加山雄三/加山雄三のすべて―ザ・ランチャーズとともに(1966)

画像随分前に、まったくの偶然からタダで入手したLP。
当時このアルバムに関する知識は全く皆無で、タイトルからしてベスト盤だと思い込んでいたのだが、あとで調べてみたら、コレが加山雄三の記念すべき1stアルバムなのだった。

コレがベスト盤だと思い込んでいた主な理由は、まず最初に書いたとおり、いかにもベスト盤っぽいタイトル。
そしてもうひとつ。
全12曲の音楽性が、バックの演奏によって三つの方向性に完全に分離していたから。
まず、A面1曲目「恋は紅いバラ」をはじめとする、東芝レコーディング・オーケストラによる歌謡ポップス路線。
そして、A面3曲目「君が好きだから」他の、寺内タケシとブルージーンズがバッキングを担当したエレキ歌謡(?)路線。
更に、加山雄三自身が率いてギターを弾くザ・ランチャーズでの、THE VENTURESばりのサーフ・インストゥルメンタル。
(1曲英詞の歌モノ)
故に、編集盤だと思ったさ。
ところが、これらはすべて1枚のオリジナル・アルバムでのことなのだった。
(無茶するなあ)

アレンジの方向性がまったく違うだけでなく、当然ながら楽曲自体も三つの方向性に分裂している。
しかしこの12曲、すべて加山雄三自身(弾厚作名義)の作曲というのだから恐れ入る。
(「ブーメラン・ベビー」の英詞も本人作…まるで洋楽ポップスのカヴァーみたいに聴こえる)
かくて、日本のエレキ・インストゥルメンタル史上に残る名曲「ブラック・サンド・ビーチ」も、“しあわせだなあ…”の語りで知らぬ者のない(?)名バラード「君といつまでも」も、グループ・サウンズの前段階ともいえるカッコいいエレキ歌謡「夜空の星」も、全部同じ1枚のアルバムで聴けてしまうのであった。
(ついでに、札幌出身者には“パチンコドンキー”のCMで忘れられない?「ランニング・ドンキー」も)

俺が小学生の頃には『若大将シリーズ』も終わってしまっていたし、ロックを聴き始めてからはミュージシャンとしての加山雄三を評価する機会なんて逆に全然なかったワケだが、凄い才人だったんだなあと、改めて思う。
(それに気づいたのは20世紀も末のこと。遅いというか、見識不足でありました)
特にザ・ランチャーズの5曲は、今聴いても十分にカッコいい。
ジョニー・サンダース・フォロワーだったはずの東京のバンド・THE GOLDEN ARMSがかつて「ブラック・サンド・ビーチ」をカヴァーしていた…イイ目の付けどころだったな。


追記:
この記事、まったく反響なかったけど、札幌のパチンコドンキーってまだあるのかね?

(2016.12.24.)


追記2:
パチンコドンキー、とっくの昔に閉店していた…。

(2023.2.12.)

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