最近思うように時間が取れないのが困りモノ。
先月下旬からずっと○○○○○○ばかり読んでいるので。
「Bleed For Me」は、80年代にDEAD KENNEDYSやFLIPPERやT.S.O.L.のロード・マネージャーをやっていたパトリック・オニールによる、DEAD KENNEDYSのある夜のライヴの思い出話。
パトリックは、18年間ヘロイン中毒で、3回銀行強盗をやって、2年半刑務所に入って、ドラッグのリハビリ施設に入って、クリーンになって12年経ち、今はノンフィクション作家をやっている…という、かなりアレな経歴の持ち主。
その晩DEAD KENNEDYSが到着したニュージャージーの、ゴミ捨て場みたいな会場「THE SHOWPLACE」…は、普段はストリップ小屋として営業している場所だったという。
サウンドチェックの準備をしようとした時点で、まだステージ上にしょぼくれたルックスの中年ストリッパーたちがいたそうで。
バーカウンターでとりあえずビールを注文したパトリック・オニールの隣には、脂ぎった黒髪に腕を埋め尽くしたタトゥー、革ベストの背中に誰も知らないようなバイカーギャングのチーム名を入れた男。
パトリックがビールを飲みながらステージ上の年増ストリッパーを眺めていると、隣のバイカーが、
「アイツを見るんじゃねえ」
「ごめん、なんだって?」
「アレは俺の女房だ、見るんじゃねえ」
…ここまで読んだだけで、ニュージャージーの田舎の方の薄汚いヴェニューのすえた空気が俺の部屋にも充満しそうでした。
二番手のバンドの演奏が終わって、セットアップ。
あとはいつもの気違い沙汰。
酸欠、灼熱、ステージ前の押し合いへし合い。
間断ないステージダイヴ。
折り畳みナイフをちらつかせるイカレ野郎がセキュリティ役のバイカーたちに取り押さえられて叩き出される。
(当然そのあとバイカーたちからストンピングの嵐を受ける)
オーディエンスの中に飛び込んだジェロ・ビアフラ(ヴォーカル)がステージに戻ると、血まみれ。
実際には、オーディエンスの中にナースがいて、ビアフラが「Bleed For Me」を歌っている最中に、病院からくすねてきた輸血用の血液パックをぶちまけたらしい。
とりあえずビアフラに怪我はなく、ショウは無事終了。
…誌面からかいつまんで簡単に書いてるけど(どのみち逐語訳なんて無理だが)、原文で読んでると(半分くらいわからないなりに)車に機材詰め込んで街から街へのツアー、年がら年中こんな毎日だったのかね、広いアメリカをツアーし続けるパンク・バンドのロード生活ってのは…とげんなりします。
ともあれ撤収。
宿泊予定のモーテルは隣の街。
州警察が全部の主要道路で検問中。
メンバーもクルーも全員酔ってるかキメてるか。
ただ一人、ビール1杯しか飲んでいなかったイースト・ベイ・レイ(ギター)が運転を買って出て、検問所へ。
警官「飲んでますか?」
レイ「いーや」
警官「アルファベットを逆から言ってみてもらえますか?」
レイ「そんなのシラフでも無理だよ」
警官は笑って通してくれましたとさ。
…あら、ジェロ・ビアフラって、普段コンタクトなのか。
ステージではコンタクトしてなくて、何も見えてないらしい。
(2024.1.11.改訂)
この記事へのコメント