PERE UBU人脈の、知る人ぞ知らないアルバム。初期PERE UBUのリズム・セクションだったスコット・クラウス(ドラム)とトニー・メイモーン(ベース)が結成したバンド。
スコットとトニーはPERE UBU参加以前の1971年から一緒にやっていたという。
ROXY MUSICやKING CRIMSONやTHE VELVET UNDERGROUND、マイルズ・デイヴィスなどに影響を受け、その後75年になってスコットがPERE UBUの結成に参加、しばらくしてトニーも加わっている。
ギタリストとしてメイヨ・トンプソンが参加した『ART OF WALKING』(1980年)リリース後、スコット・クラウスがPERE UBUを脱退。
スコットの後任にアントン・フィアを迎えたPERE UBUだったが、結局解散。
(初期ラインナップが崩れて行ったのは、スコットと初代ギタリスト、トム・ハーマンの不仲に端を発していたらしい)
スコットとトニー・メイモーンは二人で新しいバンドを始める。
それがこのHOME AND GARDEN。
バンドは1981年にEP「How I Spent My Vacation」をリリースし、その後メンバー交代を経て、84年にアルバム『HISTORY AND GEOGRAPHY』をリリース。
…前置きが長くなったが、今日紹介するアルバムは、オリジナルの『HISTORY AND GEOGRAPHY』をリミックスして、アウトテイクとEPの音源を追加収録してCD化されたモノ。
アルバムの時点でのメンバーは、スコット・クラウス(ドラム、シンセサイザー、ドラムマシーン、エフェクト)とトニー・メイモーン(ベース、シンセサイザー、キーボード)に、ELECTRIC EELSの準メンバーだったジム・ジョーンズ(ギター、メロトロン、シンセサイザー、オルガン)、ジェフ・モリソン(ヴォーカル)の4人。
基本的な編成はヴォーカル、ギター、ベース、ドラムというまっとうなバンドながら、ジェフ・モリソン以外の3人がシンセサイザー他鍵盤類を兼任。
ジム・ジョーンズがKRAFTWERKに入れ込んでいたということもあって、PERE UBU直系のアヴァン・ガレージ・サウンドに大量のシンセをぶち込んだダークなポスト・パンク/シンセ・パンク/オルターナティヴ・ポップが聴ける。
リード・ベース的にドライヴするベースと空間系のギターの絡みは、JOY DIVISIONや初期ZELDAなんかを思わせるところも。
かと思えば、なんだかニューオーリンズのクイントロンみたいな曲もあったり、一部CANっぽかったりも。
そこに、ちょっとジム・モリソンっぽくもあるジェフ(本名か?)の、芝居がかったトーキング・スタイルのヴォーカルが。
(ジェフは元々PERE UBUのファンで、本来シンガーではなく詩人という)
やはりというか流石というかのクリーヴランド…一筋縄でいかないねじれたロック。
初期のPERE UBUや、ELECTRIC EELS周辺なんかのファンにはお勧め。
ジャケットはもうちょっとなんとかならんかったかと思うが。
(売れそうな匂いがまったくしないな)
EPとLPをリリースしたものの、ライヴは2~3回しかやらなかったらしく、各メンバーはそれぞれレコード屋や本屋で働いていたという。
結局バンドは1986年に解散。
87年にPERE UBUが再結成すると、ジェフ・モリソン以外の3人は再編PERE UBUのメンバーとなるが、トニー・メイモーンは93年に脱退してTHEY MIGHT BE GIANTSへ。
スコット・クラウスも95年に脱退。
ジム・ジョーンズは健康上の問題で96年にPERE UBUを脱退し、2008年に亡くなったとのこと。
(2024.1.10.改訂)
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