どちらも活動20年を超える大ヴェテラン。
SPIKE『WEIRD OF THE BEST 25th ANNIVERSARY』
タイトル通り、結成25周年を記念したSPIKEの、初となるベスト・アルバム。
単なる編集盤じゃなく、全曲が現編成による、新録ベスト。
昔はよくライヴを観たモノだが、もう随分御無沙汰だ。
そうこうするうちにこのバンド、25年も活動していたか。
メイクに凝るワケでもなく(髪型はちょっと凝ってるが)メタル色を導入するワケでもなく、ホラー風味も過剰にならずイイ塩梅。
スーツ姿がまたイカす。
そんな彼らの25年を15曲44分に落とし込む。
根っこに確たるロカビリー/サイコビリー愛がありつつも、高度な演奏力に支えられた多彩なアレンジ(「Shakin' All Over」のカヴァーは超ナイス)と、激しくもメロディアスな楽曲。
そしてTSUYOSHIのヴォーカルに漂う、なんとも言えない色気。
特に日本語詞の曲で意図せず(?)滲み出る歌謡テイストは、このバンドにジャンルを超えた魅力をもたらしている。
「You Don't Love Me No More」なんてもう、たまらんですよ。
活動が長い割にアルバムが少ないバンドなので、それでこの尺ということなんだろうけど、その分どの曲も珠玉。
久しぶりにライヴが観たいな。
BALZAC『BLOODSUCKER』(画像)
これまた随分御無沙汰のバンド。
オリジナル・アルバムを聴くのは多分10年ぶりくらいのはず。
そうこうするうち、このバンドも結成から23年…前作から約2年ぶりの11thアルバム。
基本的には、昔と全然変わってない。
ハード・ロック色も強いホラー・パンク・ロックに、ひしゃげたシャウトから落ち着き払った語りまで自在に行き来するHIROSUKEのヴォーカル。
しかしこのアルバムから5弦ベースを導入ということで、昔に較べてボトムに幅が出た感じは強いし、初期よりもかなりへヴィになったと思う。
一方で、ヘヴィなサウンドと陰鬱な歌詞にも関わらず楽曲はポップで、コーラスも実にキャッチー。
(「Wonderwall」あたりではキャッチー通り越してある意味プログレッシヴ)
英詞と日本語詞の曲が混在しているが、個人的にはこのバンド、日本語詞の方がイイんじゃないかと思う。
日本語詞だとダークな歌詞が直接に耳に飛び込むんだけど、それすらシンガロングさせるようなメロディアスさが、また引き立つ感じ。
正直言って、初めて知った頃は「物真似じゃない?」とか思ったもんだった。
しかし彼らはホラーでパンクなイメージだけを“あのバンド”から引き継ぎつつ、音楽的にはまったく独自なモノを完成させている。
(グレン・ダンジグみたいに歌えるヴォーカリストなんてそうそういるはずもない一方で、HIROSUKEみたいに歌えるヴォーカリストも他にそういないだろう)
随所に聴けるデジタルでサイバーな感じもいいアクセント。
「Spit It Out」のMOTORHEAD風味にもニヤリ。
『WEIRD OF THE BEST 25th ANNIVERSARY』『BLOODSUCKER』、どちらも本日リリース。
(2024.8.15.改訂)
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