
死因は公表されていない。
73歳。
言わずと知れた元JUDAS PRIEST、そしてKK's PRIESTのドラマー。
キャリアは古く、JUDAS PRIEST以前にはエリック・バードンのバンドやWAR、エディ・ハーディンのバンド、そしてFANCYなどに在籍していたこともある。
しかし彼の名前をロック史上に残すことになったのは、何と言ってもJUDAS PRIESTでの活躍だ。
レス・ビンクスの前に『SIN AFTER SIN』(1977年:https://lsdblog.seesaa.net/article/201908article_12.html)にゲスト参加した名手サイモン・フィリップスもツーバス遣いだったが、続くアルバム『STAINED CLASS』(78年)のトップを飾った「Exciter」でのレスによる怒濤のツーバス連打が、MOTORHEADのフィル”フィルシー・アニマル”テイラーと並んでその後のスラッシュ・メタルに与えた影響は計り知れない。
しかもレスって、あの「Beyond The Realms Of Death」の作曲者でもあるんだよね…。
レス・ビンクスは続いてJUDAS PRIESTの『KILLING MACHINE』(1978年)、そして79年の名ライヴ盤『PRIEST IN THE EAST』(https://lsdblog.seesaa.net/article/501761661.html)にも参加。
しかし、レスが全然写っていない『PRIEST IN THE EAST』のジャケットからも明らかな通り(?)、彼はどうも正式メンバーとして扱われていなかったらしい。
レスがJUDAS PRIESTを脱退したのも、そのことに対する不満があったのだという。
その後はLIONHEARTやTYTANに短期間参加したり、カヴァー・バンドをやったり。
KK's PRIESTで現役ぶりを大いにアピールするかと思ったが、手首を骨折して離脱。
2022年に”ロックの殿堂”入りを果たしたJUDAS PRIESTと共演したのが最後の花道だったか。
ともあれレス・ビンクスがへヴィ・メタル史上における大きな功労者であったことは間違いない。
合掌。