撤退する者あり顕彰される者あり

IGGY POP FREE.jpgまたしても“それぞれの老境”的なネタだが。

先日来日もしていたTHE STRANGLERS。
ヒュー・コーンウェル(奇しくも来月来日)とジェット・ブラック(今年で82歳…もうバンド復帰はないだろう)以外のメンバーを入れ替えながらも精力的に活動していたが、遂に今年の英国ツアーが最後のフルサイズのツアーになるらしい。
現在活動しているオリジナル・メンバーのうち、ジャン=ジャック・バーネルが来月68歳、デイヴ・グリーンフィールドが3月で71歳。
そういう時が来たのだ。
パンクの起点が1976年だとしても77年だとしても、いずれにせよそれからとっくに40年以上が過ぎている。
ともあれSTRANGLERSは、ライヴ活動自体をやめてしまうワケではないらしい。
70'sパンク勢の中でほとんど唯一解散せずに続けていることを喜ぶべきなのかも知れない。

一方、プロト・パンクの帝王たるイギー・ポップ。
遂に(?)グラミーの特別功労賞を受賞したそうで。
喜ぶべきなのかどうなのか。
1969年のデビューから既に半世紀以上。
俺がイギーを知ったのは初来日直後の83年だったから、それからでも既に40年近く経っている。
その時点でのイギーの最新作は『ZOMBIE BIRDHOUSE』(82年)…彼の活動史上でも、ライヴ・パフォーマーとしてはともかくレコーディング・アーティストとしてはキャリアの最底辺(?)だった時期で。
その時点でイギーがグラミーを受賞するような存在になるとは、想像もしていなかった。
(ただ、93年の『AMERICAN CAESAR』の頃にはシーンでも再び確たる存在感を示すようになっていたので、逆にグラミーを獲るのが遅過ぎたと言えなくもないのだが)
そんなイギーもこの春で73歳。
もう随分長いこと来日していないし、実のところいつまで上半身裸で暴れられるか。
(そもそも、内省的な最新作『FREE』をフィーチュアした最近のライヴでも上半身裸で暴れているのか知らない)


撤退する者あり顕彰される者あり。
大体我が身を省みれば、デイヴ・グリーンフィールドやイギー・ポップの歳まで生きられるとはとても思えない…。

MOTORHEADをアナログで(予定)

HARD ROCK DRINKERS NIGHT.jpgはい、明日31日(金)は「STRANGE DINNER 14」@高円寺ShowBoatです。
皆様是非いらしてね。

で、次のDJは2月に渋谷で。
なんか、フライヤー、俺の扱いが無駄にデカくて恥ずかしいんですけど…。




■■HARD ROCK DRINKERS NIGHT@渋谷Dimension■■
モーターヘッド!クイーン!AC/DC!
アーティスト公認ビールとシャンパン、テキーラを飲みまくるハードロッキンDJナイト!
祝日前の夜はハードロックとお酒で大いに盛り上がりましょう♪

■DATE■
2020/02/10(月・祝前日)
19:00~23:00

■CHARGE■
¥1000(NO DRINK)
※チャージ後出入り自由!

■HARD ROCK DRINKs■
【BEER】
Motörhead
【CHANPAGNE】
QUEEN
【TEQUILA】
AC/DC
and more…!

■FOOD■
FREE FOOD(スナック類) ¥0
※食べ物持ち込み自由!

■PLACE■
【渋谷Dimension】
http://dimension-tokyo.net/
https://www.facebook.com/DimensionTokyo/
http://www.tokyo-club.net/dimension/
渋谷区円山町5-3 萩原ビル地下1階 3号室
03-6455-1239

■GUEST DJ■
大越よしはる

■DJs■※五十音順
ATSUYA(RUDE MOOD)
gou(黄金町ネオンBOYS/Come Together SP/TheNavyRed)
Tagger(ROCKIN JACK FLASH)
ぺー(ROCKIN JACK FLASH)
Mari Mai
ムラマツヒロキ(DJ道)
YOU(PARALYZE)

■にぎやかし&おもてなし■
ほたるんひめ

■TWIPLAイベントページ■
https://twipla.jp/events/434935

■FACEBOOKイベントページ■
https://www.facebook.com/events/171186294137408/

■TEASERブログ■
https://ameblo.jp/muramatsuhiroki/entry-12570859620.html


ハード・ロック系のイヴェントだけど、なんか出演陣が微妙に「HANKY PANKY」っぽいぞ。
そして最近各所で話題のほたるんひめや、セクシーDJユニットMari Maiも出演。
DJを聴きながらアーティスト公認のアルコール類を飲みまくるイヴェントとのこと。
MOTORHEADのお酒も出るみたいなんで、俺はMOTORHEADをアナログ盤で回そうと思ってます。
俺の出番は21時半からを予定。
皆様、是非お越し下さい。
あ、明日の「STRANGE DINNER 14」もヨロシクです。

SPIDERS/Why Don't You Love Me(1998)

SPIDERS.jpgグループサウンズではありません。
ALICE COOPERの前身バンドです。

ALICE COOPERというと一般にデトロイトのバンドとされるが、メンバーたちがバンド活動を始めたのはアリゾナ州フェニックス。
1964年春に結成されたTHE EARWIGSが65年秋にSPIDERSと改名。
当時のメンバーはヴィンセント・ファーニア(ヴォーカル、ハープ)、グレン・バクストン(リード・ギター)、ジョン・タタム(リズム・ギター)、デニス・ダナウェイ(ベース)、ジョン・スピーア(ドラム)の5人。
66年にジョン・タタムが脱退し、マイケル・ブルースが加入。
67年3月にLAに出て、4月にはTHE NAZZと改名。
67年9月にジョン・スピーアが脱退し、ニール・スミスが加入。
しかしトッド・ラングレンが在籍したことで有名な同名バンドが存在したため、68年3月にまたしても改名、ALICE COOPERとなる。
その時点でヴィンセントはアリス・クーパーを名乗るようになったが、編成自体は半年ほど前に固定していたワケだ。

このEPはSPIDERSとしての1stシングル(1965年)の両面「Why Don't You Love Me」「Hitch Hike」に、2ndシングル(66年)のA面曲「Don't Blow Your Mind」の別ヴァージョンと、「Why Don't You Love Me」のインストゥルメンタル(つまりカラオケ)が収録されている。
65年の録音はオリジナル・メンバー5人によるモノで、66年の録音ではリズム・ギターがマイケル・ブルースに交代している。
いずれもアリゾナでのレコーディング。
66年の時点でニール・スミスを除くALICE COOPERのメンバーがそろっていたワケだが、当然ながら音楽性は後のALICE COOPERとはまったく違う。
SPIDERSのサウンドは英国ビート・バンドや黒人音楽の影響を受けたR&R/ガレージ・パンク。
特にTHE ROLLING STONESの影響が大きかったらしい。
マーヴィン・ゲイ「Hitch Hike」をカヴァーするヴィンセント・ファーニア(当時17歳!)のヴォーカルには、彼がアリス・クーパーとなってからのようなエグ味は薄い。
人に歴史あり。

バンドがALICE COOPERとなった時点で、ヴィンセント・ファーニア=アリス・クーパー20歳。
シーンは既にサイケデリックの時代となっていた。
フランク・ザッパの下でアヴァンギャルドなロックを奏でる売れないバンドだったALICE COOPERが、毒々しくもキャッチーなハード・ロックに転じてスターダムに上り詰めるのは、70年代に入ってからのこと。