2000年結成。
新作リリースに乗じて、ってワケでもないが、今夜はこのバンドが1stアルバム『PLATINUM BUNDLE』をリリースした06年のインタヴューを再掲載。
個人的に、こういうエモいバンドって、このバンド以前は全然聴いていなかったんだが、THE BEATLESみたいにポップなメロディをグランジ/オルターナティヴ以降のロックな音で、みたいなところを目指してスタートしたこのバンド、実際疾走感溢れまくりの楽曲に超エモーショナルなヴォーカルで、特にライヴで聴くと盛り上がったよなー(最近全然観てないな…)。
インタヴューは06年9月25日、下北沢で行われた。
当時のメンバーはOsamu Seino(ヴォーカル、ギター)、osm(オサム:ギター)、yumi(ベース:現在は脱退)、den den(ドラム:現在は脱退)の4人。
初出はDOLL誌06年12月号で、その時は1ページ、2100字。
今回はほぼノーカットの5000字超でお届けします。
―バンド名の由来は?
osm「小説で、“10PERCENTERS”というジャズのバンドが出てきまして、いいなと。(候補は)いろいろあったんだよね?…わりとイメージで。先にロゴ作ってみたりとか。イメージ作りっていうか。スペルに関しては、“~RES”っていうのが、ブリティッシュ風というか。まあ、その頃、「ブリットだろう!」とか言ってたんで…そんな、イメージ先行な感じで」
―皆さん、どんなバンドに影響受けましたか?
osm「僕はVELVET UNDERGROUNDですね。衝撃を受けた。…順番からいうと、Char。…PINK CLOUDですね。それで、VELVET UNDERGROUND」
―凄い順番(笑)。
Seino「元々このバンドは、僕が自分で作ったんですけど。どんな音をやりたいかなと思って。WEEZERとかのパワー・ポップとか、オルタナとか、グランジとか、全部合わさったのが出来たらカッコいいかなあと思って。バンドでいうと、WEEZERとか、スマパンとか、NIRVANAとか、そのへん…90年代後期というか。で、まあ、ベースは女の子がいい、とか(笑)。イメージから入っていったりして。ルーツ的な部分でいったら、BEATLESとかのメロディが凄く好きで。ロックというよりめっちゃポップ・ソング的な感じの…それをグランジとかの汚い音で、行けたらいいなっていう感じで。70年代のロックとかも聴いたりしてたし」
yumi「…HANOI ROCKS」
―いきなり!
osm「僕らの世代って、HANOIってみんな通ってますよね。辛うじてラズルが生きてたっていうか。ZIGGYとかもまだ出始めで。出る前か。あとMOTLEY CRUEとか」
den den「私もけっこう…古い、BEATLESとか好きで。あとはVELVETとかも凄いハマッてたし…。日本でいうと、最近になっちゃうけどくるりとか聴きまくってたりしてて。一番ドラムで影響受けたのは、やっぱりBEATLESとかくるりとか…大分年代は離れちゃうんですけど」
―バンド自体はosmさんとSeinoさんで立ち上げたんですよね?
osm「そうですね。前に同じバンドやってて」
―新バンドの構想を練るために、二人で渡米したとか。
osm「そうなんですよ。渡米しました」
―何故アメリカだったんですか?
osm「あの…前のバンドだと、Seinoが曲を書いて、僕も曲を書いて、ヴォーカルの奴も曲を書いて。今よりもうちょっとポップなんですが、そんなに変わらないバックで、日本語でやってたんですよ。それでまあ、Seinoが抜けて、自分の曲を自分が歌ってっていうのをやりたいなってなった時に、まあそれに僕も乗ったっていうか、そんな感じになって。で、英語でやろうよっていう話になったんですよ。で、英語でやるのであれば、やっぱりアメリカとか見ておかないとまずいんじゃないかという話に。けっこう僕は、プラプラ外国とか行ってたもんで、まあ、バンドも終わったし、とりあえず英語でやるんじゃ…Seinoがアメリカとか行ったことなかったんで、見るしかないでしょ!っていって。ライヴハウスとか、向こうの…あるじゃないですか、やっぱり。なので…とりあえず、サンフランシスコへ」
―で、ライヴハウス行ってたんですか?
osm「そうですね、まあ、あの…普通に観光してました(笑)。ライヴハウスも行きましたけど」
―方向性を探るためにわざわざアメリカに行ったってことは、方向性そのものが最初から決まっていたワケじゃなかった?
osm「…でも、わりと決めてたよね?…こういうのやろうとか」
Seino「さっきの話にもつながるんですけど、ジャンル的にはパワー・ポップっぽいっていうか、オルタナ/グランジ系で、英詞でやるっていうところで、よりなんかそういう、日本語で同じような曲やっても、やっぱり印象が全然違ったりするじゃないですか。何度も言ってるけどイメージ重視っていうか(笑)。そのイメージをどれだけ近づけるかっていうところで。鼻歌で作った時の感じを一番伝えやすいのが英語だったり。最初のイメージを大事にしたいなっていう…そこを追求していったって感じですね」
osm「BEATLESも好きだし、VELVET UNDERGROUNDも好きだし。とりあえず、コレやろうよ、コレ面白くない?…って感じで。とりあえずアンプはデカいの積むでしょう、っていうか」
―遂に1stフルレングス・アルバムが完成したワケなんですけど。…結成は2000年ですよね?
Seino「そうですね」
―シングルとかぼちぼち出てたんですけど、アルバムまでけっこう時間がかかったのは、なんででしょうか?
osm「まあ、あの、ひとつの大きな要因としては…僕ら、自分で制作してるんですね。で、最初、自分でCDを作るっていうことが、全く最初はわからなかったし…一番最初は、出入りしてたライヴハウスの紹介で、原盤を作ってライセンスで、っていう感じだったんですけど、それももう、作ったけどどうしようって感じで。で、正直、出し方がわからなかったっていうのが、あると思うんですね。結局、それだけの単価のものを作るわけじゃないですか。聴いてもらわなきゃ意味がないなっていうのがあったんで。どういう形でリリースすればいいんだろうっていう感じで。それで、マキシ・シングルみたいな形…とにかくコンパクトで、手に入れやすい価格で」
―「CURRENTLY」(ミニアルバム。2005年2月リリース)出してからは、けっこうサクサクと進んできましたよね。
osm「そうですね」
Seino「作りたいなという気はあったんですけどね、アルバムを。ただきっかけが、自分たちで作れなかったっていう…。とりあえず次出そうっていって、ポンポンポンと出していって…まとめてドンってやる方向もあったと思うんですけど」
―今回のドラムはもうden denさんが叩いてる?
den「いや、私は3曲だけです。まだ入って3ヵ月くらいなんで」
―5年前からメンバーが固まってたバンドに、一人だけ新加入して、どうですか?
den「まだ始まったばっかりですけど。最初は本当に、自分が叩くことになるとは思ってなかったんで。出来ることは全部やっておこうと思って、もらった曲を一生懸命覚えて。それで合わせたら、やることになったんで、「あ、やるんだ?」みたいな感じで(笑)。びっくりした!…そんなに、幅っていうか距離っていうか、私は感じてないです」
―アルバムなんですけど、これまでの音源と較べて、個人的な感想としては、若干疾走感抑え目な印象があったんですけど、単にコレは、曲多くなったせいかなと。…メンバー的には、そうでもない?
osm「そうですね、そういう感想を聞かせていただいて、そうかもしれないな、と思ったりするっていうか。特にそれを日々考えてるっていうことはないですね」
―反面、丁寧に練りこまれた曲になってるっていうか、完成度は格段に高まってると思うんですけど。
Seino「そうですね、シングルとアルバムでは違う、っていうのを、作ってる側でも意識してるかもしれないですね。アルバムサイズで、ゆっくり聴いてもらいたいっていうことで」
―曲も、テンポチェンジとかコード進行とかが、ONEPERCENTRES節というか、独特の展開があるんですけど。曲作りは主にSeinoさんが?
Seino「そうですね」
―どんな感じで?
Seino「大体僕、まず一人でボケーッと考えて、ある程度形を作ってしまうんですよ。で、だんだんイメージを膨らませていって、デモみたいな形で、音にしていって。そのイメージをなるべく伝えたいんで、そのまま渡しちゃうんですけどね、、形にしたものを、ベースとかドラムとか、コーラスとかも入ってて。それを渡して、コピーしてもらって、ドンと出して、また修正するっていう、感じの作り方が、一般的な形で…」
―非常に独特の声質ですね!
Seino「そうなんでしょうか?」
―男性としては高めだと思いますし、非常にエモーショナル…だから、(ライヴで)お客さん泣いちゃうっていうのもわかる気がするんですけど。それまでのバンドでは歌ってなかったんですか?
Seino「そう…ですね。ヴォーカルをやった経験はありますけど、それはもう高校生の頃とかなんで。だから、メインで歌うのはこのバンドからですね」
―ヴォーカリストとして影響を受けた人っています?
Seino「特に意識はしたことないですね」
―歌詞の内容って、主にどんなのが多いですか?
Seino「大体、グズグズなラヴソングですね(笑)。ラヴソングも、どっちかっていうと内向的な…泣き虫系(笑)。メガネかけてます、みたいな」
(一同爆笑)
Seino「寂しさ溢れる…」
―そうですね。常に哀愁漂う感じが。
Seino「明るい曲とかも多いんですけど、明るいままで終わらないっていうパターンが多いんで」
―音源制作の上でネックになってたのは、流通の面ですよね?…さっきの話からすると。
osm「形の上では、簡単じゃないですか。問屋さんがいて、持ち込んでっていう。その形をとればいろんな人に聴いてもらえるかっていうと、そうではない気がしたんですよね。…現状、僕らが出来ることの中で、より手を伸ばしやすいことをしたかったので…アルバムの話は出ることは出てたんですけど、まだ早いだろうって感じで。去年ぐらいだよね?」
Seino「言ってるのは言ってたよね」
osm「話はあったんですけど、断ったりしつつ」
―レコーディング自体は…お二人ともレコーディング関係のお仕事ですよね?
(註:Seino Osamuは、その筋では知らぬ者のない敏腕エンジニアとして活躍中)
osm「そうですね、二人とも、同じところに勤めてるんで」
―音作りの上では凄く楽っていうことがいえますよね。
osm「そうですね」
Seino「あると思います」
―このバンドの特徴として、絶妙のハーモニーっていうのがあるんですけど…yumiさんのコーラス。音源を初めて聴いた時、メンバーが歌ってるとは思わなかったんですよ。別にゲストでコーラスが入ってるんじゃないかと。これまでにリードヴォーカルとかとった経験は?
yumi「ないです」(即答)
―これから、yumiさんがリードヴォーカルをとる予定とかは…。
yumi「(質問終わらないうちに)ないです」
―即答? 速っ…(苦笑)。
Seino「わかりません、それは(笑)。実際そういう声はあります…アンケートなんかでは」
―聴きたいですよねえ。今回、特に7曲目「The Stage Of Ennui」での、歌いだしのユニゾンのところなんかもう、涙なしには…。あそこはハーモニーとかコーラスというより、ツインヴォーカル状態ですよね。
Seino「そうですね、聴かせ方としては」
yumi「出来なくてカットしてもらったところとかもあるんですよ(苦笑)」
―あ、そうなんだ?…コレは、最初から意図してました?…こういうハーモニーを。
Seino「してました」
yumi「なんか、ベースは女がいいっていう…のがあったらしくて、たまたま、「いたいた!」って(笑)。「おいでおいで」って言われて(笑)」
osm「イメージで(笑)」
Seino「基本的に、ハーモニー好きなんですよ。で、女の子のヴォーカルのバンドもやってみたいなっていうのはあったんです。女の子の声が欲しいなと思って…そういうのがあって、じゃあ楽器の出来る女の子を…で、ベースで加入と、そういうことに。彼女を誘う前に、彼女が当時やってたバンドを観に行ったんですけど、ああ、出来る出来る、って。歌えるっていうのを前提に考えてました。特徴もけっこうあると思うんですよ。一番最初の頃は、どう馴染ませようかなと思ったりもしてたんですけど、途中からそれは違うなと思って…これは、出していくんだなと」
yumi「馴染まないから(笑)」
Seino「馴染まない(笑)。プラスとプラス、マイナスとマイナス」
―ここまでにけっこう時間がかかったワケですけど、これからはリリースペースも早くなると、思ってイイんでしょうかね?…ある種方法論が確立されたと。
osm「そうですね」
Seino「つもりとしてはそのつもりです。頑張ろうと思ってます」
osm「まあ、実際、そろそろ考え始めなければならないと。制作に関しては全部バンドでやってるもので、そこらへんの関連作業が…終わりが見えてくると、自然と次へのタイミングが、どういう風につながるかっていうのが見えてくるんですが」
Seino「ヴィジョンとしては、来年ぐらいにもう1枚行きたいなっていうのがあるんで。レコーディング自体は録り終わってて…まだ発売じゃないですけど。録り終ってから何ヵ月か、次の構想を考えつつ、考え始めたというか」
―楽しみですね。期待してます。最後に、読者様にメッセージを。
Seino「とりあえず、音を聴いてもらえば早いと思うんですけど、やっぱりライヴを観て欲しいというのが大きいですね。声とかコーラスとかもありますけど、音だけ聴くとどうなんだろう、ちょっといい子ちゃんぽい感じかもしれないんですけど、ライヴはもっと違った印象を与えられると思うんで。アルバム、聴いてもらって、その上でライヴも来て欲しいですね」
osm「そうですね、やっぱり…ステレオで聴ける音量って、限界あるじゃないですか。ドカンとギターサウンド出してますんで…まあドラムにしろベースにしろ、音圧感というか、ライヴでしか味わえないと思いますので、是非ライヴに」
yumi「うちのコをよろしく(笑)」
―最後にden denさん。
den「…来てっ!(笑)…来て、聴いて。聴いて、来て(笑)」
このインタヴューから4年。
その後、Seinoを除く全員が入れ替わってしまったが、バンドはまだ頑張っている、はず。
追記:
結成から23年、ONEPERCENTRESはSeino(現・SayNo)を中心とするトリオとして活動を続けている。
メンバーは入れ替わったが、ベーシストが女性というのは不変。
(2023.2.3.)
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