうちょっとペース早めると季刊ですね。

…というワケで俺も連載30回。
それを記念してというワケでもないんだけど、今回はイギー・ポップを取り上げました。
ネタとしては今更感アリかもだが、そこはEL ZINEということで(?)、カヴァーその他を通じてイギーがパンク/ハードコアに与えた影響を改めて炙り出すような内容になっています。
昨年夏の映画『ギミー・デンジャー』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201706article_10.html)のヒット、秋にはシンコーミュージックからイギーのムックも出たし、今年の4月には映画『アメリカン・ヴァルハラ』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201801article_17.html)公開と、タイミング的にも良いのではないでしょうか。
皆様、是非お読みになってね。

他の記事は、ポーランドの女性ハードコア・シンガー、ニカ(元POST REGIMENT)のインタヴューを筆頭に。
アラビア語で歌うニューヨークのハードコア・バンドHARAMのインタヴューとか。
アメリカのクラスト/RAWハードコア専門レーベル、コントン・クラッシャーの主宰者ガキ・ネズミ(なんつう名前だ)のインタヴューとか。
5thアルバムをリリースしたSWARRRMのインタヴューとか。
みんな大好きDISGUNDERのシンガー、アンナのインタヴューとか。
広島の高校生(!)ハードコア・バンド有刺鉄戦のインタヴューとか。
中国のD-BeatバンドD-CRASHのインタヴューとか。
今回もいろいろ読み応えアリです。


EL ZINE VOL.29、28日発売。
ちなみに前号は発売後まもなく完売したそうで。
お求めはお早めに。


(2025.4.1.改訂)

THE ALLIGATOR BLUES/JOE

画像2014年に小池孝典(ギター、ヴォーカル)+サポート・ドラマーという体制になってからも、(フルアルバムこそないものの)旺盛なリリースを続けるTHE ALLIGATOR BLUES。
早いモノでコレがもう6枚目のシングルだという。
バンド名にワニを戴きながら、ジャケットのアートワークにワニが登場するのはコレが初めてだったかと。

パーソネルは例によって“ワニー”こと小池孝典と“メインのサポート・ドラマー”(ってのも変な言い方だが)である“ベニー”の二人。
ベニーはミックスも担当している。

1曲目は「JOE」。
アコースティックな爪弾きから、ややダークでへヴィなエレキが唸りを上げるミドル。
ミドルながら豪快に叩きまくるベニーのドラム。
そして時に声を張り上げ叫び、スライドを弾き倒すワニー。
“JOE”ってのは誰だろう?…と思ったが、特に誰でもなく、“それ以上”という歌詞にひっかけた言葉遊びなのかもしれない。

2曲目はライヴでもお馴染みの「moon flight beach」。
2014年にリリースされたPV1曲入りDVD-Rに収録されていた曲の新録。
(“exotic lip version”とある)
現在のTHE ALLIGATOR BLUESの起点ともいえる曲だろう。
よく弾むドラミングに支えられた、キャッチーかつ八方破れなビート・ナンバー。
何故か“バスト”“ウエスト”“ヒップ”と一言ずつ挿まれるナンセンスなサビも痛快。
大体“exotic lip version”ってのもワケわかんねえしな(笑)。


THE ALLIGATOR BLUESも今年でもう7年ぐらい。
ワニー+サポートとなってからでも4年経つ。
今年の展開や如何に。
とりあえずこのシングルは、2月10日からライヴの物販及び通販で絶賛発売中。


(2025.3.31.改訂)

AC/DC/AFTERSHOCKS(2000)

画像俺にとっての“三本柱”であるMOTORHEAD、イギー・ポップ、BLUE OYSTER CULTに関しては、当然というかブートも相当数持っている。
その次に多いのはというと、自分でもちょっと意外なんだけど、AC/DCだと思う。

AC/DCというと…以前このブログで書いたが、一般的に評価の高くないアルバム『FLICK OF THE SWITCH』(1983年:https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_1996.html)が大好きで。
で、コレはジャケットからも想像がつく通り、その『FLICK OF THE SWITCH』のツアー向けのリハーサルの音源と実際のライヴを収録したブートCD。
(あと、インタヴューもちょっと入っている)
CD-Rじゃなくて、ちゃんとしたプレスのCD。
副題は“1983 SOUNDBOARD TOUR REHEARSAL & RARE LIVE TRAX”。
500枚限定ということだけど、実際はどうかな。
しかも裏ジャケットのクレジットによると、そのうち50枚にはボーナス・ディスクとして7inchが付属していたらしいんだが。
このブートがCDだけじゃなくアナログLPでも出ていたんならそれもアリだろうけど、フツーのプラケースに収まったCDに7inchを付けるなんて、ちょっと信じにくい。
裏ジャケットには“PROMOTIONAL ONLY. NOT FOR SALE”ともあるが、それももちろん嘘っぱち(笑)。

ともあれ、作りはなかなか凝っている。
ジャケットには何処から引っ張ってきたのか“☆唸るアンガスのギター、吠えるブライアンのヴォーカル、これぞへヴィ・メタルの歴史を創る!!”なんて日本語も。
ジャケットは紙1枚だけど、裏面には当時のプレス・リリースが再掲されていたり。

リハーサルは1983年10月にLAで行われたモノ。
ライヴは83年10月~12月にかけてタンパ、ニューヨーク、デトロイト、インディアナポリス、トロント、ロアノークで録音されている。
一応半分近くは同じ曲のリハーサル・テイクとライヴ・テイクを続けて聴かせるようになっているが。
全部ではない。
半ばからはライヴが3曲続いてそのあとにリハーサルが4曲続く。
ライヴ音源の音質はあんまりよくない。
正直言って、AC/DCのファン、それも『FLICK OF THE SWITCH』を偏愛するようなファン(俺だ!)のためだけに存在するようなCD。
しかし、俺にはたまらんのですわ(笑)。

リハーサル音源も、レアなのは間違いないとして、よほどのファンでなければ用のないモノだと思うが。
そういう目線で見ると興味深いのは「Brains Shake」。
アルバム収録の「Brain Shake」の誤表記かな、とか思ったんだけど、聴いてみたらなんか即興のブルーズみたいなのを演っていて、それにダブ処理かと思うぐらいのエコーが掛かってるという。
あと、最後に「Miller Time」というのが入っていて、「未発表曲?」と思ったら、コレもスタジオとライヴでの断片にダブ処理したみたいな。

いずれにしても俺には超ナイスで、それ以外の人にはどうかなと思うCD(笑)。


(2025.3.31.改訂)