それぞれの老境

UB40.jpgワンダ・ジャクソンがジョーン・ジェットのプロデュースで新作を出すというニュースに驚愕した。
まず思ったのは…「えっ、まだ存命だったの?」という。
(失礼ですね)
一昨年に81歳で引退したというニュースは、まったく記憶になかった。
ともあれ、今度こそ最後のアルバムになるらしい。
現在83歳のワンダが、当時10代だったTHE RUNAWAYSの「You Drive Me Wild」をカヴァーするのだという…。

一方、UB40のダンカン・キャンベルは63歳にして引退という。
昨年発症した脳卒中の予後が良くないらしい。
バンドの方は新しいヴォーカリストを入れてこの夏以降はツアー活動を再開する意向。
かつて世間に物申す硬派なレゲエ・バンドだったUB40は、俺がその名を知った頃にはすっかりポップ・バンドと化していたが。
今度はダンカンが去り、また新たな章が始まるということか。
ともあれダンカンが健康を取り戻すことを祈る。

ALCATRAZZは昨年末にグレアム・ボネットの方と”それ以外”の方に分裂し、それ以外の方にはなんとドゥギー・ホワイトが加入していたが。
最近になってグレアムの方のALCATRAZZに、ARCH ENEMYのジェフ・ルーミス(ギター:元NEVERMORE)が参加したのだそうで。
ギタリストが誰かによって音楽性が変わってしまうのが常だったALCATRAZZ、まあグレアムが歌ってさえいれば誰が弾いてもALCATRAZZじゃんね、という気もする。
(じゃあグレアムのいない”それ以外”の方はどうなのって…)
それにしても、グレアムにはそれ以外の方とバンド名を争う気がなさそうなんだけど。
そうは言っても、どっちもまるっきり同じALCATRAZZじゃあ、いろいろ混乱が生じそう…。
そのうち問題になって、グレアムの方はGRAHAM BONNET'S ALCATRAZZとかになるのでは。
で、”それ以外の方”は?
ジミー・ウォルドー(キーボード)もゲイリー・シェア(ベース)も”〇〇's ALCATRAZZ”の看板にはなりそうもないし。
”ALCATRAZZ THE ORIGIN”とかかね…?

CLUSTER/JAPAN 1996 LIVE(1997)

CLUSTER.jpg先日のBOB SEGER & THE SILVER BULLET BANDに続いてライヴ盤。
で、その前のATOLLに続いて日本でのライヴ。

ボブ・シーガー同様、今までこのブログでCLUSTERについて書いたことがなかったのは我ながらちょっと意外な気がする。
で、世間がクラスタークラスター言ってるこのタイミングでか…。

ともあれアルバム『CURIOSUM』(1981年)で終わったはずだったCLUSTER、それから15年も経った96年に奇跡の初来日。
東京と大阪で4回のライヴを行なった。
(俺は行けず)
その記録、71分。

枯山水と夜の歌舞伎町を配したジャケットが、いかにもCLUSTERらしいというか(?)。
(アートワークはハンス=ヨアヒム・ローデリウスによるモノ)
全4曲には曲名がなく、ただライヴ会場の名前が記されている、というのもやっぱりCLUSTERらしい。
1曲目は1996年6月17日・大阪MUSE HALLと6月15日・渋谷ON AIR WESTの音源をミックスしたモノで。
2曲目と4曲目はMUSE HALL。
3曲目は18日心斎橋CLUB QUATTRO。
なので、ジャケットに歌舞伎町の夜景が用いられていながら、大半は大阪でのライヴ音源となっている。
(14日の新宿LIQUID ROOMの音源は収録されていない)

で、1曲目、音量がもの凄く小さい。
スピーカーで普通のヴォリュームで流していると、ほとんど聴こえない。
2曲目以降もそれほど大きな音にはならない。
”テクノのルーツ”的な扱いを拒絶するかのような、極めて静かな音楽。
それでいて、アンビエントやニュー・エイジとも全然違う。
ソロ活動ではかなりわかりやすい(?)方向に向かったハンス=ヨアヒム・ローデリウス一人だったらまだわからないが、何しろコレはCLUSTER。
ソロでも特異過ぎる音を聴かせ続けたディーター・メビウスもいるのだからして。
果たしてコレはロックなのか、という以前にそもそも音楽なのかどうかから考えなければならない、ささやかで純粋、かつキテレツな音の連なり。
KLUSTERからコンラッド・シュニッツラーが抜けてCLUSTERとなって以降、多少の表面的な変化はあれど根っこは10年変わらなかった彼らは、『CURIOSUM』から15年経ってもやっぱり変わっていなかった。
この時点でローデリウス61歳、メビウス52歳であった。

数年後、ディーター・メビウスとミヒャエル・ローター(元NEU!~HARMONIA)のライヴをON AIR WESTで観た。
(面白かった)
で、予想を覆してメビウスが71歳で先に亡くなり。
ハンス=ヨアヒム・ローデリウスは87歳(!)の今も現役である。

開脚あれこれ

SILVERHEAD.jpg昔の音楽誌やムックをパラパラやっていて、ふとSILVERHEADの写真に目がとまる。

SILVERHEAD…というかマイケル・デ・バレス(ヴォーカル)といえば、1stアルバム『SILVERHEAD』(1972年:画像)での謎の(?)ガニ股風開脚ポーズ。
どうやらこのガニ股、ステージなどでもマイケルお得意のキメポーズ(?)だったらしい…ということが、雑誌や書籍に載ったSILVERHEADの写真からわかるのだった。
2005年にシンコーミュージックから出たムック『グラム・ロック』を見ると、見開きカラーページに載っている3枚の写真全部がガニ股だったりする(!)。
はっきり言って、あまりカッコいいポーズだとは思えんのだが…(苦笑)。
しかし、キャプテン・トリップ・レコーズから出ていたライヴ盤『SHOW ME EVERYTHING』(01年)のブックレットに掲載された写真の中でも、やっぱりマイケルはガニ股ポーズをキメているし。
以前このブログで紹介したSILVERHEADのブートCD『LIVE IN TOKYO』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201804article_21.html)のジャケットでは完全にそんきょの姿勢になっているとはいえ、やっぱり膝を曲げての開脚ポーズなのだった。
よっぽど得意のポーズだったと見え…。


ところで、ロック界で開脚といえば、本来なら誰よりも先にまずこの人の名前が挙がるのだろう…デイヴィッド・リー・ロス。
PVなどで見ることが出来る、もの凄い跳躍力ときれいに180度開く開脚は、かなりの衝撃だった。
ずっと後になってから、彼が一時期VAN HALENに復帰していた頃、BURRN!でステージの写真を見たのだが。
その開脚ジャンプ、相変わらず脚がまっすぐに開く、股関節の柔らかさには素晴らしいモノがあったのだけれど。
ジャンプが…低い!
アレはがっかりしたなあ。
とはいえ、その時点で50代半ばだったはず、と思えば、仕方のないことではありました。


一方、インリンオブジョイトイ(以下略)