60年代末にデトロイトから登場したバンドではあるが、通常デトロイト・ロックの範疇に入れられることはない。何しろレーベルがモータウン・レコーズ傘下。
レーベル設立10周年を迎えたモータウンが、それを記念して白人バンドの発掘に乗り出す。
それでデビューしたバンドのひとつ。
ひとつ…というか、そのためにモータウンが設立した新レーベル、レア・アースは、このバンドの名前からそのままとっていたのだった。
結成は古く、1961年。
当時はTHE SUNLINERSと名乗っていた。
RARE EARTHとしてデビューした当時のメンバーは、ギル・ブリッジス(ヴォーカル、サックス、フルート)、ピーター・リヴェラ(ヴォーカル、ドラム)、ロッド・リチャーズ(ギター、ヴォーカル)、ジョン・パリッシュ(ベース)、ケニー・ジェイムズ(キーボード)の5人。
ジャケットにはそのままメンバー5人が写っているが、他に準メンバーとしてエディ・ガズマン(パーカッション)もいた。
デビュー・アルバムからカットされたのが、この7inch。
A面は言わずと知れたTHE TEMPTATIONSのカヴァーで、全米4位のヒット。
アルバム・ヴァージョンは21分半(!)あるのを、さわりだけ無理矢理シングルにしてあって、唐突なフェイドアウトとかを聴く限り、コレが全米4位とは…とか思いたくなる。
しかし、強靭なドラムに乗せて濃いヴォーカルと太いコーラスが響くパワフルなRARE EARTHのヴァージョンには、TEMPTATIONSのオリジナルとはまた違ったカッコよさが。
B面「Magic Key」はオリジナル。
アルバムではA面1曲目。
サイケデリックに歪むギターをフィーチュアして、A面曲よりもロックな感じ。
THE RATIONALSをはじめとして、当時のデトロイトにはソウル・マナーな白人ロック・バンドも多かったことだし、この曲を聴くと、RARE EARTHもデトロイト・ロックに入れてあげてイイような気もする。
1971年にロッド・リチャーズとケニー・ジェイムズが脱退し、以後はメンバー交代が頻発するとともに、ヒットからは縁遠くなる。
しかし74年にはあの「CALIFORNIA JAM」に出演したりと活動を続け、実はレコードも90年代まではコンスタントに出していた。
以後も解散することなく。
THE SUNLINERS以来半世紀以上経った現在も、唯一のオリジナル・メンバーとなったギル・ブリッジスを中心に活動中。
うーん、しぶとい。
追記:
ギル・ブリッジスは2021年12月8日に新型コロナウイルス感染症で亡くなっている。
80歳。
彼は死ぬまでRARE EARTHのメンバーであり続けた。
そしてオリジナル・メンバーが一人もいなくなったバンドは、現在も活動中という。
(2024.6.10.)
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