
(https://lsdblog.seesaa.net/article/202110article_6.html)
ブリジット・ウィシャート(ヴォーカル)をフィーチュアしたHAWKWINDが『PALACE SPRINGS』(91年)に続いてリリースしたライヴ盤が『CALIFORNIA BRAINSTORM』。
元々は92年に単体でCDとしてリリースされたが。
俺が持ってるのは94年に1曲追加したうえでロバート・ゴッドウィンの書籍『THE ILLUSTRATED COLLECTOR'S GUIDE TO HAWKWIND』を含むBOXセットとして出たモノ。
当時はまだたまに見かけた”ロング・ボックス”仕様の新譜として買ったつもりが、開けてみたら本も出てきたんでびっくりしたのだった。
『SPACE BANDITS』に伴う1990年12月の北米ツアーから、90年12月16日カリフォルニア州オークランドのTHE OMNIでのライヴ。
CDプレイヤーに突っ込むと、8曲74分半と表示されるが、実際には中盤にメドレーが続くので、11曲と言ってイイ。
(一方6曲目となっている「Propaganda」は、実際にはMC)
当時のパーソネルはデイヴ・ブロック(ギター、キーボード、ヴォーカル)、アラン・デイヴィー(ベース、ヴォーカル)、リチャード・チャドウィック(ドラム、ヴォーカル)、ハーヴェイ・ベインブリッジ(キーボード、ヴォーカル)、ブリジット・ウィシャート(ヴォーカル)の5人。
『SPACE BANDITS』に参加していたサイモン・ハウス(ヴァイオリン)はいない。
「The Golden Void」の後半らしきインストゥルメンタル「Void's End」に始まるが、当時のライヴで冒頭に演奏されていたはずの「Angels Of Death」や「Needle Gun」が収録されていないので、多分90分程度だったであろう当時のライヴの抜粋と思われる。
続いてHAWKWINDではなくロバート・カルヴァートのレパートリーだったはずの「Ejection」が、ブリジット・ウィシャートの語りから始まる。
70年代の代表曲は「Silver Machine」も「Master Of The Universe」も演奏されず、「Brainstorm」のみ。
それにしてもこの頃の「Brainstorm」の速いこと速いこと。
「Out Of The Shadows」「Eons」からのメドレーで「Night Of The Hawks」が演奏されるのも興味深い。
スタジオ録音ではレミーが参加した名曲だ。
その後のメドレーでは「Back In The Box」でブリジット・ウィシャートがリード・ヴォーカルを担当。
1976年の『ASTOUNDING SOUNDS, AMAZING MUSIC』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201708article_24.html)からの「Reefer Madness」でもブリジットがヴォーカルをとる。
コレはなかなかレアな聴きモノ。
(76年当時はロバート・カルヴァートが歌っていた)
で、1994年の再発時にブリジット・ウィシャートが歌う名曲「Images」 が追加されているのだが。
途中で終わってしまう…。
そればかりでなく、ライヴ全体でブリジットの出番が少な過ぎると思う。
リード・ヴォーカリストとして加入したのにこの扱いでは、ブリジットが短期間でバンドを脱退したのもやむなしか。
その後ブリジット・ウィシャートとハーヴェイ・ベインブリッジが脱退したHAWKWINDは、しばらくトリオ編成で活動することになる。
そしてHAWKWIND在籍が短期間で終わってしまったブリジットは、現在もヴォーカリストとして活動を続けている。
で、このCDに付いていた『THE ILLUSTRATED COLLECTOR'S GUIDE TO HAWKWIND』は、俺がHAWKWINDに対する理解を深める上で重要な教科書となったのだった。