皮肉にも、ポップ化した果てのFLEETWOOD MACが大成功を収めるのは彼の脱退後だったが。
で、FLEETWOOD MAC脱退後のボブが選択した道は、何故かハード・ロックだった…。
1974年12月にFLEETWOOD MACを脱退したボブ・ウェルチは、エンジニアのジミー・ロビンソンと今後の方向性を練りに練り。
そして到達したのが、ギターを前面に出したハードなロックだったという。
旧知のグレン・コーニック(元JETHRO TULL他)がベースを弾き、ドラムには元THE NAZZのトム・ムーニーが呼び寄せられた。
そんな英米混成バンドが、何故フランスの首都を名乗ったのかは知らないが。
FLEETWOOD MAC参加以前のボブ・ウェルチがフランスで活動していたことは、関係あったかも知れない。
そして登場した1stアルバム。
1975年にレコーディングされ、76年1月にリリースされている。
LED ZEPPELINエピゴーネンだ、いや全然違う…と評価の分かれるアルバムだが。
個人的には、リフこそジミー・ペイジっぽいと思うし、確かにボブ・ウェルチのヴォーカルがロバート・プラント風に聴こえる部分もあるものの。
それ以外は、大きく異なっていると思う。
何より、ギターの音色。
各種エフェクターを存分に駆使しまくって作り込まれた、人工的なサウンド。
よく言われるように、ライヴでは再現不可能ではと思われる、密室的な音作り。
LED ZEPPELINに聴かれるようなブルーズ色も、トラッド色もなく。
そんな全体に漂う、妙におしゃれなセンス。
「Starcage」のバックにうねうねと流れ続けるシンセサイザーなんか、ジャーマン・エクスペリメンタル・ミュージック(いわゆるクラウト・ロック)かニュー・ウェイブかと。
そんな小洒落たハード・ロックは、当時十分に評価されず。
『PARIS』から半年余りという短いスパンで、新たにハント・セイルズ(ドラム)を迎えてよりポップ化した2ndアルバム『BIG TOWN 2061』を1976年8月にリリースするも、バンドは崩壊。
その後ほとんどボブ・ウェルチ一人で制作されていた3rdアルバムは、結局ボブのソロ・アルバムに化け、そしてその『FRENCH KISS』(77年)はハードなギターと流麗なストリングスを配したポップ・ロックで一世を風靡することになる。
その大ヒットも長くは続かず、というか80年代に入ってからはチャートとまったく無縁の存在となり、ボブ・ウェルチは結局自ら命を断つのだが。
ソロ・アルバムも大好きなので、そのうち紹介すると思う。
すっげえカッコいいッスよ、ボブのソロ初期。
(2024.11.28.全面改訂)
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