KRAMER/STILL ALIVE IN '95(LIVE IN JAPAN)(1996)

画像クレイマーの名前を初めて意識したのは、WALKINGSEEDSのアルバム『UPWIND OF DISASTER, DOWNWIND OF ATONEMENT』(1988年:以前この“今日の旧譜”で紹介した)だった。
プロデューサーとしてクレジットされた“KRAMER”という名前を見て、「ウェイン・クレイマー?」と思ったのだった。
それがシミー・ディスク主宰者マーク・クレイマーのことであると知ったのは、少し後のこと。
学生の頃に聴いていたSHOCKABILLYにクレイマーが参加していたと改めて気付いたのは、もう少し後のことだった。

クレイマーのことを知らなかった頃にSHOCKABILLYを聴いていたので、ミュージシャンとしてのクレイマーを改めて意識したのは、BONGWATERのアルバム『THE POWER OF PUSSY』(1991年)が最初だったと思う。
直後にデイヴィッド・アレン(GONG)との連名作『WHO'S AFRAID?』(92年)を聴いて、ますます興味は募り、やがてソロ作を聴くようになった。
クレイマーが来日したのは、その少し後のことだった。

このアルバムは、その来日公演の模様を収録したライヴ盤。
レコーディングされたのは1995年9月25日、恵比寿GUILTYで行われたライヴ。
俺はその翌日、9月26日に同じGUILTYでステージを観た。

手元にその時のチケットがある。
アーティストの名義は…“GONG”となっている(!)。
そう、この時の来日は、元々デイヴィッド・アレンをフロントに据えたGONG名義としてだった。
しかし、直前になってデイヴィッドが来日出来ないことが発覚(苦笑)。
来日公演はクレイマーと仲間たち、の様相で開催されたのだった。
(ちなみに俺が実際にデイヴィッド・アレンのライヴを観るのは、その4年ほど後のことになる。その時はジリ・スマイスも一緒で、完全にGONGだった)

この1995年の来日ライヴ、デイヴィッド・アレンが来なかったことで、どれだけの人がチケットの払い戻しを受けたかは知らない。
しかし、クレイマーを中心とするこの時のライヴは、本当に素晴らしかった。
DAMON & NAOMIやドッグボウルらによるセットがあって、最後にクレイマーを中心とするセット。
ステージに立ったのはクレイマー(ヴォーカル、ギター)の他、95年にクレイマーとの連名作『A REMARK HUGH MADE』をリリースしていた元SOFT MACHINE(!)のヒュー・ホッパー(ベース:故人)、DAMON & NAOMIのデイモン(ドラム)、ドッグボウル(ギター、ヴォーカル)、Dr.スティーヴ・ワトソン(ギター)。

立っているだけなら貧相な小男…にしか見えないクレイマーの、決して上手くはないが繊細な、歌心溢れるヴォーカル。
…は、既にソロ・アルバムを聴いて知ってはいたが。
名曲オリジナルに加えてロイ・オービソン「In Dreams」、クリス・アイザック「Wicked Game」、ジョン・レノン「Jealous Guy」、スモーキー・ロビンソン「Tracks Of My Tears」といったカヴァー曲を織り交ぜて、シミー・ディスクの感電ビリビリマークもSHOCKABILLYのイメージもどっかへ飛んで行くような激渋歌モノのステージが展開。
もう、完全に持ってかれた。
特に「Wicked Game」と、オリジナル曲の中でも俺が大好きな「I've Seen The End」「You Don't Know」には鳥肌立ったなー。
ベースのネックに花を挿したヒューのぶっといベース・プレイと相まって、16年後の今も思い出す。
(開演前にトイレに行ったらヒューと連れションになっちゃってドキドキしたなあ)
このアルバムは俺が観た日の演奏じゃないけど、再生するとあの95年の空気で部屋がいっぱいになる。


13年後の2008年、マイク・ワット(ベース:元MINUTEMEN他、現IGGY AND THE STOOGES)、サム・ベネット(ドラム)とのトリオで来日したクレイマーを再び観た。
この時のライヴも素晴らしかった、と追記しておく。


(2023.6.14.改訂)

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