2014年、地味~にスタート。リリース元がシャグラット・レコーズだという理由だけで、予備知識もなしに買った1枚。
33回転6曲入り10inch。
シャグラットってのは、PINK FAIRIESとかスティーヴ・トゥックとかばっかりリリースするレーベルなんだと思ってたんだけど、ブリジット・セント・ジョンとかウィズ・ジョーンズとかも出してるのね。
さてコレは…1959年からハートフォードシャーのフォーク/ブルーズ・シーンで活動し、ジョン・レンボーンとあちこちバスキングして放浪したり、旧友ドノヴァンの英国ツアーでバックを担当したり、マディ・プライアーとユニット(MAC & MUDDY)を組んだり、ボズ・スキャッグス(!)と活動したり、かと思えばCREAMに影響されていきなりデンマークでHURDY GURDYというパワー・トリオを組んでみたり(「Hurdy Gurdy Man」は元々ドノヴァンから贈られるはずの曲だったという)、ARGENTのレコーディングに参加してみたり、ミック・ソフトリーとのユニット(SOFT CLOUD)で活動したり…といろんなことをやっていたキース“マック”マクラウド(ギター、シタール、タブラ、パーカッション)という人が、ハートフォードシャーのミュージシャン仲間だったジュリアン・マカリスター(ヴォーカル、ギター)と組んだユニットの、発掘音源。
録音は71年。
2011年にCD化されているけど、曲は増えてなかったんで、本当にここでの6曲だけしか残ってないと思われ。
どういうつながりか知らないが、A面の3曲を元THE YARDBIRDSのヴォーカリスト、キース・レルフがプロデュースして、そちらにはタブラ奏者としてレイ・クーパー(このあとAMERICAやらリンダ・ルイスやらエルトン・ジョンやらPILOTやらカーリー・サイモンやらリック・ウェイクマンやらルパート・ハインやら、ジャンル問わず引っ張りだこのセッション・ドラマーとなる)が参加している。
1971年といえばキースがMEDICINE HEADに参加していた時期でもあるし、当時のキースはこういうアコースティックにしてアングラな感じの音楽に入れ込んでいたのかも知れない。
音楽的には、同じシャグラットからリリースされていたSTEVE TOOK'S SHAGRATに近い…幽玄のアシッド・フォーク。
極めて侘しく侘しく展開します。
裏ジャケットに印刷された、当時のポスターか何かに“東洋の山々から発した川は緩やかに曲がりくねってフォークロアの森に流れ込みます”みたいな文句が書いてあるんだけど、まさにそんな感じの音。
(THE INCREDIBLE STRING BANDの影響があったらしい)
あと、タブラをフィーチュアしているという点で、SAM GOPALのアコースティック版みたいな趣も。
(ジュリアン・マカリスターのヴォーカルに、レミーみたいなアクはないが)
問題は…シタールとタブラを使ったアレンジが、1971年の時点ではもう決定的に古くなかったか、と思わされるところだろう。
引き合いに出したSAM GOPALのアルバムは69年のリリースだ。
71年といえば、TYRANNOSAURUS REXも既にT.REXになって電化してた頃。
メロディ自体はナイスだと思うし、タブラやシタール抜き、ギター2本だけで歌われる「Sing On The Sunlight」なんて凄くイイ感じなんで、何というかもったいないと思う。
民族楽器なしでも、十分にサイケデリックな空気感を伝えられる実力はあったと思うんだけど。
逆に、時代を超えて2014年の今聴く方が馴染むような感じ、とも言える。
マック・マクラウドもジュリアン・マカリスターもこのあと音楽活動から離れてしまったみたいだけど、マックはその後2003年になってRPMからキャリアを俯瞰する編集盤がリリースされ、“Original Hurdy Gurdy Man”とかいって再評価の機会を得る。
90年代末以降は音楽活動も再開しているらしい。
ジュリアンともいまだに付き合いがあるという。
追記:
マック・マクラウドは2020年11月に79歳で亡くなったとのこと。
(2024.3.27.)
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