バブル最末期、一瞬だけ金があった時代があって。それまで手が出なかった高価い廃盤LPをこれでもかと買っていた。
GURU GURUも、札幌のU.K.EDISONやRECORDS-RECORDSなんかで『HINTEN』(1971年)とか『KANGURU』(72年)とかをそれぞれ5500円くらいで買って、そのあとに買い込んだのがこのアルバム。
1800円くらいだったと思う。
(同時期に同じくらいの値段で買ったのがAMON DUUL Ⅱの『HI JACK』)
「なんだこりゃ」となった。
悪い意味で。
ウリ・トレプテ(ベース)もアクス・ゲンリッヒ(ギター)ももういないGURU GURU。
それ以前に『GURU GURU '88』(1988年)をリアルタイムで買ってたし、まあ音楽性は初期と違うだろうなとは思ったが。
初期の重さもハードさもまったくなくなってて、かなり面喰らったのでした。
今では大好きな1枚だけど。
70年代前半にウリ・トレプテとアクス・ゲンリッヒが相次いで脱退して、その後メンバー・チェンジが相次ぎ(POPOL VUHのコニー・ファイトがギター弾いてた時期も)、実質的に解散状態だったGURU GURUの、いわば復活作。
通算では7thアルバム。
この前にMANI UND SEINE FREUNDE名義のアルバム(1975年)があるけど。
この時点のパーソネルはマニ・ノイマイヤー(ドラム、ヴォーカル他)、ローランド・シェファー(サックス、ギター、ヴォーカル他:元BRAINSTORM)、セプ・ヤンドリジッツ(ギター、コーラス他)、ヨギ・カーペンキエル(ベース、コーラス:元KOLLEKTIV)の4人。
それと、インゴ・ビショフ(キーボード他)とトミー・ゴルトシュミット(パーカッション他)のKARTHAGO~KRAAN人脈がゲスト参加。
MANI UND SEINE FREUNDEの参加メンバーにローランドを加えてGURU GURU名義を復活させた、みたいな感じ。
ジャズ・ロック~クロスオーヴァー/フュージョンに、ポップな歌メロや(タイトル通り)タンゴをはじめとする南米の音楽のテイストを混ぜ込んだ作風で、とにかく初期のGURU GURUとは何もかもが違う(と思った)。
一度聴いてがっかりして、それから長い間聴かずにいたんだけど、90年代も半ばになって聴き直したら、あら不思議、カッコいいじゃないですか。
特に冒頭曲「Tomorrow」は、ヒット性十分な、メロディアスな歌モノ。
実際、90年代後半にキャプテン・トリップ・レコーズ主催のイヴェントに行ったら、ドイツのTV番組で「Tomorrow」を演奏する映像というのが流れて、「ああ、当時TVとか出てたんだ!」と知るのと同時に、改めて曲の良さを痛感。
で、ただのポップなジャズ・ロックにはなってなくて。
マニ・ノイマイヤー流のユーモア感覚が全編に横溢したモノになってる。
単に時流に乗ってフュージョンみたいなのを演ろうとしたんじゃなくて、時流に乗ったふりをして、テクニックの限りを尽くして悪ふざけしてみました、みたいな。
音の感触は全然違うけど、テクニックの限りを尽くして悪ふざけ、つったら『HINTEN』も根っこは一緒ですわなあ。
マニさん、そのへん実にブレがない…。
今では、その『HINTEN』や『KANGURU』よりもよく聴くんじゃないだろうか。
(再生回数では、『UFO』には負けるかもしれんが)
70年代末以降は再び迷走気味になるものの。
90年代には見事復活。
ローランド・シェファーは、90年代後半以降再びGURU GURUで重要なポジションを占めることに。
(2023.11.6.改訂)
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