MAN/MAXIMUM DARKNESS(1975)

画像BUDGIEと並んで、ウェールズを代表するバンドのひとつ、MAN。
1968年、ミッキー・ジョーンズ(ギター、ヴォーカル)を中心に結成。
69年にアルバム『REVELATION』でデビュー。
前身バンドは62年結成…長いキャリアの中で、メンバーが出たり入ったり、解散したり再結成したり、その錯綜ぶりにはついて行けないところもあるが。
ともあれ良いバンド。

一方である意味つかみどころのないバンド。
サイケデリック・ロックと言われたり、スペース・ロックと言われたり。
パブ・ロックに入れられることも多いし。
ハード・ロックとしても聴けるし。
欧米(特にドイツ)ではプログレッシヴ・ロックの一種として捉えられることも多いみたい。
実に正体不明。

で、MANはブート含めてけっこう持ってるんだけど、中で一番好きなのが、このアルバム。
1975年にロンドンのラウンドハウスで録音されたライヴ盤で、レコーディング・エンジニアがヴィック・メイル。
…というだけでも最高なのに、アメリカをツアーした時に仲良くなったジョン・シポリナ(QUICKSILVER MESSENGER SERVICE~COPPERHEAD~TERRY & THE PIRATES他)がゲスト参加してトリプル・ギター編成、という更に最高な1枚。
当時全英チャート25位と、なかなかのヒット。

1曲目の「7171-551」から、ギター3本の勇ましいリフで約11分、コレだけで上がります。
(この曲は元々、ギターのディーク・レオナードが一時期脱退してやってたICEBERGの曲だが)
正直どれが誰のソロだかさっぱりわからないけど、イイんです(笑)。

2曲目にバフィ・セント=メアリーの「Codine」、コレがまた何とも。
前にTHE CHARLATANSの話をした時、「Codine」演ってるバンドに悪いバンドはいない…と書いたし。
まあここでのMANは、ジョン・シポリナが参加してるからQUICKSILVER MESSENGER SERVICEのレパートリーを、ってことで演ったみたいだけど。

続いてコレもジョン・シポリナ推しで、「Babe I'm Gonna Leave You」。
ジョーン・バエズで有名な…というよりも、LED ZEPPELINが改作しちゃったので有名な、50年代のフォーク・ソング。
何回聴いても、LED ZEPPELINのと同じ曲には全く聴こえませんが(笑)。

後半(LPのB面)はMANのオリジナルで、「Many Are Called, But Few Get Up」と、代表曲のひとつ「Bananas」。
どの曲も、テリー・ウィリアムズ(後にROCKPILEにも参加)のパワフルで歯切れのいいドラムに乗せて、3本のギターがハードかつサイケデリックに、縦横な絡みを聴かせる。
ヴォーカルも全部ハーモニーばっちりで。
(元々フランキー・ヴァリやTHE BEACH BOYSの多大な影響があったという)
マーティン・エースの太いベースも良い。
“元祖ジャム・バンドのひとつ”みたいに言われることもあるMANだけど、ここでの演奏はソロ回しの垂れ流しにならずに、随所でキメのあるビシッとしたアレンジで、コレがまたイイ。
(プログレに分類されるのはそのへんもあるんだと思う)
何回聴いてもいいアルバム。

ライヴCD2枚組とかだと正直ちょっと疲れるけど、このアルバムはLP1枚モノで約50分という尺も、“作品”としてちょうどイイと思う。
ついでにジャケットもカッコいい。
何度聴いたことか。
本当に文句なしの1枚。
バンドはこのアルバムの翌年、1976年春に解散してしまったが、83年に再結成。
現在も活動中のはず。


(2023.10.20.全面改訂)

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