
1993年にPIXIESを解散したブラック・フランシスことフランク・ブラックが、その翌年にリリースした2ndソロ・アルバム。
ソロ・デビュー作『FRANK BLACK』(93年)の時点ではまだPIXIESは解散していなかったので、バンド亡き後の本格的なソロ活動のスタートとなった。
本名はチャールズ・マイケル・キットリッジ・トンプソン4世…って、フランクでもブラックでもないじゃん!
それにしてもまあ…このタイトルとジャケットで決まりでしょう(笑)。
この時点で29歳…何処がティーンエイジャーですかって。
しかし、タイトルとジャケットだけの出オチにならずに済んだのは、もちろん中身のクォリティが高かったからに尽きる。
プロデューサーは元CAPTAIN BEEFHEART & THE MAGIC BAND~PERE UBUのエリック・ドリュー・フェルドマン。
エリックはキーボードとベースで演奏にも参加している。
フランク・ブラックはBLACK FLAGやHUSKER DUと並んでキャプテン・ビーフハートにも大きく影響されたのだそうで。
で、ビーフハートつながりか、ジェフ・モリス・テッパー(ギター)も参加しているし、PIXIES時代の盟友ジョーイ・サンティアーゴもギターを弾いているが、大半のリード・ギターは元BOURGEOIS TAGG(!)のライル・ワークマン。
ドラムはセッションマンのニック・ヴィンセント。
ライルとニックはその後もフランク・ブラックのアルバムに参加している。
一番短い曲が1分33秒、一番長い曲でも4分41秒で、5分以上の曲は1曲もなく。
4分以上の曲が2曲しかない一方で、2分以下の曲が4曲。
そして1時間余りの収録時間で22曲も詰め込まれているうえに、国内盤は6曲入りのボーナス・ディスクが付いた2枚組だった。
(総計28曲)
で、それらのどれもがポップでキャッチーでメロディック、更に大半の曲が疾走感に満ちている。
カントリーっぽいのとかレゲエとかもあり。
どんなタイプの曲もすべて明快なメロディを持つ。
NIRVANAやTEENAGE FANCLUBにも多大な影響を与えたというPIXIESのギター・サウンドだが、このアルバムではフランク・ブラック本人以外に3人もギタリストがいて、フランクはヴォーカリスト/ソングライターとしての魅力を聴かせる。
むしろアンサンブルの中で目立つのは、手数多く歯切れのよいニック・ヴィンセントのドラムだ。
その後FRANK BLACK AND THE CATHOLICSにも継続して参加したのも納得。
アルバムは全米131位、全英21位と、目覚ましいヒットではなかったが、それでもフランク・ブラックのソロ・アルバム(FRANK BLACK AND THE CATHOLICS名義含む)の中では最も売れた。
一方で2004年にはPIXIESを再結成し、07年には名前もブラック・フランシスに戻す。
そしてバンドでもソロでも旺盛なリリースを続けている。
56歳、まだまだ若い。