Mouseって誰よ

画像以前、トゥインクの作品に参加している無名の人たちについて検索するというのをやっていたらTWINK & THE FAIRIESのギタリスト、クリス・チェズニーがCHELSEAのオリジナル・メンバーで、QUEEN以前のフレディ・マーキュリーとバンドをやっていたというのを知ってびっくりしたことがあった。

https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_1562.html

で、またしてもトゥインク絡み。
トゥインクはポール・ルドルフと悪名高い(?)“二人PINK FAIRIES”をやる前、元HAWKWINDのニック・ターナー(サックス、フルート、ヴォーカル)とPINKWINDあるいはHAWK FAIRIESという名義で活動していて。
(PINKWINDのアルバムについても以前紹介した)
同じ頃にリリースされたのが、マウスなるギタリストと組んでの“MOUSE & TWINK-FAIRIES”のライヴ・アルバム『OUT OF THE PINK INTO THE BLUES』。
怪しげな名義になっているが、トゥインク以外はPINK FAIRIESと全く関係なく。
音楽性もいかにもパブで演ってそうなブルーズ・ロックのカヴァー大会。
BRIDGEというハコで70年代半ば~80年代にかけて録音されたという。
(そんなクレジットも限りなく怪しい)

それにしても、トゥインクと連名で表記されているマウスって何者なんでしょう、と。
ライナーノーツを読むと、70~80年代を通してPINK FAIRIESやMAGIC MUSCLEやPINKWINDやなんかでギターを弾いていた…とある。
ええ?
知らんがな。
PINK FAIRIESにそんな奴一度でもいたことあったかよ。

…でまあ、トゥインク周辺でうだうだ(?)やってて浮上せずに終わったゴロツキ(??)連中の一人に違いないと思ってたんだけど。
まだやってましたわ…。
マウス。
本名をピーター・プラコウニックといい。
00年代にはなんとジュディ・ダイブル(!)のバンドで活動。
元FAIRPORT CONVENTIONとかTRADER HORNとかのあの人ね。
(当時のジュディのバンドでは元HAWKWINDのサイモン・ハウスがヴァイオリンとキーボードを担当)
ピーターはギターを弾くだけでなく、アートワークも担当している。

…と思ったら。
この人、ギタリストとしてよりもイラスト仕事の方が有名だった。
ジャケットを手掛けたのが、ジュディ・ダイブルをはじめとしてCARAVAN、BLACKMORE'S NIGHT(!)、FAIRPORT CONVENTION、HAWKWIND他…。

ギタリストとしても、アンビエント・ダブ方面で今でも活動中とのこと。
マウス、意外と侮り難かった…。
(でもPINK FAIRIESにいたとかいうのはやっぱりガセだろう)

10月のDJ(その2)

画像はい、10月のDJ2本目は、約半年ぶりの武蔵境STATTOです。


HIROSHI THE GOLDEN ARM/HURTIN' RECORDS主催「RETURN OF THE LIVING DOLLS」、前回の好評を受けて2回目の開催。
先日このブログで紹介したオムニバス『JESUS LOVES MY HEROIN Ⅱ』のレコ発イヴェントでもある。
出演バンドもDJも増え、その分スタート時間も早まっております。







「RETURN OF THE LIVING DOLLS VOL.2」@武蔵境STATTO
10月27日(土)17:30~
前売1200円/当日1500円(+1D)

LIVE:
THE GOLDEN RAT
NARUZY SUICIDE BAND
THE BROKEN HEARTS
THE FOURTH DOWN GAMBLES
ジョニーダンサーズ
超山田SAD-HEROS

DJ:
鳥井賀句
Die-suke
Akira 13th Avenue
大越よしはる

物販:
福岡13th Avenue


バンド6組にDJ4人。
俺は前回いわゆる転換DJとして出演したけど、今回は各バンドの演奏時間と同じ25分もらって、1セット回します。
転換は「CLUB-D」主催者・Die-sukeが担当。
今回もジョニー・サンダース周辺やデトロイト・ロック、そしてもちろんパンクが好きな人なら間違いなしのイヴェントになるでしょう。
しかも超良心的な価格設定。
20日(土)の「ロックンロール大運動会」@歌舞伎町KAVACH-YAと併せて、御都合付く皆様は是非いらしてね。

ECHO & THE BUNNYMEN/NEW LIVE AND RARE(1988)

画像ECHO & THE BUNNYMENについては、このブログを始めて間もない頃に日本編集盤のミニアルバムを紹介したが。
コレも日本編集盤。
5thアルバム『ECHO & THE BUNNYMEN』(1987年)をリリースして88年4月に来日、その後にオリジナル・アルバム未収録音源を集めて出されたミニアルバム。
(と言っても41分ある)
邦題は“まぼろしの世界”。

邦題の通り、リード・トラックは当時話題になったTHE DOORSのカヴァー「People Are Strange」。
プロデュースは元DOORSのレイ・マンザレクで、レイはピアノとオルガンも担当している。
オリジナルにはない長いオルガン・ソロをフィーチュアしていて、コレがなかなかイイ感じ。

で、このミニアルバム、カヴァーばっかり。
全7曲中、オリジナルは名曲「Killing Moon」の“オール・ナイト・ヴァージョン”(当時評判になったそうだけど、俺にはあんまり面白くない)と、以前の編集盤にも収録されていた「Do It Clean」ライヴ・ヴァージョン。
あとは全部カヴァー。
「People Are Strange」以外のカヴァーは、THE BEATLES「All You Need Is Love」、THE ROLLING STONES「Paint It Black」、THE VELVET UNDERGROUND「Run, Run, Run」、TELEVISION「Friction」。

「All You Need Is Love」ではウィル・サージェントがギターではなくシタールを、レス・パティンソンがウッドベースをプレイ、ピート・デ・フレイタスはブラシを使っていて、アコースティックなアレンジが興味深い。
ボブ・ディラン「Like A Rolling Stone」や(お得意の)ジェイムズ・ブラウン「Sex Machine」なんかがメドレー風に歌い込まれていたりも。

残るカヴァー3曲はすべて1985年4月、スウェーデンでのライヴ。
この時の北欧ツアーはカヴァー中心の選曲だったんだそうで。
それにしても、3曲ともひねりのないアレンジで、微笑ましくもある。
特に「Friction」はカヴァーというよりもほぼコピーだ。
どれもギター2本のバンドだけど、イアン・マッカロクが一生懸命弾いてたのかな…と思ったら、ツアー・キーボーディストのジェイク・ブロックマン(2009年死去)がギターを弾いているそうで。


ともあれ、なかなかユニークな作品だったが。
このミニアルバムがリリースされた1988年9月には、バンドは既に分裂していた…。