我らがレミー大統領の自伝。
さっき読了。
原書で繰り返し読んだブツだが。
何しろ原書は当然全部英語。
内容の半分だってちゃんと理解していたとは言えない。
それが日本語訳で読める日が来るとは。
(原書の刊行から実に13年近く経ってしまっているとはいえ)
愉快なエピソード(そうでないのもある)の数々が、全部日本語で読めてしまうのである。
もちろん、MOTORHEADの話だけじゃない。
幼少時代から50年代のR&R体験、60年代のビート・バンド時代、そしてHAWKWINDの話もたんまりと。
歴代メンバーとの蜜月と諍いも、オンナ関係もドラッグも包み隠さず。
(バロウズ同様、元ジャンキーならではの個人的な体験に基づいたドラッグ論が展開される。それが一般的/科学的に正しいかどうかは別として)
まあ何しろ波乱万丈の人生。
爆音とトラブルを携えて世界を駆け巡る男。
そんなレミーの語るエピソードが面白くないはずがない。
訳文の口調がちゃんと“レミーしている”から、本当にリアルなレミーの語り口を存分に楽しむことが出来る。
野卑でワイルドなロックンローラーのようでいて、実のところ芯の通った考え方を持つ、極めて頭のいい男であり。
いかにも英国的なユーモアのセンスの持ち主でもあり。
しかもその視点はかなり冷静にして公平だ。
レミーと活動を共にしたミュージシャンのうち、少なからぬ人たちが口を極めて罵られているが、ボロクソに言われているニック・ターナー(元HAWKWIND)やブライアン・ロバートソン(MOTORHEAD3代目ギタリスト)でさえ、良いところは躊躇なく称賛している。
実にフェアだ。
故ランディ・ローズに対する評価が、俺が思っているのと同じで、思わずうなずきながら読んでいた。
ただ、MOTORHEAD結成に1枚噛み、初期の作詞も手掛けた旧友ミック・ファレンについて一言も言及がないのは不思議な気もする。
ミックの『アナキストに煙草を』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_87.html)にはレミーも出てくるのにな。
ところで原書は2002年で話が終わっている。
その後の13年分はどうするの、と思ったら、日本語版にはそれ以降のレミーについて書かれた補章が。
執筆はこのブログでも著書(電子書籍)を紹介したMOTORHEADフリーク・長谷川修平。
MOTORHEADが、レミーが好きなら、必携・必読の1冊。
もちろんそれ以外の人にも。
それにしてもレミー、今年で70歳か…。
追記:
今となっては、レミーの生前に訳書が出て本当に良かったと思う。
(2024.8.2.)
この記事へのコメント