ジョージ・ルーカスと『スター・ウォーズ』、そして世界中のファンのあれこれ、を見事に切り取ったドキュメンタリー、92分。
かなり笑った。
制作は昨年(撮影期間3年)、監督はスイス出身のアレクサンドレ・オー・フィリップ(彼自身『スター・ウォーズ』の熱烈なファンでもある)。
…俺が『スター・ウォーズ』の第1作(今では“エピソード4”とかいわれてるアレ)を観たのは、小学生のときだった。
そりゃー目を見張ったよね。
目を見張ったのは小学生の俺だけじゃなくて、それこそ子供から大人まで日本中どころか世界中の人が目を見張っていたワケだ。
俺は熱烈なファンにもコレクターにもならなかったけど(でもパンフレットから模写してイラスト描いたりした)、人生狂わされるほど夢中になった人たちが世界中そんなにいるとは。
634時間分(!)の映像を編集したこの映画は、基本的にまず“『スター・ウォーズ』の登場がどんなに衝撃的で素晴らしいモノだったか”が語られた後、“スペシャル・エディションと新3部作をコアなファンがどれほど嫌っているか”を延々映し出し、観ている途中で着地点が何処になるのか怪しくなってくるが、結局のところ“それでもみんな『スター・ウォーズ』(とジョージ・ルーカス)が大好きさ”みたいなオチをつける、という構成、だと思う(基本的には)。
結局、“アンチ”もファンなのだ、ということを実に納得させられる…コレは『スター・ウォーズ』に限ったことではなく、あらゆる事象に通じるモノなのだ、ということを改めて痛感させられた一作だった。
極端なところまで引っ張れば、以前このブログで紹介した本『ブラック・メタルの血塗られた歴史』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_267.html)の中で、北欧のキリスト教関係者が語っていた“反キリストもキリスト教徒の一形態に他ならない”みたいな話と、見事に通底していると思う。
“新3部作”をけなしまくる人たちも、「そんなはずはない」とか思いながら何度も繰り返し観て、その結論に至るワケで。
しかも彼らはそれで『スター・ウォーズ』(及びジョージ・ルーカス)に絶望したり興味を失って去って行ったりしない…“かわいさ余って憎さ百倍”という言葉があるが、“憎さ余ってかわいさ百倍”(笑)もまた真なり、なのかも知れない。
『スター・ウォーズ』に限らず、ネットで何かの対象を一生懸命けなしてる人とかも、結局大きな意味で“ファン”なのだ…本当に嫌いだったら関知しないもんね。
ところで『スター・ウォーズ』と『機動戦士ガンダム』って、似てる気がした。
例えば俺なんかは「“エピソード4”だ?…単に“スター・ウォーズ”だろ」と思い、「“昭和ガンダム”だ?…アレが“ガンダム“だろ、他のは知らねえ」と思う。
“新3部作”を認めない人たちも、同じように思ってるんじゃないのか。
(しかし、みんな“ジャー・ジャー”そんなに嫌いですか)
それにしても…めまぐるしく切り替わり差し挟まれる様々の映像、何よりも凄いのは、有名無名のファンや関係者のインタヴューなんかではなく、膨大な量のいわゆる“二次創作物”だ。
ファンが独自に編集した“私家版スター・ウォーズ”から、実写によるファニーなパロディ、クレイ・アニメ、果ては単なる“スター・ウォーズごっこ”の映像まで。
それが笑えた。
特にツボだったのは、“ジョージ・ルーカス編集による『雨に歌えば』スペシャル・エディション”とされた映像(もちろん嘘っぱち)。
どんなのかは、公開されてからのお楽しみ、ってことで。
(もし観に行ったなら、エンドロールが終わるまで席を立ってはいけない、と言っておきましょう)
『スター・ウォーズ』のファンなら(コアなファンであればある程)それはもう楽しめると思うけど、特に興味ない人(世間じゃそっちの方が少数派か? いやそんなこたないか)にもお勧め出来る1本。
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(2023.7.7.改訂)
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