それがめでたく実現したのが、この『NEU!'86』だ。
既に『NEU!4』を持っている人も、買い直す価値は十分あると思う。
58分あった『NEU!4』から刈り込まれて44分半の収録時間になっているが、もちろんただ短縮したワケじゃなく、曲順も変更され、曲そのものも入れ替わっているので、印象はかなり変わっているから。
もちろん『NEU!4』を聴いたことのない人は、マストだ。
『NEU!4』に入っていない曲が収録されている。
1985~86年にかけて録音されたマルチテープは、クラウス・ディンガーとミヒャエル・ローターが分けて持っていたというから、ミヒャエルが所有していて『NEU!4』に収録されなかった音源が、当然あったワケだ。
その中で特に注目なのが、4曲目「Drive(Grundfunken)」。
ヒップホップっぽい(?)ハネるリズムも多用されて、単なる70年代NEU!の延長線上ではなく(当時の)コンテンポラリーな音楽を目指していた節のある『NEU!4』だったが、この「Drive(Grundfunken)」は1stアルバムの名曲「Hallogallo」あたりで聴けるあのシンプルでジャストな“アパッチ”(よくハンマービートと呼ばれていたアレ)をよりパワフルに展開して、そこにミヒャエル・ローターにしては珍しくかなりディストーションの利いたハードなリフが乗る、実にカッコいい1曲。
曲名にたがわずドライヴ感に満ちて、「Hallogallo '86」と呼びたくなる。
本当は再びクラウス・ディンガーとミヒャエル・ローターの共同作業で再編集されるべきアルバムだったと思うが、残念ながらそこに至る前にクラウスは亡くなってしまった。
しかし、再リリースの権利を手中にしたミヒャエルがしめしめとばかり勝手に作り直したアルバムには、もちろんなっていない。
アルバムの最後に「KD」という曲が入っている。
クラウスの「ばーん、ばん、ばんばん!」とかいう、ヒューマンビートボックスともいえないような口で歌うリズムにギターやシンセをかぶせて編集したモノ。
(5曲目「La Bomba(Stop Apartheid World-Wide!)」の超短縮ヴァージョンともいう)
聴いてて笑いながら、ちょっとウルッとなる。
クラウスとミヒャエル、最後の最後にまた仲良しに戻れたみたいで、よかったね。
(2023.3.19.改訂)
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