THE FONDAS/COMING NOW!(2003)

FONDAS.jpg元THE DETROIT COBRASのスティーヴ・ショウが2003年に結成したバンド。
10年ほど前に2ndシングル「Make You Mine」(06年)を紹介したが。
https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_1866.html
こちらは1stアルバム。

メンバーはジュリー・ベンジャミン(ヴォーカル:元SLUMBER PARTY)、スティーヴ・ショウ(ギター)、マーク・ジェイムズ・ニーメンスキ(ギター:元HYSTERIC NARCOTICS)、ジョー・バーディック(ベース:元THE DIRTYS)、チップ・サーコム(ドラム:元THE SILLIES他)の5人。
ジュリーはSLUMBER PARTYではヴォーカリストではなくドラマーだったのだそうで。

ジャケットには”WAY DOWN IN THE MOTOR CITY UNDERWORLD”とある。
約36分で14曲。
デル・シャノン、ハンク・バラード、モーズ・アリスン、ドン・コヴェイ他、それなりに名を知られていたり知られていなかったりする人たちの、あんまりもしくは全然知られていないようなカヴァー曲を中心とし、それらをデトロイト・マナーでガツンと演奏する…という音楽性の基本線は、THE DETROIT COBRASとほぼ一緒。
大きく違うのは、ジュリー・ベンジャミンのヴォーカル。
ソウルフルでワイルドなレイチェル・ネイギー(DETROIT COBRAS:故人)とはまったく対極的な、ポップにしてダル、かつクールにしてセクシーな歌唱。
それがまた実に良かった。
キング・コールマンのカヴァー「Down In The Basement」は歌入りとインストゥルメンタルの2ヴァージョン入っていて、インストゥルメンタルの方ではゲストのサックスをフィーチュアしている。
とてもカッコいいアルバムです。

「Make You Mine」のレヴューでも書いたが、ひょっとしたらバンドの中心人物はスティーヴ・ショウではなくマーク・J・ニーメンスキだったのかも知れない。
14曲中1曲しか入っていないオリジナル曲は、マークの手になる。

このアルバム、DISK UNIONのサイトでは”日本の”俺たちガレージやってます!”の皆さんにはぜひお手本にしてほしいバンドです”と、えらく毒のあるコメントが付けられている。
Amazonでは3万円以上(!)の値段が付いているが、もちろん(?)そんなのはAmazonだけで、Discogsでは800円台。

その後ベーシストがニック・ソコロウスキに交代し、バンドは2006年に2ndアルバム『RUNAWAY BOMBSHELL』をリリースするが。
しかし、それっきりだった。
それからもう20年近く経っている。

マーク・ニーメンスキはクエスチョン・マークのバックなどで活動。
チップ・サーコムはDEVIOUS ONESというバンドで、現在も活動しているっぽい。
スティーヴ・ショウはギタリストとしてよりも、フォトグラファーとして有名。
(THE GORIESなど多くのジャケットを手掛けている)
彼はそっちの方が本業なのかも知れない。
ジュリー・ベンジャミンはどうしているだろうか。
(多分まだ40代半ばとかではと思うのだが)

1月になってもレミーを偲ぶ・その4

WHITE LINE FEVER.jpg『ホワイト・ライン・フィーヴァー』(画像:https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_1867.html)はレミーの自伝本だが。
実際にはもちろん(?)レミーが自分で文章を書いているワケではなく。
表紙と奥付のところに小さくクレジットされている、ジャニス・ガーザという人が、レミーに話を聞いて文章に起こしている。

最近になって、そのジャニス・ガーザがレミーの死の直後に、レミーについて書いた文章というのを見つけた。

https://www.yahoo.com/entertainment/aftershock-remembering-my-my-time-with-lemmy-175426270.html

『ホワイト・ライン・フィーヴァー』の執筆作業は90年代半ばに始まり、数年かかったという。
ジャニス・ガーザはその間、カセットテープレコーダーでレミーに約37回のインタヴューを行なったとのこと。
用意したのが仮に90分テープだったとしたら、単純計算で55時間半ということになる。
(ちなみに俺自身は、インタヴューにはいつも90分テープを使っていた)
ただ実際には、レミーの部屋に女の子が来ているような時にはインタヴューを短く切り上げることもあったそうなので(笑)、そこまでではなかっただろう、と思う。
(これまた俺自身の経験に照らすと、百数十ページの本を1冊書くのに計10時間ぐらいの取材で最低限なんとかなるので、37回インタヴューをしたら、400ページ近い本に収まりきらない話が聞けたはず)
あとジャニスが確認のためにレミーに原稿を送ったのはFAXでだったとか。
(そりゃそうだろうな。俺自身、いまだにFAXの付いた固定電話を残している)

ジャニス・ガーザによれば、レミーは”レミー”という完璧なペルソナを演じていた男で、本当の素顔を見せることはほとんどなかったらしい。
たとえばジャニスが調べた限りでは、HAWKWINDをクビになった時、レミーのショックはかなり大きく、感情的に崩壊に瀕したらしかった。
しかし取材でのレミーは、そのことをきっぱり否定したという。
曰く、”レミーの心の中では”、彼はすぐに立ち直り、すぐにMOTORHEADを結成したことになっていたのだ、と。

唯一、レミーが包み隠さず語った、決して癒えない心の傷は、彼が”ただひとりの運命の人”として『ホワイト・ライン・フィーヴァー』を捧げた元恋人…本編には”スー”として登場するスーザン・ベネットについての思い出だったという。
ジャニス・ガーザ曰く、”彼は決して彼女のことを忘れることはなかったし、私は彼が彼女のことから立ち直ることもなかったと思っている”とのこと。
そこまでだったのか…。
そしてジャニスは”もし死後の世界があるとしたら、彼が最初にしたことは、彼女を探しに行くことだったに違いない”と語る。
ちょっと泣きそうになった。

スーザン・ベネットがヘロインのオーヴァードーズで亡くなったのは、ちょうどレミーがHAWKWINDに加入した頃だったという。
レミーのHAWKWIND参加は1971年8月なので、71年の夏から秋にかけてぐらいだろう。
スーザンが死ななかったら、その後のレミーの人生は違ったモノになっていただろうか。

たまには健康の話でも・その17

IGGY POP BRICK BY BRICK.jpg先週思いっきり体調を崩した俺だが、しかし性懲りもなく健康の話を書くのである。

栄養のバランスに気を遣い、基本的に8時間以上の睡眠を厳守している。
しかし貧乏なせいで、何しろ食う量が圧倒的に少ない。
極力タンパク質を摂るようにはしていても、成人男性が1日に必要とする量にはまったく届かない日がほとんど。
そんな具合なので、いったん体調を崩すとガクッときてしまう。
もうちょっと太らないとな…。
(今日の時点で体重65.5kg。標準体重は72kgぐらい)

ともあれ、今はひょっとしたら人生で一番食品の原材料や成分の表記をよく見ているかも知れない。
お金がないと摂りづらいタンパク質をどう摂るかが問題だ。
で、今年はほぼ毎日卵を食べている。
(幸い、一時期よりかはかなり安くなっているので…)

あとイワシとか、安い魚の缶詰もよく食う。
イワシの缶詰をさあ、炊き立てのご飯にざばーとぶっかけて、ぐっちゃぐちゃに混ぜて食うのが好き。
下品で雑だが、たまらんのですよ。

豆類もよさげだが。
実際糖質は少なめ、タンパク質と食物繊維多め。
ただし、豆類は消化があんまりよくない。
なので、豆類のタンパク質は肉や魚に較べて吸収されにくい。
あと豆類は、含まれるアミノ酸の種類もそんなに多くない。
やっぱり肉だよなあ…。

選択肢は鶏肉となるだろう。
牛や豚より安く、しかも体に良い。
鶏肉のタンパク質が分解されて出来るアミノ酸は、全部”必須アミノ酸”なんですってよ。
まあ俺の場合、その鶏肉すらそうしょっちゅうは買えんのだが…。
とにかく健康は大事です。


とか言って、今はドラッグ漬けでいつ死んでもおかしくなかった(のに今では超元気な)イギー・ポップを聴いてるんだけどね。