
(https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_1216.html)
その次はと言ったら、コレになると思う。
(『GRACE UNDER PRESSURE』を聴いた後、すぐに『2112』とかに遡ったけど、結局80年代のが好きだ、となった)
スタジオ作としては12枚目。
10曲で50分半という尺は、バンドがフォーマットとしてLPではなくCDをメインに考えるようになったことを象徴している。
前作『POWER WINDOWS』(1985年)ももちろん良かったが、デジタルな感触やシンセサイザーが『GRACE UNDER PRESSURE』以上に前面に出ていることに、少し違和感があった。
その点『HOLD YOUR FIRE』ではシンセのフィーチュア度が若干抑え気味になった一方で、デジタルな要素がよりこなれて自然に聴こえるようになった感があり。
(やはりというか、アレックス・ライフソンはあんまりシンセを前に出すのは嫌だったらしい)
しかも楽曲はポップでメロディアスでキャッチー。
それでいて時間をテーマにした深遠な歌詞をはじめとして、プログレッシヴな感覚は失われておらず。
あとジャケットもカッコいい。
プロデューサーは前作同様、ピーター・コリンズ。
シンセとプログラミングで、これまた前作にも参加していたアンディ・リチャーズがゲスト参加している。
この人は当時FRANKIE GOES TO HOLLYWOOD「Relax」「Two Tribes」、ジョージ・マイケル「Careless Whisper」や、PET SHOP BOYS「It's A Sin」「Always On My Mind」などの大ヒット曲に関わり続けていた、超売れっ子セッションマンだった。
ゲストと言えば、何と言っても「Time Stand Still」に客演したエイミー・マン。
TIL TUESDAYはそれほど好きでもなかったのだが、「Time Stand Still」のPVを観て「エイミー・マン、いい…」となったのは、俺だけではなかったらしい(笑)。
(この人すげえ背が高いんですってね)
意外なことに、80年代のRUSHのアルバムで、最もチャート・アクションが低いアルバムなのだそうで。
全米13位、全英10位。
暗いと言われた『GRACE UNDER PRESSURE』が全米10位、全英5位で(しかもなんとオリコンチャート72位)、『POWER WINDOWS』が全米10位、全英9位。
とはいえ全米13位なら堂々のヒット作だ。
これまた意外なことに、ネットで検索するとこのアルバムについて語っている人がけっこう多い。
(全曲の歌詞を訳して、国内盤歌詞カードの誤訳を指摘しているサイトまで)
RUSHって日本でそんなに人気あったんだっけ?
40年余りの活動の中で、来日1回しかなかったのにね。
さて、コレが2024年最後の投稿になります。
今年もどうにか生き延びた…。
皆様、良いお年をお迎えください。