WAYNE KRAMER/LIVE AT DINGWALLS 1979(2000)

WAYNE KRAMER LIVE AT DINGWALLS.jpgこの2月に亡くなったウェイン・クレイマー(MC5)…のライヴ盤は、昨年1998年の『LLMF』を紹介したが。
https://lsdblog.seesaa.net/article/500095417.html
こちらはその20年ほど前のライヴ。

MC5の解散後にドラッグの取引で収監されていたウェイン・クレイマーは、出所するとパンクで沸き返っていたイギリスで温かく迎えられ、しばらくはそこで活動していた。
その時期のライヴ。

ウェイン・クレイマー(ヴォーカル、ギター)を支えるメンバーは、ラリー・ウォリス(ギター:元PINK FAIRIES、MOTORHEAD)、アンディ・コルホーン(ベース:元WARSAW PAKT他)、ジョージ・バトラー(ドラム:THE LIGHTNING RAIDERS)。
このアルバムの邦題は”ミーツ・ピンク・フェアリーズ”となっているが、確かにアンディもジョージもその後PINK FAIRIESのメンバーとして活動したものの、正確に言えばこの時点でラリーたち3人が”PINK FAIRIES”というワケではなかった。
ともあれラリーたち英国勢が元MC5のウェインと活動することにエキサイトしていたのは間違いなかったし、ウェインの方もデトロイト・ロックの影響を70年代のロンドンで醸していたPINK FAIRIES~MOTORHEADのメンバーであるラリーと一緒に演奏出来たことを喜んだはずだ。

ともあれしばらく刑務所で暮らしていたウェイン・クレイマー…ライヴをやるにあたって充分なオリジナル曲はなかった。
そこでここでは、「Kick Out The Jams」「Looking At You」というMC5のレパートリー、ウェインが当時リリースしていたシングル「Ramblin' Rose」(1977年:https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_581.html)から「Ramblin' Rose」(コレも元々はMC5のレパートリーだ)と「Get Some」、「The Harder They Come」(79年:https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_2176.html)から「The Harder They Come」と「East Side Girl」、そして数々のカヴァー曲でステージを構成している。
上記以外の曲はモーズ・アリスンの「Goin' Up To The City」、ボブ・シーガーの「Heavy Music」、トラディショナルにウェインの語り風ヴォーカルが乗った「Cocaine Rap」、GRAND FUNK RAILROADもカヴァーしていたジェリー・ゴフィン&キャロル・キングの「Some Kind Of Wonderful」、テキサスのソウル・シンガー、レオン・ヘイワードの「Freaky」、そしてこれまたMC5のレパートリーでもあったチャック・ベリー「Back In The U.S.A.」となっている。
「Ramblin' Rose」と「The Harder They Come」もカヴァーなので、全12曲中、純然たるオリジナルは「Get Some」「East Side Girl」の2曲だけだったことになる。

MC5のレパートリーだった「Kick Out The Jams」にしても「Looking At You」にしても「Back In The U.S.A.」にしても、ヴォーカルがロブ・タイナーではなくウェイン・クレイマーということで、物足りなく感じられるのは仕方ないかも知れない。
(しかもテープがなかったのか、ラストの「Looking At You」は途中でブツッと切れてしまう)
しかし、THE DAMNEDが「Looking At You」をカヴァーしていた当時のロンドンにあって、そのオリジネイターたるMC5のメンバー:ウェインは、当地のパンクスに熱狂的に迎えられていたことだろう。
そして「Kick Out The Jams」はMC5末期のヴァージョンに近いスピーディーなアレンジで演奏されている。

何より注目すべきはボブ・シーガーのカヴァー「Heavy Music」かも知れない。
現在では”ハートランド・ロック”などという括りに入れられているボブが、かつてイギー・ポップにも影響を与えたデトロイト・ロックのアイコンのひとつだった…そのことを、ウェイン・クレイマーは70年代末の英国のキッズに改めて知らしめるように、熱くヘヴィにプレイする。
ちなみに初期のEDDIE AND THE HOT RODSもボブの「Get Out Of Denver」をカヴァーしていて、1990年の発掘ライヴ盤『GET YOUR BALLS OFF』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_618.html)で聴くことが出来る。

そしてこの後、ウェイン・クレイマーはもう一人の元祖パンクであるジョニー・サンダースとのGANG WARで短期間活動するのだった。

武蔵境あと1週間

RETURN OF THE LIVING DOLLS JULY 2024.pngはい、「CLUB-D」@大森AIN'T NO#が終わりましたら、もうすぐ「RETURN OF THE LIVING DOLLS VOL.4」@武蔵境STATTOです。
このイヴェント、今回が最終回とのこと。










Hurtin’ Records Presents

Return Of The Living Dolls Vol. 4
“Tribute to Walter Lure“ with Joe Rizzo
(from NYC - Walter Lure and The Waldos)

2024年7月6日 (土)
武蔵境STATTO 

★ バンド :
The Golden Rat with Joe Rizzo(The Waldos)
Naruzy Suicide Band
ジョニーダンサーズ

★ DJ :
大越よしはる
(フリーライター)
KADOI THE HEARTBREAK
(ジョニー・サンダース コンプリート・ワークス) 
Ai(Bators Madness)
Akira(13th Avenue)

★ 出店 :
13th Avenue(福岡)
VEXTON(名古屋)

入場者全員に Courageous Cat Club Vol. 8 (最終号)を無料配布(入場特典)

問い合わせ
Hurtin' Records
dtklamfjp@yahoo.co.jp

Live & Beer 武蔵境 STATTO
0422- 36- 0248


今回俺は出番2回ありますが、1回目は久しぶりにアナログ盤回そうと思っています。
ジョニー・サンダースと、ウォルター・ルアー含むジョニー周辺を愛するすべての人のための多分最後のパーティー、皆様是非お越しください。
ヨロシクです。

大森で祝賀

BASIA.jpgはい、27日(木)「CLUB-D」@大森AIN'T NO#、御来場の皆様ありがとうございました。

今回は、会場であるAIN'T NO#がめでたい25周年ということで、それをサプライズでお祝いする回でありました。
その手の企画で一番ウケをとれる例のDJがいなかったような気がするが、まあそれはそれとして。







SET LIST
Copernics/BASIA
Breakout/SWING OUT SISTER
The King Of Rock 'n' Roll/PREFAB SPROUT
気分爽快/森高千里
What A Wonderful World/JOEY RAMONE
Happy/THE ROLLING STONES
Rock And Roll/LED ZEPPELIN


はい、ポップで楽しい感じの選曲でね。

後半の”DJバトル”で回した曲目は、いつもは割愛しているんだけど。
今回はお問い合わせの多い曲があったんで、こちらも載せておきましょう。

死ぬくらい大好き愛してるバカみたい/HERE
You're My Favorite Waste Of Time/FLORAPOP
Tonight/IGGY POP
Steppin' Out/JOE JACKSON


ともあれ大森AIN'T NO#ヒトミさん、おめでとうございます。
25年って、凄いねえ。
コロナ禍を乗り切ったら今度は際限ない物価上昇と、いろいろ大変だと思うけど、今後も素敵なお店を続けてください。


次回DJは7月6日(土)「RETURN OF THE LIVING DOLLS VOL.4」@武蔵境STATTOです。
このあと9月までは毎月DJ入る…かも知れない。