「JUDAFEST」@新宿ANTIKNOCK

JUDAFEST 2023.jpg29日。
流血ブリザードのヴォーカリスト、ユダ様の生誕祭。

改装を終えて29日の10時に開店したという吉野家で早めの腹ごしらえを済ませて、フロアに入る。
カッコいい女性DJが70年代パンクのカヴァーを中心にスピンしていた。

定刻より少し早く、司会のSUZANが登場して客を煽る。
そして一番手のSEX MACHINEGUNSが登場。
何て贅沢なイヴェントでしょう。
SEX MACHINEGUNS、初めて観た。
リフもソロも極めて正統派のメタル・サウンドなのに、どの曲にもあふれるユーモラスな感覚。
(MCにも大笑い)
そして、80年代のACCEPT以来メタルの伝統芸(?)となっている、フォーメーション的な動き。
久々の対バンとなった流血ブリザードに対するリスペクトの見えるステージ運びでした。
フロア前方のヘッドバンギングの波…という光景を、久しぶりに見たな。
約40分ほどのステージ。

再び登場したSUZANに呼び込まれ、二番手はCOCOBAT。
何て贅沢な(以下略)
SEX MACHINEGUNSも25年やっているが、こっちは既に活動歴30年以上。
COCOBATも実は初めて観た。
TAKE-SHITのブチブチバキバキ鳴るベースに乗せて、HIDEKIの朗々とした声が響く。
そのHIDEKI含め、メンバー全員、基本的にあんまり(というかほとんど)フロアを見ない。
約35分ほどのステージは曲間ほぼなし、MCなしで黙々と進行し。
最後に「ありがとうございました」と一言だけあって終了。


そして流血ブリザード…と、ものすげえエッチな格好をした”ユダガール”(NEKO&白玉あも)がステージに現れる。
(おっぱいが…)
約9ヵ月ぶりに観る流血ブリザード。
もちろんいつものスカムで楽しいパンク・ロック連発。
(メンバー紹介はSUZANが最初にやったので、ベーシスト、ベルゼブブ・ヨゴレのいつもの「わははは、俺は悪魔だ!」とかはなし)
いったんユダ様がはけて、メンバーのMC(ヨゴレはホントに見る度に髪型が違う)と、ミリー・バイソン(ギター:演奏しながら脚がもの凄い角度で上がるの、ナンシー・ウィルソンみたい)が歌う「流血ブリザードのテーマ」。
再登場したユダ様がでっかい花火をバチバチやって、ステージもフロアも白煙で何だかよく見えなくなった状態で本編終了。
約35分。
ちなみにミリーさんのケツには”売女”ではなく”混沌”と書いてありました。

アンコール1曲目はユダ様のソロ。
トリップ・ホップ風のトラックに乗せたダークなラップと歌唱に、ユダ様の多才ぶりを見る。
続いてSUZANが登場してのユニット”デビルホンコンズ”、更にミリー・バイソンも加わり。
お約束の(?)ケーキにユダ様の顔が突っ込まれる誕生日セレモニーに続いて、みんなで「I Love Me」。
いやあ、楽しかった。

それにしても、流血ブリザードももう15年ですってよ。
で、俺が初めて流血ブリザードを観たのがちょうど10年前、2013年9月29日の新宿LOFT。
https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_1365.html
もう10年も経ったのか…。
光陰矢の如し。


追記:
COCOBAT、2018年7月に観てたわ…。

(2025.5.14.)

「じゃない方」(YouTubeには何でもある)

JAM.jpg「60年代のTHE FEELIES」とか「アメリカのGENESIS」とか、そういう話が続いているが。
今日も”そういう話”です。

アメリカにもTHE JAMがいたんですってねえ。
(ってか、考えてみればありそうなバンド名でもあるような)

アメリカの方のTHE JAMは、ワシントン州スポケイン出身の5人組。
1968年にサイアー・レコーズからシングル「Loving Kind Of Way」を出したきり消えている。
やはりというか、シーモア・スタインがプロデュースしていたそうで。
しかしシングル1枚で終わったということは、多分売れなかったのだろう。

B面曲「Something's Gone」は『PEBBLES』シリーズに収録されたそうだが、俺は持っていなかった。
しかし現在では「Loving Kind Of Way」も「Something's Gone」もYouTubeで聴けるのだった。
(YouTubeホントに何でもあるなあ)

「Loving Kind Of Way」はソフト・ロック寄りのサイケ、みたいな感じのバラード。
ハモンド・オルガンが前面に出ている。
「Something's Gone」はもうちょっとガレージ色と元気のある曲で、『PEBBLES』に収録されたのも納得出来なくもない。
こちらもハモンドをフィーチュア。

アンサンブル面でのリーダーシップはやはりオルガニストのニック・ローリッツェンにあったらしく。
他のメンバーがTHE JAM以降ほとんどシーンに残らなかった一方で、ニックはJAM解散後、1969年に結成されたSHAKEY LEGSというバンドで71年にアルバムをリリースしている。
もっとも、ニックの活動もそこまでだったようだが。

で、今ではSHAKEY LEGSもYouTubeで聴くことが出来る。
(ホンットYouTube何でもあるなあ!)
ブルージーでスワンピーなアメリカン・ロック。

SHAKEY LEGSのメンバーのうち、プレイヤーとして最も大成したのはドラムのジャック・ブルーノで。
彼は80年代以降ティナ・ターナーやジョー・コッカーのバックで長く活躍し。
ジョーもティナも鬼籍に入った現在も、ジャックは現役を続けている様子。


…と、話がアメリカのTHE JAMからえらい遠くに来たところで、今は英国のJAMを聴いているのだった。

THE NEW INVINCIBLES/LEGS ELEVEN(2004)

NEW INVINCIBLES.jpg先日のミーアキャッツなどに続いて、昔新宿にあったBARN HOMESで買った1枚。
これまた先日紹介したTHE LOVED ONES同様、オーストラリアのバンド。

パースで結成されたTHE NEW INVINCIBLES、多分2ndアルバム。
多分…というのは、このバンドは2001年にアルバム『FAR FROM TALENTED』をリリースしているのだが、そのアルバムは初期のデモ音源集だったということで、それが正式な1stアルバムかどうかは怪しいのだった。
ひょっとしたらこの『LEGS ELEVEN』が1stアルバムという位置付けかも知れない。

メンバーはスコット・ショウ(ギター、ヴォーカル)、マックス・ボックス(ベース、ヴォーカル)、デイヴィッド・ブラックウェル(ドラム)、トリスタン・デムラー(ハモンド)の4人。
アルバム中の4曲を作曲し、レコーディングとミックス、そしてアートワークも担当しているデイヴィッドがバンドのリーダーなのかも知れない。
(ジャケットに写っている女性の下半身はイラストではなく、アンという女性がモデルとのこと)

『FAR FROM TALENTED』ではTHE MONO MEN、このアルバムではTHE SONICSのカヴァーを演っているということで、シアトル近辺のガレージ・バンドの影響が大きい様子。
(SONICS「Strychnine」カヴァーを含む11曲がクレジットされているが、実際にはその後にTHE NIGHTCAPS「Wine Wine Wine」のカヴァーが収録されている)

ネットではTHE LIME SPIDERS(https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_91.html)の影響が指摘されている一方で、LIME SPIDERSのようなハード・ロック色は皆無。
むしろ同時期の日本で活動していたTHE EAGLE NEVER HUNTS(https://lsdblog.seesaa.net/article/201904article_2.html)みたいなオルガン・ガレージ色が強い。
(曲によりピアノもフィーチュア)
QUESTION MARK AND THE MYSTERIANSとMOTORHEADの影響もあったらしいが、MOTORHEADには全く似ていない。
ともあれサヴェージなヴォーカルと暴れまわるドラムを前面に出したオルガン・ガレージは、なかなか悪くない。
シークレット・トラック含む12曲中3曲はライヴ録音、2曲はカセットでの録音という。

バンドはその後2012年のEP「Hear Some Evil」以降、リリースがない。
しかし現在でもBandcampが生きているので、解散はしていないのかも知れない。