EURO-ROCK PRESS Vol.98

EURO-ROCK PRESS Vol.98.jpgはい、EURO-ROCK PRESS最新号、31日発売です。


表紙と巻頭はEMERSON, LAKE & PALMER。
基本的にミュージシャンの近影を表紙にしているEURO-ROCK PRESS。
ここに来ていきなり半世紀前の写真がフィーチュアされているのには何だか大人の事情を感じるんだけど。
ともあれデザイナーさんはかなり頑張ったのでしょう。



今回もレヴューをたくさん書きました。



THE ART OF MANKIND
AVENGED SEVENFOLD
BLACK SABBATH
COSMIC GROUND
DEEP PURPLE
DIO
ELEIN
ELVENKING
JEFF BECK
LIV KRISTINE
MAGIA VERDE
MICHAEL SCHENKER GROUP
OZZY OSBOURNE
THE RAVEN AGE
浪漫座別館
RORY GALLAGHER
SCAR SYMMETRY
SIGH
STELLAR CIRCUITS
THORAX-WACH(×2)
TROLLER
TWINK
VALKYRIE ZERO
VIBRAVOID
吉田達也/大和田千弘
吉田達也/中尾憲太郎


他にも、5月にあったTHE STEVE HILLAGE BAND & GONGのライヴ・レポートを書いています。
あと、フランシス・モンクマン追悼特集でCURVED AIRを1枚。
BEDLAM特集でコージー・パウエル関連作を5枚。
モ・フォスター追悼特集で関連作を3枚。
今回もけっこう仕事しました。


それにしても今回、BEDLAM再発に際して、BEDLAM本体からPROCOL HARUM、フェリックス・パパラルディ、コージー・パウエルにまで及ぶ、19ページという狂気の(!)大特集。
いやあ、こりゃ凄い。
(需要は…)
ともあれ皆様、是非お求めください。


追記:
そうだ、THE MOODY BLUES『TO OUR CHILDREN'S CHILDREN'S CHILDREN』BOXの記事も書いています。
すっかり忘れていた…。

(2023.9.1.)

金看板を使わずに

THIN LIZZY LIVE AND DANGEROUS.jpgブライアン・ダウニーは今、BRIAN DOWNEY'S ALIVE AND DANGEROUSっていうバンドをやっているんだってね。
バンド名の通り、THIN LIZZYのライヴ盤『LIVE AND DANGEROUS』(1978年:画像)当時のパフォーマンスを再現するバンドだそうで。
ツイン・ギターでベーシストが歌う4人編成なのだという。

それが”BRIAN DOWNEY'S THIN LIZZY”とかじゃないことに、本当に安堵している。
そうだよブライアン、それでイイんだ。

フィル・ライノット抜きでTHIN LIZZYを名乗るバンドが活動したこともあったが。
歌っているのがジョン・サイクスだろうがリッキー・ウォリックだろうが、以前に何度か書いた通り、俺にはそれをTHIN LIZZYと認めることは断じて出来なかった。

オリジナル・メンバーが一人もいなくなったバンドが、それでも昔の金看板を守って活動している…という例については、このブログで何度も取り上げてきた。
THE VENTURES然り、BLACKFOOT然り、Dr.FEELGOOD然り。
VENTURESやDr.FEELGOODはもちろんのこと(?)、リッキー・メドロックのいないBLACKFOOTもまあアリだと思うし。
LYNYRD SKYNYRDも結局オリジナル・メンバーが一人もいなくなっても活動を続けているが、それもOKだ。

しかし。
フィル・ライノットのいないTHIN LIZZYを、認めるワケにはいかない。
ジェロ・ビアフラのいないDEAD KENNEDYSも。
それは例えば、ジョン・ライドンのいないPUBLIC IMAGE LIMITEDがあり得ないとか、ディッキー・ピーターソンのいないBLUE CHEERがあり得ないとか、そういうのと一緒だ。
レパートリーを継承する意図があったりしても、そのバンドそのものとほとんど同義に近いフロントマン…が不在の状態でバンドの看板を掲げるのは、なしだろう。

実際には、例えばブライアン・ダウニーにバンド名の法的な権利がないとか、単にそういう話だったりするかも知れない。
ともあれBRIAN DOWNEY'S ALIVE AND DANGEROUSがBRIAN DOWNEY'S THIN LIZZYじゃなくて、本当に良かったよ。

それにしてもブライアン・ダウニー、写真を見たらおじいちゃん。
もう72歳なんですって。
(まだ72歳ともいう)


ところで。
前言を翻すようだが…百歩譲って、ブライアン”ロボ”ロバートソン、スコット・ゴーハム、ブライアン・ダウニー+ゲストのヴォーカルとベースで1978年までの楽曲をライヴ演奏するとかだったら、THIN LIZZYを名乗ってもかまわない、と思う。
ヴォーカルがヒューイ・ルイスとか、ゆかりの人だったら最高だな。
(まあ無理だろうけどね)
ジョン・サイクスとダーレン・ウォートンはぶっちゃけいなくてイイ。

晩夏の訃報

WHITESNAKE.jpg24日にテリー・ファンクが亡くなったという。
認知症とパーキンソン病を患っていたらしい。
79歳。
訃報を知って、思わず「うわっ」と声が出た。

俺はどっちかといえばテリー・ファンクと流血の試合を繰り広げた相手(アブドーラ・ザ・ブッチャー)とかをいつも応援していて、テリーの大ファンだったワケではない。
しかし、血まみれになるのも辞さず、対戦相手のヒールを最高に輝かせる…やはり超一流のプロレスラーだったと思う。
(結果として体はボロボロになったのだが)
もちろんテリーがいなければ、『キン肉マン』のテリーマンも生まれなかった。
そしてANTiSEENの「Funk U」も。

生で試合を観たのは一度だけ。
1983年の全日本プロレス「テリー・ファンクさよならシリーズ」、札幌中島スポーツセンター。
(なんともう40年前か…まあさよならじゃなかったんだけどね)
以前にも書いた通り、対戦相手のニック・ボックウィンクルの強さ・巧さが際立つ試合になったワケだが。
それもやはりテリーだったから、ともいえるだろう。
当時の彼は39歳だった。


テリー・ファンクと同じ24日に、バーニー・マースデンも亡くなっていた。
死因は不明。
72歳。
言わずと知れた元WHITESNAKEのギタリスト。
まだ72歳だったか…。

コレも以前に書いたが、ヘヴィ・メタル/ハード・ロック初心者だった頃、バーニー・マースデンとミッキー・ムーディ―がギターを弾くWHITESNAKEは、タルくて聴けたもんじゃなかった。
ところが今ではあの二人がいた頃のWHITESNAKEこそ至高…などと思うのだから、勝手なモノだ。

BABE RUTHやPAICE ASHTON & LORDも忘れ難いが、やはりWHITESNAKEに尽きる。
「Trouble」も「Walking In The Shadow Of The Blues」も「Fool For Your Loving」も「Don't Break My Heart Again」も素晴らしい。
個人的には「Ain't No Love In The Heart Of The City」。
あー、地味でタルいとか思ってたこの頃のバーニー・マースデン、当時30歳前後だったんだなあ。
凄いおっさんに見えたけど、ALASKAの頃でもまだ30代前半だったワケで。


晩夏というにはまだまだ暑いが。
しかし風には確実に秋の気配を感じる今日この頃。
二人の御冥福をお祈りします。