
以前このブログで紹介した1994年の『ROUGH POWER』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201806article_17.html)と同じような内容ながら、『ROUGH POWER』より5年も前、イギー・ポップ自身による『RAW POWER』のリミックス盤(96年)より実に7年前のリリース。
当時西新宿をうろついていて入手したと記憶するが、初めて聴いた時には驚いたモノだった。
特に”Raw Power unmixed”とクレジットされた前半5曲。
それまでLPで聴いていた『RAW POWER』と本当に違う。
1曲目の「Shake Appeal」から、フェイドアウトしないで完奏してるし。
「Search And Destroy」での”ヘイッ!”とか、「Raw Power」での”ウ~”とか、それまでに聴いたことのないようなコーラスが入っていたり、「Search And Destroy」でドラムがバシャバシャと前面に出ていたり。
音質の悪さを凌駕して迫りくる、まさに”Raw Power”。
後半の4曲はオリジナル・アルバム未収録の4曲。
これまた音質は良くないものの、「Rubber Legs」や「I Got A Right」と言った楽曲の勢いに改めてぶっ飛ばされる。
当時俺の車にはカーステレオがなかったのだが、小さいラジカセを買って助手席に置き、このCDからの「I Got A Right」やら何やらをダビングしたミックス・テープを突っ込んで、爆音で鳴らしていたモノだった。
同じ年にリリースされた『RAW MIXES VOL.1』『RAW MIXES VOL.2』がフランスのイーグルというレーベルからのリリースだったのに対して、このVOL.3だけは同じフランスのカーティスというレーベル。
カーティスというレーベル名義ではこのCDしかリリースされていないようで、当時のデタラメな権利関係が窺われる。
そのデタラメなあれこれの元になっていたと思われるのがロン・アシュトンで、同時期のリヴェンジ・レコーズからの発掘リリースを含め、このあたりの音源はロンが流出させていた様子。
それを反映してか、このCDでのロンのクレジットは、RON”KING of ROCK'n'ROLL”ASHETONとなっている(苦笑)。
(リヴェンジのリリースでも見られたクレジット)
表ジャケットにもロンの姿がひときわ大きく写っているし、ピクチャー・ディスク(!)のレーベル面もロン一人。
それはさておき。
AllMusicでは星ひとつの評価だが、そんなこたあありません。
今はともかくとして、1989年の時点では大いに興奮させられた1枚。
(って、もう31年前か…)