OLEDICKFOGGY/グッド・バイ

OLEDICKFOGGY GOOD BYE.jpg昨年シングルを紹介したOLEDICK FOGGY。
いよいよ5thアルバムのリリースとなった。
yossuxi(アコーディオン他)が加入してからでは初のフルアルバムとなる。

シングル「地下で/未完の肖像」を紹介した時も、ラスティックとかパンク以外のバンド名をあれこれ挙げたけど、現在のOLEDICKFOGGYは本当にやりたい放題だ。
しかし、それはラスティック・ストンプを離れて、バンジョーやマンドリンをラスティックっぽい味付けとして多様な方向性を目指すというモノではなく。
ラスティック、ひいてはパンクという土台にしっかりと根を張った上で、多彩な枝葉を茂らせ、実を熟させている。
だから、何をやってもブレがない。

それにしても、本当にやりたい放題だ。
いきなり謎の中国語ナレーションで幕を開け、カンフー映画とマカロニ・ウェスタンが合体したような世界からシンセがビヨビヨ鳴るクラブ・ミュージックみたいなのに突入し。
スージーのハード・ロッキンなギターが随所で炸裂する一方で、「暁のメナム」ではyossuxiがかわいらしい声でリード・ヴォーカルをとり。
ジャジーだったりブルージーだったりアフロっぽかったりラテンっぽかったりするかと思えば“フゥワッフゥワッ!”というコーラスで腰が砕ける「土蜘蛛」があり。
伊藤雄和は「オカルト」でラップを披露し、かと思えば「地下で/未完の肖像」のレヴューでも書いたとおり、昭和の歌謡ロックから90年代のJ-ROCKにまたがる歌謡性に満ちた歌を聴かせ、かと思えばブチ切れたパンクな叫びを放つ。

何よりも伊藤雄和の歌詞と、そして声そのものに常に含まれる苦みが、どんなに大盛り上がりのダンサブルな曲でもじわじわと沁みる。
混沌のオープニング・ナンバー「マネー」に続く、新たな代表曲のひとつとなるだろう「シラフのうちに」のMVを観ていると、その感覚はますます脳に沁みわたる。
(検索しよう)
「未完の肖像」の歌詞…“頭の中にいる僕と話す時に世界は廻り出す”。
伊藤の内省はしかしそのまま内にこもることなく。
“誰もいない部屋でお互いの未来を/君と話す時にまた夜が始まる”…そうして伊藤は言葉を吐き出し、廻る世界と対峙する。

アルバム・タイトルはなかなかぞっとしないが、もちろんコレでお別れなんてことはなく(ないよね)。
タイトル曲を聴いて、そのココロは?…と各自が想像するべきなのでしょう。
『グッド・バイ』、本日リリース。


(2024.10.9.改訂)

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