GRATEFUL DEAD/RADIO CITY MUSIC HALL 1980(199?)

画像GRATEFUL DEADは結成15周年となった1980年、サンフランシスコのWARFIELD THEATERで9月25日~10月14日の間に15回のライヴを行ない、続けてニューヨークのRADIO CITY MUSIC HALLでも10月22日~31日の10日間のうち8回ライヴを打っている。
その時のライヴの模様は、翌81年にアコースティック・セットを編集した『RECKONING』(全米43位)、エレクトリック・セットを編集した『DEAD SET』(全米29位)という、それぞれ2枚組のライヴ・アルバムでリリースされた。

で、コレはブートです。
先日紹介したBISCAYAのブート同様、ブート屋の通販バーゲンとかで、もの凄く安く買ったやつ。

この時の計23公演のロングラン・イヴェントは、1回のライヴが大体5~6時間(!)あって、しかもセットリストは日替わりだったというんで、2枚組アルバム2作でも全体の中のほんのごく一部に過ぎなかったワケで。
GRATEFUL DEADのことだから、いろんな状況でいろんな人が録音した、全公演分のテープ…は多分実在するんだろう。
そんな中で、この2枚組ブートCDは、RADIO CITY MUSIC HALLでの演奏を収録している。
収録日は不明。
ライヴの流れがずっとつながって収録されているワケじゃなくて、曲間で音が途切れるところがあちこちにあるんで、ひょっとしたらコレも何日分かのライヴを編集しているのかも知れない。
一度デッドヘッズ向けのサイトを見て、演奏曲目から収録日を推定出来ないもんかと思ったけど、無理でした(苦笑)。

1965年に結成されたTHE WARLOCKSが改名してから、95年8月9日にジェリー・ガルシア(ヴォーカル、ギター)が亡くなるまでの約30年間で、GRATEFUL DEADのライヴは約2300回に及んだという。
それらの多くがオーディエンスによって録音されていて(あるいはサウンドボード音源が流出したり)、GRATEFUL DEADのブート盤というモノが一体何種類出ているのか皆目見当が付かない。
レコード/CDの形をとらず、テープで流通しているモノに至っては、想像もしたくない(笑)。
(海外のマニアの間ではそちらの方が主流)
俺が持っているわずかなブート盤の中にも、いろんなのがある。
60年代のライヴがびっくりするような高音質で収録されているモノもあれば、そうでないモノも。
この2枚組は…“そうでない”方なんですけど(笑)。

オーディエンス録音で、とにかく観客の歓声がデカい。
初めて聴いたときは、「うわっ、コレは…失敗したかな?」と思った。
買ってから聴く機会がなく、実際に聴いたのは購入してから何年も経ってからだったんだけど…あら不思議、一度聴いて以来、何故か繰り返し聴くアイテムに(笑)。

いわゆる“劣悪な音質”というワケじゃなくて。
演奏を凌駕するほどに手拍子や歓声が響き渡っている時もあるにはあるんだけど、演奏自体は“駄ブート”にありがちなゴモゴモのなんだかよくわからない音、じゃなくて、やや遠いながらもそれなりにクリアに聴こえるのでした。
なので、ある意味…もの凄く臨場感のある音!
フツーのライヴ盤じゃなくて、ブートならではの臨場感(笑)。

パフォーマンス自体は、とても良い。
1980年といえば、ジェリー・ガルシア(ヴォーカル、ギター)、ボブ・ウィア(ギター、ヴォーカル)、フィル・レッシュ(ベース、ヴォーカル)、ビル・クルツマン(ドラム)、ミッキー・ハート(ドラム)のオリジナル・メンバー(ミッキーは2ndアルバム『ANTHEM OF THE SUN』から参加なので、厳密にはオリジナル・メンバーじゃないけど)…に加えて、(当時の)新メンバー、ブレント・ミドランド(キーボード:元SILVER)加入から約1年半。
長くスタジオ録音から離れる前の最後のアルバムとなった佳作『GO TO HEAVEN』(全米23位)をリリースした年でもあり。
(全米6位を記録した次のスタジオ作『IN THE DARK』が出たのは87年。ちなみに俺がGRATEFUL DEADをリアルタイムで聴き始めたのがその頃)
脂の乗ったGRATEFUL DEADのタイトな演奏は、それ以前ともそれ以後とも違う一方で、またGRATEFUL DEADでしかないノリを持つ。
もっとも、このブートを『RECKONING』や『DEAD SET』より先に聴けということは、絶対ないけどね(笑)。
しかしこのブート、内容が優れている、とは口が裂けても言えないものの、何故か見開きの美麗な紙ジャケット、しかも1枚ずつちゃんとビニールの内袋に入っているという、凄く丁寧な作りなのであった。

このあと約10年間、同メンバーでの活動が続き、ブレント・ミドランドを含む編成によるポップかつサイケデリックなアンサンブルの(一応の)完成形を聴かせたのは、『BUILT TO LUST』(1989年:全米27位)に続く(もちろん正規盤の)2枚組ライヴ・アルバム『WITHOUT A NET』(90年:全米45位)だろう。
残念ながら、それがブレントの遺作になってしまったのだけど。
(『WITHOUT A NET』リリース前の90年7月に37歳の若さで死去)
リアルタイムで接していた時代ということもあって、個人的にはGRATEFUL DEADといえば、ブレント在籍時の諸作が一番思い入れが強いのでした。

そして、ジェリー・ガルシアがこの世を去って、既に17年も経っているとは。


(2023.10.13.改訂)

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック