
10年ほど前に2ndシングル「Make You Mine」(06年)を紹介したが。
(https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_1866.html)
こちらは1stアルバム。
メンバーはジュリー・ベンジャミン(ヴォーカル:元SLUMBER PARTY)、スティーヴ・ショウ(ギター)、マーク・ジェイムズ・ニーメンスキ(ギター:元HYSTERIC NARCOTICS)、ジョー・バーディック(ベース:元THE DIRTYS)、チップ・サーコム(ドラム:元THE SILLIES他)の5人。
ジュリーはSLUMBER PARTYではヴォーカリストではなくドラマーだったのだそうで。
ジャケットには”WAY DOWN IN THE MOTOR CITY UNDERWORLD”とある。
約36分で14曲。
デル・シャノン、ハンク・バラード、モーズ・アリスン、ドン・コヴェイ他、それなりに名を知られていたり知られていなかったりする人たちの、あんまりもしくは全然知られていないようなカヴァー曲を中心とし、それらをデトロイト・マナーでガツンと演奏する…という音楽性の基本線は、THE DETROIT COBRASとほぼ一緒。
大きく違うのは、ジュリー・ベンジャミンのヴォーカル。
ソウルフルでワイルドなレイチェル・ネイギー(DETROIT COBRAS:故人)とはまったく対極的な、ポップにしてダル、かつクールにしてセクシーな歌唱。
それがまた実に良かった。
キング・コールマンのカヴァー「Down In The Basement」は歌入りとインストゥルメンタルの2ヴァージョン入っていて、インストゥルメンタルの方ではゲストのサックスをフィーチュアしている。
とてもカッコいいアルバムです。
「Make You Mine」のレヴューでも書いたが、ひょっとしたらバンドの中心人物はスティーヴ・ショウではなくマーク・J・ニーメンスキだったのかも知れない。
14曲中1曲しか入っていないオリジナル曲は、マークの手になる。
このアルバム、DISK UNIONのサイトでは”日本の”俺たちガレージやってます!”の皆さんにはぜひお手本にしてほしいバンドです”と、えらく毒のあるコメントが付けられている。
Amazonでは3万円以上(!)の値段が付いているが、もちろん(?)そんなのはAmazonだけで、Discogsでは800円台。
その後ベーシストがニック・ソコロウスキに交代し、バンドは2006年に2ndアルバム『RUNAWAY BOMBSHELL』をリリースするが。
しかし、それっきりだった。
それからもう20年近く経っている。
マーク・ニーメンスキはクエスチョン・マークのバックなどで活動。
チップ・サーコムはDEVIOUS ONESというバンドで、現在も活動しているっぽい。
スティーヴ・ショウはギタリストとしてよりも、フォトグラファーとして有名。
(THE GORIESなど多くのジャケットを手掛けている)
彼はそっちの方が本業なのかも知れない。
ジュリー・ベンジャミンはどうしているだろうか。
(多分まだ40代半ばとかではと思うのだが)