奇しくも部屋の整理が進み、段ボール箱から解放された少なからぬコミックスが本棚に並んでいたので(ただ並んでいるだけ。今度ちゃんと整理しないと)、ビールの置かれたテーブルの上で、本棚から引き出されたコミックスの幾つかも俎上に。
高橋葉介はキャリアと共に作風・画風が少なからず変化し、遂には『学校怪談』で世間的に(?)ブレイクするのだが、個人的には『夢幻紳士』『クレイジーピエロ』のあたりからその絵柄に馴染めなくなってしまった。
で、70年代末~80年代初頭の作品をいまだに愛し続けている、カビ臭いファンがここに。
特に愛してやまないのが、最初期の単行本『腹話術』と『仮面少年』だ。
昭和50年代前半かー。
思えば子供の時、通院していた歯医者の待合室に「マンガ少年」が置いてあったのが運の尽きだった(どういう歯医者だ)。
小学生だか中学生だかでいきなり当時の高橋葉介とかますむらひろしとかにやられちゃったら、そりゃまともな大人にはなれないってもんだ(そうか?)。
初期の高橋葉介作品には、後の作品にはないデリカシーやセンシビリティが溢れていた。
(80年代半ば以降の作品にデリカシーがないという意味ではない。ただ別種のデリカシーやセンシビリティになっていると思う)
夢幻の世界はタイトル通りの『夢幻紳士』が描かれる前に、既に充分に描かれていた。
考えてみれば俺がH.P.ラヴクラフトを読み始めたのも、高橋葉介の「触角」がきっかけなんだった。
(METALLICAやMEGADETHの影響では断じてない。ただし、ラヴクラフト作品自体はそれと知らないままもっとずっと前に読んでいたのだが)
昨夜の客人は漫画家だけあって、描線の見事さや構図の斬新さに感心していた。
(「コレ、その後の漫画家にさんざんパクられてるよなあ」と言っていた)
流石に初期作品はあんまり読んでなかったらしいが、その世界観にもすぐ共鳴したようだ。
調べてみたら、このへんの初期作品も今は新装版とか手に入るんだな。
でも、新装版の装丁は当然最近の絵柄で…やっぱりちょっと馴染まないのだった。
(『街童子』とか、最近の作品も好きだけどね)
(2023.2.24.改訂)
この記事へのコメント
大越よしはる
重ねて、コメントありがとうございます。
「腸詰工場の少女」とかも大好きなんですけどね。
ただ、俺が本当に本当に大好きな高橋葉介は、「宵闇通りのブン」までなんですね…ファンとしては失格だと思いますが。
それにしても朝日ソノラマは個人病院の待合室と相性が良いのでしょうか…?
FJ
わかります。
クレイジーピエロとか夢幻紳士の途中からの妙に丸っこい絵柄がなじめないってのは。
朝日ソノラマのその単行本の仮面少年は素晴らしいですね。
私は小学生のときに内科の町医者で読みました。
近年またタッチが変わってけっこう好きな絵柄の場合もあったりします。