THE PLASTIC PEOPLE OF THE UNIVERSE/magical nights

PLASTIC PEOPLE OF THE UNIVERSE.jpg5月頃に出たのを7月頃に買って、忙しくて最近まで聴けずにいたブツ。
“プラハの春”で知られる1968年に結成された、東欧のアンダーグラウンド・ロック界でも多分最も有名であろうバンド…の、2枚組編集盤。
このバンドの音源は、92年に8枚組BOXというのが出ていたけど、それは持ってない。
なので今回初めて聴けた。

昨夜フランク・ザッパについて書いて、その翌日にこのバンドのことを書くのはまったくの偶然だが、よく知られているとおりこのバンド名はザッパの曲名に由来している。
当時西欧ロックの情報なんてそんなに入ってたはずのないチェコスロヴァキアのバンドに影響を与えてしまうザッパも凄いな。
そういえばあまり違わない時期に、我が日本では同じくザッパの曲名にちなんだ頭脳警察が結成されていたりする。
THE PLASTIC PEOPLE OF THE UNIVERSEはといえば、ザッパ以外にTHE VELVET UNDERGROUNDやTHE DOORSやTHE FUGSなんかの影響もあったらしい。
なるほど。

このバンドの正式なレコード・デビューは1978年だが。
この2枚組CDには結成間もない69年から、85年までの音源が約2時間半、目いっぱい詰め込まれている。
スペインのマンスター・レコーズ、イイ仕事しました。

へヴィなリズムとキテレツなリフに乗せて、サックスやヴァイオリンを前面にフィーチュアしたダークにしてユーモラスでもあるロックは、アンダーグラウンド臭ぷんぷんのアヴァンギャルドなモノでありながら、一方で実に親しみ易くメロディアスでもある。
ヨーロッパのプログレ/ジャズ・ロックに通底する香りも濃厚で、曲自体が似ているワケではないものの、やはり反体制的な姿勢を打ち出していたイタリアのAREAに近いテイストも。
もっとも、ライヴで「International」(AREAはイタリアだから「L'Internazionale」)を演奏して、南欧でコミュニズムを標榜していたAREAに対して、THE PLASTIC PEOPLE OF THE UNIVERSEは東欧でその共産主義と格闘していたワケだが。

THE VELVET UNDERGROUNDからの影響に関しては、同じくVELVET UNDERGROUNDに影響されていたドイツのFAUSTを思わせる部分も。
重いベースに乗せてサックスが吠える曲ではKING CRIMSONっぽい感じも。
しかしトータルでは何々風ロックにはまったくなっていなくて、しかも曲順はまるっきり時系列を無視して編集されているのに、16年分のサウンドの何処を切っても見事に統一感のある世界を聴かせる。
俺の部屋では先月末からへヴィ・ローテーション中。

結成から既に40年以上。
リーダーだったベーシストをはじめとしてもうこの世にいないメンバーもいたりするが。
1988年に一度解散した後、共産主義体制の崩壊を見守った彼らは何度かの再編ライヴを経て97年には本格的に再結成を果たし、実に現在も現役であります。

ちなみにブックレットでは彼らのレアな写真がたくさん見られるが、かなり初期のモノと思われる1枚、異様なメイクを施したメンバーのルックスは、ナポリのOSANNA…というよりもほとんど小仲ペールワン(笑)。


(2023.3.20.全面改訂)

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック