SPAZZYS INTERVIEW 2005

SPAZZYS.jpgオーストラリアのかしまし3人娘SPAZZYS、只今絶賛来日中でございます。
前2回の来日は観に行ったが、今回はどうも行けそうにない…。
というワケで、ということでもないけど、以下はDOLL誌2006年1月号に掲載された、SPAZZYSの1stアルバム国内発売に際してのインタヴューでございます。
もう5年半くらい前かー。


 それは20世紀末のこと…卒業後の進路について悩んでいた豪州メルボルンの女子高生3人娘は、最終的に「就職しないで済ますためにはバンドしかない!」という極端な結論に達したのであった。そして有言実行な彼女たちは楽器も持ったことないのに早速バンドを結成、2001年にはデビュー・シングルをリリースする。それが本稿の主人公、SPAZZYS。
 …俺がそんな彼女たちの存在を初めて知ったのは、3人がかつて豪州で人気を馳せた日本男児バンドMACH PELICANのアルバムにコーラスで参加した時のことだった。その時は正直、海のモノとも山のモノとも…とか思ったもんだったが、3人娘はその後も着実に己のバンド道を歩み続け、03年にはシングル「Paco Doesn’t Love Me」が4週連続で豪州インディーズ・チャートの1位に!…かくていっぱしの人気バンドとなったSPAZZYS、初シングルから実に4年、1stアルバム『ALOHA! GO BANANAS』もめでたく国内発売!…というタイミングで行われたのがこのインタヴュー。
 さて、RAMONESからの多大な影響、そしてRAMONESに影響を与えたバンドたちからの影響をも全開に、ポップなメロディとキャッチーなコーラス満載のキュートなラモーン・パンク(いや、ラモーナ・パンクか)をぶちかますSPAZZYS。1stアルバムには、もちろんこれまでシングルでリリースされたヒット・ナンバーもすべて収録。
 南半球はオーストラリアで、RAMONESを父に、RONETTESを母に生まれてきた娘たち…キャット(ヴォーカル、ギター)、ルーシー(ベース、ヴォーカル)、アリー(ドラム、ヴォーカル)の3人(キャットとルーシーは双子)のうち、アリーが代表で質問に答えてくれた。


―バンドの結成はいつですか?
「3人がハイスクールを卒業した2000年にSPAZZYSを始めたの。他に何もやることなかったし」
―3人とも楽器の経験はまったくなかったそうですが、各パートの担当はすんなり決まりましたか?
「他の二人がヘタクソだったから私がドラムになったの。ルーシーはKISSのジーン・シモンズが好きだったからベースになって、あとはギターしか残っていなかったからキャットがやることになったのよ。そして、ギタリストがメイン・シンガーの方がクールだと思ったから、彼女が歌うようになったワケ」

―練習を始めてから、初ライヴまで何ヶ月くらいでしたか?
「あれはちょうど私たちの友人のルークとデュークが、THE 5.6.7.8’sのツアーをオーガナイズしてる時だったわ。確かまだSPAZZYSで一度もリハーサルをしたことがないのに、彼らにそのショウに出させてもらえるように頼んだのよ。彼らはすぐに「いいよ」って言ってくれたんだけど、私たちが本当にライヴなんて出来るとは思ってなかったみたい。それでも3人で大口を叩いて、どれだけカッコいいバンドになるか力説したわ。そして結局、初めてのライヴは最初のリハーサルから3~4ヵ月後のことだったと思う。THE 5.6.7.8’sとは2~3回一緒にショウが出来たから、なかなかクールな体験だったわ」
―最初のシングルを出してからアルバムを出すまでに4年もかかったのは?
「初めはレコード契約なんてなかったから、レコーディングとかプレスとかすべて自分たちで負担しなきゃならなかった。当時は1回のショウで多くても100ドルくらいしかもらってなかったし、アルバムを作れるだけのお金なんてなかったの。貯めようとはしてたんだけど、すぐにビール代や他のバンドを観に行くライヴ代で消えちゃうの。それからしばらくして、幾つかのレーベルからオファーされた中から、小さなレーベルFUR RECORDSと契約することに決めたワケ。レコーディングの費用とかも払ってくれたし問題はなかったんだけど、実際にリリースされるまでどのくらい待たされるのかってことをわかってなかった。最終的に、レコーディングが終わってからレコードがリリースされるまでに1年くらいかかったわ。誰がディストリビューションをして、誰がパブリッシングをして、どういうスケジュールで…とかなんとかの理由でね」

―では、アルバムの話を。…冒頭に入っている笑い声は誰ですか?
「プロデューサーのデッドリー・アーネストの笑い声よ」
―1曲目「Zombie Girl」は、どんな内容ですか?
「コレは以前私が読んだ『The World’s Most Fantastic Freaks』(世界のフリークスたち)という本に書いてあった話からインスパイアされた曲よ。ハイチで農場の周りを歩いている女の子が発見されて、彼女の兄を見つけ出して話を聞くと、彼の妹は19年前に亡くなっているはずだっていうの。いまだに黒魔術やヴードゥー教が信仰されている地域で、人々はみんな、彼女は死から蘇ったゾンビだと思ってる。彼女を発見した警察官なんて、「彼女は死んだ目をしてた」って言ってるの。とにかく、私もたまに自分がゾンビ・ガールだって思える時があるからこの曲を書いたんだと思う」
―この曲をはじめとして、あなたたちが、みんなが好む初期のRAMONESだけでなく、後期RAMONESや、あるいはRAMONESの音楽的なルーツまでよく聴きこんでいるのが伝わってきますね。
「RAMONESのアルバムはほとんど大好きよ。どのアルバムにも良い曲が入ってるけど、一番好きなのは『PLEASANT DREAMS』ね。「She’s A Sensation」と「This Business Is Killing Me」が入ってるから」
―(おお、渋い…)「Surfin’ Bird」は、カヴァー曲かと思ったらオリジナルですね。この曲名はわざと?
「わざとこの曲名にしたんだけど、何でかは忘れちゃった。単に歌詞で“私の脳みそはSurfin’ Birdくらいしかない”って歌ってるからだと思う」
―(笑)…TEENGENERATEに捧げた(?)「My Car Doesn’t Brake」(注:ある意味TEENGENERATE「Dressed In Black」の替え歌みたいな曲)が非常にユニークです。今まで、TEENGENERATEのメンバーに実際にこの曲を聴かせる機会はあったでしょうか?
「いいえ、聴いたことはないと思うんだけど、いつかライヴを観に来てくれたら嬉しいし、あんまり怒ってなければいいんだけど…。この曲は、メルボルンで彼らのショウを観に行って、何を歌っているのかさっぱりわからなくて出来た曲なの。キャットは“My Girl Disemboweled”って歌っていると思って、私は“My Car Doesn’t Brake”だと思ってた。結局どっちも間違ってたんだけど、どうせならそれで曲を書こうということで作った曲よ。個人的には、SPAZZYSなりの粋なトリビュートだと思ってる。私なんてTEENGENERATEのタトゥーを入れてるくらいのファンだから、きっと彼らもあまり怒らないはずよ」

―アリーは来日経験があると聞きましたが、日本のバンドはたくさん観ましたか?
「MACH PELICANと一緒に今まで2回日本に行って、5~6週間ほど滞在したわ。最高の思い出よ。アルバムにも入っている「Action City」は、その時に体験した東京のことを歌った曲なの。カッコいいバンドもたくさん観た。SUPERSNAZZ、THE GIMMIES、CHARLIE & THE HOT WHEELS、HEADBANGERS、ロニー・フジヤマがサックスを吹いて女の子がスチュワーデスの格好をしていたバンド(註:多分初期SISTER MARTENSのことか)、カウボーイの格好をした女の子(註:ペティ・ブーカあるいはCOBRACHICKS?)、FIFI & THE MACH Ⅲ、THE BUNNIES、それからアメリカのTHE RUBINOOSも観られたのはクールだったわ。どれだけ楽しかったか書ききれない。だからまた日本に行くのが待ち遠しくてしょうがないの。早くとんこつラーメンと100円寿司が食べたい!」
―「You Left My Heart In The Garbage」とは凄い曲名ですが、こういった恋愛に関する歌詞は、実体験に基づいているのでしょうか?
「はじめの頃、歌詞には本当のことだけを書こうとしてたんだけど、今はそれほど完璧に仕上げることにはこだわってないの。いつも、歌詞なんて終わらせて早くその曲を演奏したくなっちゃうのよ。だから実はけっこう適当な歌詞も多いわ」
―あらら。…では各メンバー、イチ押しの1曲は?
「ルーシーは「Zatopeks」、キャットは「Action City」、私は「Zombie Girl」だけど、ライヴで演るなら「My Car Doesn’t Break」かな。とにかく全部お気に入りよ」

―日本盤のボーナス・トラックとなっているライヴ音源(「Zatopeks」と「Shake & Twist」)も楽しめました。現在ライヴはどのくらいのペースで行なっていますか?
「週末には必ず数本やってる。今は新しい作品に取りかかっているところだから、ここ数週間は少し少な目だけどね」
―ところで、メンバー間にケンカが多いと聞きましたが、本当ですか?
「双子のルーシーとキャットはよくケンカしてるけど、私はなるべく巻き込まれないようにするの。私にも姉妹がいるからよくわかるんだけど、彼女たちは一緒に住んでて、ツアーに出ても常に一緒だから、無理もないわ」
―SPAZZYSの一番近くにいる日本人というとMACH PELICANだと思いますが、あなたたち自身は日本という国に対してどのようなイメージを持っていますか?
「ネオンの光、ロボット、忍者、寿司。それとたくさんの機械、細いジーンズ、アクセサリー、携帯電話、携帯電話のアクセサリー、そして煙草とビールの自動販売機。あとはマクドナルドのテリヤキチキンバーガーとロイヤルミルクティー。富士山に登って日の出も見たの。あれは人生の中でも最高のひと時だったわ」

―さて、いよいよ(2005年)12月には来日ですね。(註:このインタヴューは05年秋に行われた)日本食は何が食べたいですか?
「名前は忘れちゃったけど、前回トシ(註:MACH PELICANドラマー)に連れて行ってもらったところがあるの。どこかの路地裏にある薄汚いレストランなんだけど、今まで食べた中でもベストな豚骨ラーメンを出してくれる。前回は何度もそこに食べに行ったし、今回も東京に着いたら真っ先に連れて行ってもらうわ。あとはコンビニにも早く行きたい。品揃えがこっちのとは比べ物にならないほどあるわ。ラーメンとかおにぎりとかイクラの乗ったパスタとかね。あーホントに待ちきれない!」
―では最後に、SPAZZYSを心待ちにする日本のボーイズ&ガールズ(特にボーイズ)にメッセージをお願いします。
「日本のボーイズへ:あなたたちって最高にセクシーだわ。日本のガールズへ:あなたたちもセクシーよ」


今回の来日絡みの最新インタヴューは、多分VAMP!坪内アユミさんがどこかで発表するでしょう、そちらもチェックだ。
約6年ぶりの新作も13日に出ています。


(2023.5.18.改訂)

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