VAN DER GRAAF GENERATOR/GODBLUFF(1975)

画像久しぶりにプログレのアルバムを。
しかし好きだからといって、このブログでGENESISやYESのアルバムを紹介することは、多分ないだろう。
(…とかいって、いつかやっちゃいそうな気がするけど)

…で、VAN DER GRAAF GENERATOR。
DOLLでもパンクのルーツ的な扱いで紹介したことがあったけど、当時どれほどの読者様が納得してくれただろうか。
(実は意外と納得されてたらしい)

VAN DER GRAAF GENERATOR。
1967年結成。
シングル1枚残して69年に解散するが、同年復活。

俺がVAN DER GRAAF GENERATORのアルバムを初めて聴いたのは、1970年の2ndアルバム『THE LEAST WE CAN DO IS WAVE TO EACH OTHER』(長いな!)だった。
80年代半ば。
その時は、正直言ってあんまりピンとこなかった。
なんか、KING CRIMSONを小粒にしたみたいな…というのが当時の印象だった。
今改めて聴いてみるとそんなことは全然ないんだけど、その頃はVAN DER GRAAF GENERATORどころかKING CRIMSONだってそんなに深く聴いていたワケじゃないし、俺の方にその音を理解するだけの土台が足りてなかった、ということになるんだろう。
そうは言っても、今でも俺にとってVAN DER GRAAF GENERATORといえば、72年にいったん(というか二度目の)解散するまでの前期よりも、復活した『GODBLUFF』以降の、後期作品群の方が好きなんだが。

数年後に、中古LPで買ったのがこの『GODBLUFF』。
再結成第一弾。
1970年に脱退していたニック・ポッター(ベース)…は戻らず、ピーター・ハミル(ヴォーカル、ギター他)、ヒュー・バントン(オルガン、ベース)、デイヴィッド・ジャクソン(サックス、フルート)、ガイ・エヴァンス(ドラム)という『PAWN HEARTS』(71年)と同じ4人編成。
グッと硬派な感じの(?)ジャケットに期待して買ったんだが、聴いてみると、そのイメージ通りのアグレッシヴな音が飛び出した。
ピーターの流儀による“パンク・ロック”アルバムともいうべきソロ作『NADIR'S BIG CHANCE』(75年)の次に、同じメンバーでバンド名義として続けてリリースされたんだから、ある意味当然だった。
A・B面で全4曲という大作志向なのに、あっという間に過ぎていく、緊密にしてハイテンションな怒涛の演奏。
腕利きがそろって、実際一糸乱れぬ演奏をしているはずなのに、流麗な感じがまったくしない武骨なアンサンブル。
そこに乗っかる、イケメンなルックスからは想像もつかないピーターのゴツゴツした声による、狂気をはらんだ歌。
ガツンときた。

その後、機会がある毎に、VAN DER GRAAF GENERATORやピーター・ハミルのソロ・アルバムを、ちょっとずつ買っていった。
金もなかったんで一気に買いそろえたりは出来なかったし、ピーターのソロ作はとにかくたくさん出ていていまだに全部そろってないが、とにかくどれを買っても期待を裏切られたことはない。

今手元にあるのは2005年に出た再発CD。
コレにはボーナス・トラックで当時のライヴが2曲入っている。
音質が悪いせいもあるんだろうけど、なんだこの崩壊感覚に満ちた悪魔の演奏は。
プログレっていうか、違うよな、このバンド。
後に“オールド・ウェイヴ”と呼ばれることになる、パンク以前のロック…の大半が何かを見失いつつあった1975年の時点で、パンクによる更新をまったく必要としなかった数少ない存在のひとつ。
それがVAN DER GRAAF GENERATORだ。
ただ、そのアグレッションとテンションは流石に長続きすることはなく、数年後に燃え尽きたのだったが。

SEX PISTOLS~PUBLIC IMAGE LIMITEDのジョン・ライドン(ジョニー・ロットン)が元々VAN DER GRAAF GENERATORのファンだった、というのはわりと知られた話だが、こうして改めて聴いていると、ヴォーカルには確かに時々似てるところがある。
SEX PISTOLSの影響を受けてPISTOLSみたいな音を出すバンド、は幾らでもいるけど、影響ってのはそういう風に結実すべきもんじゃないだろう、ジョンを見習えっ…とか思ったのは完全に余談。


追記:
結局その後GENESISもYESもばんばん紹介するようになって現在に至る。
なんか、編集後記で「YESは特集しない」とか言ってた80年代のレコードコレクターズを思い出す(笑)。

(2023.1.25.)

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