THE STRANGLERS/RARITIES(1988)

STRANGLERS RARITIES.jpgEL ZINEで特集もしたTHE STRANGLERSだったが、このブログで紹介したのは1986年のアルバム『DREAMTIME』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201909article_15.html)だけだった。
マジか。
そこでコレ。

俺が初めて買ったTHE STRANGLERSのCDがコレだった。
(それ以前はアナログ盤)
確か札幌のCISCO(もうない)だったのでは。
(記憶が定かでないが)

タイトル通り、シングルB面曲やラジオ向けエディット、外国語ヴァージョンなどのレア音源を19曲66分詰め込んである。
一聴して「変な曲(?)ばっかり入っている」という印象だったが、アルバムとしての性格上、まあ当然と言えば当然だった。

BBCが「Peaches」を放送禁止にしたため、ラジオ・エディットとして歌詞を差し替えたヴァージョンとか。
キーボード・ソロを大胆にぶった切った「No More Heroes」ラジオ・エディットとか。
「Sweden」のスウェーデン語(!)ヴァージョン「Sverige」とか。
シングル「Nice 'N' Sleazy」のB面曲だったTHE STRANGLERS史上最短(1分6秒)・最速のハードコア・ナンバー(?)「Shut Up」とか。
シングル「Walk On By」のB面曲で、ジャズ/ブルーズ・シンガーで評論家としても知られたジョージ・メリーが歌い、ルー・ルイス(!)がハープで参加した「Old Codger」とか。

個人的に聴きモノだったのは、セリア・ゴーリンをヴォーカルに迎えたプロジェクト・CELIA & THE MUTATIONSの1stシングルの2曲「Mony Mony」と「Mean To Me」。
CELIA & THE MUTATIONSはシングル2枚しか出しておらず。
THE STRANGLERSが演奏したのは最初のシングルだけで。
2ndシングルはA面がウィルコ・ジョンソン(ギター)とジャン=ジャック・バーネル(ベース)とテリー・ウィリアムズ(ドラム:MAN、ROCKPILE他)というまた何とも凄い組み合わせ、B面は全然違うメンバーだったという。
俺がCELIA & THE MUTATIONの「Mony Mony」を初めて聴いたのはこのCDを買う直前、ラジオでのことだったが、ちょうどビリー・アイドルの「Mony Mony」がヒットしていた頃だったので驚いたモノだった。

一番ヘンなのは断トツで、ラストに収録された「Love 30」だろう。
シングル「Golden Brown」のB面曲。
ダビーなインストゥルメンタルに、これまたダブ的に処理されたテニスの試合の音声(ボールの音がポーン、ポーンと鳴り響く)が乗るという。
ジョン・マッケンローへのトリビュートとのことで、いかにも英国人らしいとでもいうか…。
まあ、半ば冗談だったようだが。


休みがちとか言いながら6日連続でブログ書いたが、明日以降はまたわからない。

ROCK THE SPIDERS

SPIDERS.jpgこの世に”SPIDERS”を名乗るバンドは複数存在し。
一番古かったのは(多分)日本のザ・スパイダースだろう。
1961年。
このブログでは66年のシングル「なんとなくなんとなく」を紹介している。
https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_1225.html

次にALICE COOPERの前身バンド・SPIDERS。
1965年に前身バンドから改名。
このブログではリイシュー盤のEPを紹介している。
https://lsdblog.seesaa.net/article/202001article_28.html

そしてスウェーデンのSPIDERS。
2012年にデビューしたバンド。
このブログでは1stアルバム『FLASH POINT』を紹介している。
https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_1097.html

SPIDERだったらNew Wave Of British Heavy Metalのバンドとかニューヨークのハード・ロック/パワー・ポップ・バンドとか。
(この2組、奇しくも大西洋の両側でほとんど同時期に活動していた)
他にもたくさん。
あとSPIDERS FROM MARSとかLIME SPIDERSとかNEUROTIC SPIDERSとか。

同名異バンドなんて別に珍しくもなんともないけどさ。
それにしても、洋の東西を問わず、”蜘蛛”がバンド名に多く用いられるのは不思議な気もする。
グループ・サウンズにはザ・タイガースもいて、やっぱり海外にもTHE TIGERSは複数いたものの。
でも虎より蜘蛛の方が多いみたい。
うん、不思議だ。


皆様御存知と思うが、クモは虫ではない。
節足動物の中ではダニやサソリと同じグループ。
サソリならSCORPIONS、コレもドイツのあのバンド以外に複数いた…というのは以前に書いた。
ダニは…バンド名としてはちょっとどうかと思うんだけど。
ところが海外にはダニを意味するTICKとかTICKSとかいうバンドも複数いるのだった(!)。

悲しみのヨーロッパ?(あれこれやり邦題)

HENRY COW DESPERATE STRAIGHTS.jpgHENRY COWとSLAPP HAPPYの合体作でありながらHENRY COW名義でリリースされた1975年のアルバム『IN PRAISE OF LEARNING』の70年代当時の邦題は”傾向賛美”となっていたが。
コレは誤訳。
実際には”学習の称賛”となるだろう…というのは、14年前にこのブログで書いた。
https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_227.html
2015年に出たリマスターCDでは単に”イン・プレイズ・オヴ・ラーニング”というカタカナ表記になっていた。
今月また再発になったみたいだけど、そっちはどうかな。
やっぱりカタカナみたい。
1st『LEGEND』(73年:https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_1812.html)が”伝説”、2nd『UNREST』(74年)が”不安”と邦題が付いているんだから、『IN PRAISE OF LEARNING』も邦題あったほうがイイような気も。

一方、HENRY COWとSLAPP HAPPYの連名作『DESPERATE STRAIGHTS』(1974年:画像)は、80年に初めて国内発売された時の邦題が”悲しみのヨーロッパ”。
SANTANAみてえだな…。
これまたリマスターCDでは”デスプリット・ストレイツ”とカタカナ表記になっていた、はず。
(”絶望一直線”ではない)

ビクターから『DESPERATE STRAIGHTS』が国内リリースされた時に同時発売となったのが、CANの1975年作『LANDED』。
邦題は”闇の舞踏会”。
CANのメンバーが、『LANDED』の日本でのタイトルは”DARK BALL”(となると思う)だよ…と聞いたら、どんな顔をしただろうか(笑)。

HENRY COWやCANと同じシリーズで初の国内発売となったGILGAMESHの1stアルバム『GILGAMESH』(1975年)の当時の邦題は”不思議な宝石箱”。
メンバーは「ああ、日本には双六ってないのかい…」とか言いそう。
いや、あったんですが。


10~20代の頃は、「でたらめな邦題は不要!」とか思ってた。
でもキャプテン・トリップ・レコーズでよくライナーノーツ書いてた20年ぐらい前になると、”でたらめな邦題”を嬉々として付けてたよな(笑)。
(あの頃、アルバムの邦題は松谷健氏が付けてたけど、曲名の邦題はけっこう俺がアイディア出してた)
”パーソネルは以下の通り”みたいな、70年代の国内盤ライナーにありがちな言い回しもよく真似したモノだった。


でも今も、オジー・オズボーン「Shot In The Dark」が”暗闇でドッキリ”とか…はナシだと思うんだ(笑)。