GONG/FLYING TEAPOT(1973)

画像コレを取り上げる予定ではなかったのだが、急遽変更。
(“生前追悼”などでは断じてない)

俺が初めて聴いたGONGのアルバム。
1988年秋だった。
フランスを代表する(実際のところはちょっと違ったが)“プログレ・バンド”…を聴くつもりが。
いわゆるプログレッシヴ・ロックじゃなかった。
そのあまりの得体の知れなさにぶっ飛んだ。
何にも似ていない音楽。
聴いたこともないような音楽。
(当時は経験値が圧倒的に少なかったので、“聴いたこともないような音楽”にぶっ飛ぶことは多かったんだけど)

“Radio Gnome Invisible三部作”の第1作。
“エイリアン・オーストラリアン”ことデイヴィッド・アレンの脳内にある極彩色のユートピア(それはつまり“バナナ・ニルヴァーナ”か)をそのまま音楽化したような、めくるめくスペース・ロックが展開する。
強烈。
大体、“見えない小人”って…『不条理日記』か!

ユーモラスなサックス。
サイケデリックなギター。
トビまくるシンセサイザー。
『YOU』(1974年)ほど緊密ではないものの、刻々とリズムを変え表情を変えていくテクニカルなアンサンブル。
(もっとも『YOU』の頃になると、演奏が緊密なあまり、デイヴィッド・アレン&ジリ・スマイスの居場所がどんどん狭まって行くんだけど)
このアルバムから参加したスティーヴ・ヒレッジ(ギター)と“クリスタル・マシーン”ことティム・ブレイク(シンセサイザー)の貢献度は大きい。

そして、過剰にセクシーなジリ・スマイスのスペース・ウィスパー。
デイヴィッド・アレンによるなんだかよくわからないストーリー。
国内盤LPのライナーノーツが間章だったから、更に大変なことに(笑)。

タイトル曲での反復を多用したジャズ・ロック的な演奏を聴くと、アラン・ホールズワース在籍時のTHE SOFT MACHINEにちょっと近い感じも。
デイヴィッド・アレンとジリ・スマイスがバンドを離脱した後、アランが一瞬GONGに参加したのが納得出来る気もする。
しかしやっぱりGONGと言ったらデイヴィッドとジリでしょう。
二人が離脱した後のGONGも一級のジャズ・ロックだったけど、このバンドにとって一番大事な(?)“得体の知れなさ”は、完全に抜け落ちていた。

デイヴィッド・アレン。
やっぱり、もっと長生きしてほしいなあ。


(2024.7.19.改訂)

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