LIME SPIDERS/LIVE AT THE ESPLANADE(2007)

LIME SPIDERS.jpgTHE LIME SPIDERSについては、このブログを始めて本当に間もない頃に編集盤『NINE MILES HIGH 1983-1990』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_91.html)を紹介したんだけど。
こちらは1998年にいきなり行なわれた再結成ライヴを収録して2007年にいきなりリリースされたライヴ盤。

1998年、メルボルンのESPLANADE HOTELでの収録とのこと。
レコーディング・エンジニアとかフォトグラファーとかの名前はきちんとクレジットされているのに、表ジャケットと中ジャケットに不鮮明なステージ写真があしらわれているだけで、メンバーのクレジットは一切ないんで、ミック・ブラッド(ヴォーカル)以外は誰が参加しているのかよくわからない。

で、『NINE MILES HIGH 1983-1990』を紹介した時、80年代オージー・ガレージはアルバム・デビュー以前のシングルとかは素晴らしいのにアルバム出して以降はつまらなくなる、とか書いたんだけど。
コレはライヴで、初期の楽曲とかもガンガン演ってるんで、実に素晴らしいです。
ネットではヴォーカルがひどいとか評されてもいるが(苦笑)。

60年代ガレージの影響とハード・ロックやデトロイト・ロックの影響を容赦なく混ぜ合わせるという点では、RADIO BIRDMAN以上のモノがあったバンド。
ここでもジャンル的にはパンク/ガレージなのに、ハード・ロック通り越してメタリックなギターを存分にフィーチュアしたワイルドな演奏を聴くことが出来る。

オリジナル曲もさることながら、やはり数々のカヴァー。
DEAD BOYS「Ain't Nothin' To Do」。
THE MISUNDERSTOOD(!)「Children Of The Sun」。
WE THE PEOPLE「You Burn Me Up And Down」。
THE LITTER「Action Woman」。
BLUE OYSTER CULT(出た!)「Carrer Of Evil」(コレはRADIO BIRDMANも演っている)などなど。
そしてライヴの最後がTHE SONICS「He's Waiting」。

このライヴから既に23年。
ライヴ盤のリリースからでも14年。
ミック・ブラッドは今でも自身のバンドで活動しているはず。

ドライブで聴きたいアニメソング総選挙

JAF Mate.jpg北海道→新潟→群馬→埼玉、と車が必要不可欠な土地で暮らしてきたので、長年JAFの会員である。

で、「JAF Mate」の最新号(画像)。
特集に、「ドライブで聴きたいアニメソング総選挙」というのがあって。
「ほほう」と思いつつ目を通した。

1位と2位が『鬼滅の刃』から「炎」と「紅蓮華」。
3位が『新世紀エヴァンゲリオン』から「残酷な天使のテーゼ」。
「なんだよ、ドライブで聴きたいとか関係なくて、ただのアニソン人気投票じゃん」と思ったが。
(まあ仕方ない)

ともあれ、ベスト10圏内に入っている曲の、元のアニメの中で観たことあるのが『新世紀エヴァンゲリオン』しかない。
まあTV見なくなって久しいから仕方ないとはいえ…。

で、11位以下。
11位に『ルパン三世』から「ルパン三世のテーマ」。
16位に『天空の城ラピュタ』から「君をのせて」。
22位に『北斗の拳』から「愛をとりもどせ!!」。
24位に『機動戦士ガンダム』から「哀 戦士」。
27位に『銀河鉄道999』から「銀河鉄道999」(https://lsdblog.seesaa.net/article/202008article_25.html)。
このへんはまあわかる。

47位に『君の名は。』から「前前前世」。
意外と低い。

で、53位に『うる星やつら』から「ラムのラブソング」と『機動戦士ガンダム』から「翔べ!ガンダム」。
なるほど。

64位に『タッチ』から「タッチ」。
意外と低い。

72位、『耳をすませば』から「カントリーロード」はイイとして。
同じ72位の『超時空要塞マクロス』から「愛・おぼえていますか」と…79位、『サイボーグ009』から「誰がために」?
ドライブの時聴きたいか?
そして同じ79位に『ふしぎの海のナディア』から「ブルーウォーター」、92位に『聖戦士ダンバイン』から「ダンバインとぶ」って…けっこうマニアックだな!
同じ92位、『宇宙戦艦ヤマト』から「宇宙戦艦ヤマト」は…なんとなく事故りそうな印象が(?)。

それにしても…1位の「炎」が1447票で2位の「紅蓮華」が1161票。
3位「残酷な天使のテーゼ」になると382票と、ガクッと少なくなり。
4位『SLAM DUNK』からの「世界が終わるまでは…」以下は得票が2桁で、64位以下は各1桁。
やっぱり『鬼滅の刃』の一人勝ちなのねえ。

そして、作品名や曲名を打ち込もうとすると、数文字打っただけでたちまち正確に変換するPCにちょっと驚いている…。

”Bottom To The Top” Is Gone

ZZ TOP FANDANGO.jpg今朝伝えられたダスティ・ヒルの訃報に、言葉を失った。
負傷でZZ TOPのライヴを欠場した、とこのブログで書いたばかりじゃないか。
何があった…。

28日、眠っている間に亡くなったという。
現時点では死因は不明。
72歳。

THE POLICEやTHE JAMなど、デビューから解散まで不動のメンバーだったトリオ編成のバンドは幾つかあるが。
ZZ TOPはそれらの比ではない。
1970年にダスティ・ヒルがZZ TOPに加入してから、実に51年。
1stアルバム『ZZ TOP'S FIRST ALBUM』から半世紀、不動のメンバーで走り続けた。
こんなバンドは他にいないだろう。

ZZ TOPについては、これまでにこのブログで『TRES HOMBRES』(1973年)、『FANDANGO!』(75年:画像)、『ELIMINATOR』(83年)、『ANTENA』(94年)と紹介してきた。
MTVで人気だったデジタル・ビートのブギー・バンドが、実はMOTORHEADにカヴァーされていた…というのが、アルバムを買い始めるきっかけだった。
たちまち大好きなバンドになった。

とはいえ、このブログでZZ TOPについて書く時には、ビリー・ギボンズの非凡に過ぎるギターのことばかり書くのが常だった。
実際にはそんなもんでは済まされない。
70年代の荒ぶるハード・ブギーを、シンプルかつタイトなアンサンブルで支えていたのは、ダスティ・ヒルとフランク・ベアードのリズム・セクションだった。
そしてデジタル導入後。
ヒットしてあちこちで流れまくっていたキャッチーなサウンドのせいで、それほど気にかける人も多くなかったのではと思うが、デジタル・ビートにハード・ブギーを乗せるという、よくよく考えてみると異常としか思えないような音楽を支えていたのは、シークェンサーと完璧に連動するジャストなリズム・セクションあってのことだったのだ。
そして、その一翼を担っていたのがダスティのベースだった。
シンプルにしてヘヴィ、かつハードにしてタイト。
デジタルになる以前の70年代もカッコよかったし、MTVでブイブイいわせた80年代もカッコよかったし、再びデジタル・ビートをひっこめた90年代以降もカッコよかった。
こんなバンドは、もう出てこないのではと思う。

不動のメンバーで半世紀走り続けたZZ TOP。
ビリー・ギボンズ71歳、フランク・ベアード72歳。
バンドが発表した追悼文の通り、”Bottom To The Top”が失われた。
新たなベーシストを入れて活動を続けるとは考えにくい。
(もちろん、続けるならそれはそれで歓迎したいと思うが)
ともあれ、今夜はずっとZZ TOPを聴いている。