THE DOGS INTERVIEW 2007(後編)

DOGS DVD.jpg 昨夜に引き続き、THE DOGS(ローレン・モリネア)インタヴューの続きをお届けします。後半は80年代以降とDOGS復活について。











―1987年には「Dogs In The Cathouse」をレコーディングしていますよね。
「そう、あれは80年代に俺たちがやったものだった。当時、俺はLAでゲフィンと契約したLITTLE CAESARという別のバンドをやっていたんで、その1987年にやったのがTHE DOGSとして最後にやったことだった。だから、87年から2000年まで俺たちは何もしていなかったのに、アンダーグラウンド・シーンでは着実にファンが増えていったんだ」
―LITTLE CAESARではどういった活動を?
「レコーディングして、ゲフィンからアルバムを何枚か出した。ツアーもした。1991年くらいまで続いたかな。その後俺は、ハリウッドの友達でパンクの女王、テキサス・テリー率いるバンド、TEXAS TERRI & THE STIFF ONESに加入して、曲も一緒に書いたし、パフォーマンスも一緒に演った。メアリー・ケイはKANARYという別のバンドを始めた。90年代はそんな感じだったけど、その間にTHE DOGSの人気が上がってきて、そのことは俺たちも気付いていた。そして、2000年にディオニサスのリー・ジョセフから連絡があって、THE DOGSのコンピレーション・アルバムを出さないかと言ってきたんで、そうすることにしたんだ。ロン・ウッドがLAに戻ってきて、LA SHAKEDOWNや他のライヴを演った。アルバムが出たのは2002年だったかな。01年だったかもしれないけど、はっきりしたことはわからない。それが大成功したんで、新曲を収録したニュー・アルバムを作る必要があると思って、『SUBURBAN NIGHTMARE』を作ったんだ」
(註:LITTLE CAESARはGUNS N' ROSESなんかのいわゆる“バッドボーイズ・ロック”が盛んだった80年代末にLAで活動していたR&R/メタル・バンド。ヴォーカリストのロン・ヤングを中心に、デイヴィッド・ボウイと活動していたアール・スリックなんかも在籍していたことがある。なお、THE DOGSのコンピレーション『FED UP!』リリースは2000年リリース)

―『KILLED BY DEATH』にもTHE DOGSの曲が収録されていましたが、アレはいわゆるブートレグだったワケで…。
「そのことを指摘してくれて嬉しいよ。あのブートレグには感謝している! アレが出たのは1985年だったかな?…バンドが解散してから俺たちのキャリアを一番救ってくれたのがアレだったんだ。アレのおかげで、世界中のキッズにTHE DOGSのことを知ってもらうことが出来たんで、アレが成功の大きな要因だったんだよ。ブートレグが俺たちのキャリアを救ってくれたってのがイイよね!(笑)アンダーグラウンド・シーンに感謝する!」
(註:「Slash Your Face」が収録された『KILLED BY DEATH Vol.1』のリリースは1990年)

―現在のTHE DOGSはロン・ウッドが抜けてしまっているんですか?
「いや、厳密に言うとそれは正しくない。…俺は今ミシガンにいる。1週間前からいるんだけど、メアリーも一緒だ。地元ランシングに戻ってきて、ここで2回ライヴを演ったんだ。1週間リハーサルをやって、昨日はMAX BARというランシングのアンダーグラウンド・パンク・バーで凄いショウをやった。地元のパンク会社、BERMUDA MOHAWK PRODUCTIONSが撮影して、コレがライヴDVDになる。6週間後には出るだろう。ロン・ウッドもちゃんとバンドにいるよ。残念ながら、日本への入国ビザが下りなかったんでロンは日本へは行けないんだ。それで、1987年にTHE DOGSにいたトニー・マテューチが日本へ行くことになる。今、トニーとリハーサルをやっているよ。残念ながらロンはその他多くのドラマー同様、“不良”になってしまうことがあるんだな(笑)。でも、昨日と一昨日のショウは本当に素晴らしかった!…その模様は、新しくリリースされるDVDにちゃんとドキュメントされているよ。ここランシングで新曲も披露した。昨日のギグで最高だったのは、若いキッズだらけだったということ。地元で、全く新しい世代のTHE DOGSファンの前でプレイしたんだ。77年には生まれてすらいなかった、20代前半のキッズの前でプレイ出来て嬉しかったよ」

―(ロン・ウッドの後任といわれていた)ドラマーのケン・マンディはもうバンドにいないんでしょうか。
「俺たちはSPINAL TAPのようでね、素晴らしいドラマーが3人いるんだ。正式なドラマーはロン・ウッドで、それからトニーがいて、ケン・マンディがいる。特にLAのドラマーというのは、バンドを10も掛け持ちしているんで、スケジュールの合う奴がプレイしているんだよ。ロンが刑務所に入っていたり、彼にビザの問題が生じた時に、他のドラマーが出動するんだ。ロンには、ジョニー・キャッシュやジェリー・リー・ルイス的メンタリティがあるんだよ。不良ロックンローラーなんだな。だから、刑務所に入っていなかったり、アメリカで演るときは、彼がドラマーなんだよ(笑)。彼がTHE DOGSなんだ。他のメンバーもロンのことが大好きだから、彼が演れないときもずっとバンドを続けているんだ」
―ケンは、’LECTRIC CHAIRSもまだやっているんですか?
「いや、’LECTRIC CHAIRSはもう解散したんだ。俺もケンと一緒に’LECTRIC CHAIRSをやっていたんだよ。最後のギグは、1年前の6月にLAで行なわれたXのオープニングだった。もう一人のギタリストのマーシュ・グッチはシアトルに移住して、ゴキゲンな新パンク・バンドROOT BEER BARRELSをやっているけど、マーシュがシアトルに移住した時点で’LECTRIC CHAIRSは終わったんだ。凄くいいバンドだったから悲しかったよ。XやTHE DAMNEDのオープニングを務めたけど、それはこっちではイカしたことだった。THE DOGSの合間にやっていたんだ」
―ケンは、他にもバンドをやっているんですか?
「ケンは、LAでバンドを10も掛け持ちしているよ。どれとははっきり知らないけど。彼も素晴らしいドラマーだ。凄くおかしなジョークのセンスの持ち主でもある」

―で、今回のトリビュート・アルバムのリリースと来日公演はどういう経緯で実現したんですか?
「デトロイト出身のデトロイト・ジャックとは昔、ウェイン・クレイマーのベーシストを通じて電話で知り合ったんだ。それからペンパルになったんだよ。彼がTHE DOGSの大ファンだったとは思いもよらなかったけど、それから彼にレア音源とかをあげるようになって、友達になったんだ。その後、コンピレーション・アルバム『FED UP!』が出た頃に彼はLAまで来て、ロン・ウッドのいる俺たちのライヴを観たんだ。うちに泊まってヴィデオなんかも撮っていた。その後何故か、THE DOGSのトリビュート・アルバムを作りたいという夢を抱いたんだな。東京に住んでいた彼は、日本のパンク・バンドをたくさん知っていた。ニュージーランドやオーストラリアのバンドも知っていたし、そこにアメリカのパンク・バンドも加えて、DOGSのトリビュート・アルバムを作る必要を感じたんだな。俺たちは本当にぶっ飛んだよ。『本当に?』って感じだった。それ以来、彼らによる俺たちの曲の凄いヴァージョンを聴いてきたんだ」
(註:ウェイン・クレイマーのベーシストとは、多分ウェインの来日時にベースを担当していたダグラス・ランのことと思われる。その時のドラマーだったリック・パーネルとダグはその後THE DEVIANTSのリズム・セクションとしても来日。このあたり、MC5~MOTORHEADまで横断するデトロイト~ロンドン西部の人脈は現在LA~サンタモニカあたりに集中して住んでいて、結び付きが強い)

―今回のアルバムは特に日本のバンド中心になっています。自分たちの音楽が極東の島国でこれほど支持されているとは、意外だったのでは?
「そう、デトロイト・ジャックに言われるまで知らなかったんだ。THE DOGSが日本で盛り上がっている話を7年前にジャックから聞いたんだけど、そんなことそれまでは全く知らなかった。だから、嬉しい驚きだったな。特に、MySpaceのようなテクノロジーのおかげで、日本からメールが来るし、日本人と友達にもなれた。そうして、日本にもファンが大勢いることを知ったんだ。凄いことだよ」
―トリビュート・アルバムには70年代の未発表音源も収録されていますが、こういった音源はまだあるんでしょうか。
「あることはあるけど、良質かどうかはわからないな。デトロイト・ジャックがトリビュート・アルバムを作っていたとき、「L.A.Times」の未発表ヴァージョンがあることに気付いたんだ。アレはリハーサル・スタジオで凄いローファイでレコーディングしたものだったけど、当時LAでけっこう流行っていた曲だったから、1971年にミシガン州立大学でレコーディングされた、若いバンドの荒削りなヴァージョンと一緒に収録することにしたんだ。アレを彼に渡して、トリビュート・アルバムに入れてもらえて嬉しかったよ」

―新作リリースの予定は?
「俺は新曲を書いていて、つい昨日ここランシングでやったギグでお披露目したんだけど、みんなえらく気に入ってくれたよ。「Slash Your Face」を俺たちのテーマソングだと思っている人は多いけど、凄くエッジの効いた新曲を引っ提げて日本に行きたいと思っていたんで、昨日プレイしてみたんだ。2007年版「Slash Your Face」だよ。マジだからな!」
―新曲聴くのが楽しみです!…では待望の来日に向けて、日本のファンへメッセージをお願いします。
「日本へ行って、みんなと会えることに対して凄くエキサイトしてるよ。日本に行けるということに本当に圧倒されてるんだ。みんなのために、THE DOGSスタイルでロックしてやる!…新旧織り交ぜた曲をやって、俺たち流にロックするよ!」
―とても楽しみにしています!
「追加公演も出たって聞いたよ。当初は金・土・日曜とやるはずだったけど、木曜日もやることになったんだ。レストランで、THE DOGSのアコースティックをやる! 初めての試みだ!…DOGS初のアコースティック・ショウを東京でやれて光栄だよ! トーク・ショウとアコースティック・ギグをやるんだ」
―それは調べてみますよ。
「あと、ファンへのメッセージとして、最高なのはトリビュート・アルバムに参加してくれたファンに会えることだ!…GIMMIESとかのパンク・バンドやパンク・ミュージシャンに東京で会えるのを凄く楽しみにしている。MySpaceで彼らの曲を聴いてきたけど、日本からは本当に素晴らしいパンク・ミュージックが出てきているよ。だから、日本へ行ってライヴをやるのをとても楽しみにしているんだ。一緒にパンクしようぜ!」
(註:“追加公演”のアコースティック・ライヴはレストランではなく、下北沢のDISK UNIONで行われた。ちなみに俺はコレだけ観られなかった)


 このインタヴューの後に行なわれた来日公演から早4年余り、THE DOGSは遂に待望の新作アルバムをリリースした。俺はまだ聴いてないけど、楽しみにしている。


(2023.7.12.改訂)

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック