80年代半ば、デパートの催事場とかでやってた中古レコード市に行くとほぼ必ずあったアルバム。で、実際そういうところで買った。
1000円ちょっとぐらいだったはず。
当時このバンドについて雑誌などには一切記事がなく、プロデュースがサンディ・パールマン…という裏ジャケットの情報だけで買ったんじゃないかと記憶する。
このアルバムではギタリストが元THE DICTATORSのロス・ザ・ボスだけど、その頃俺はまだDICTATORSを聴いていなかった。
フランスのバンド、SPEEDBALLが1976年に改名。
SHAKIN' STREETというバンド名はもちろんMC5の名曲から。
78年にフランスのCBSからアルバム『VAMPIRE ROCK』でデビューしているが、俺がそのアルバムの存在を知ったのはずっとあとになってから。
(85年にスカイドッグ・レコーズから出たフランスのパンクの編集盤『PUNK! PUNK! PUNK!』にも、フランス時代の音源が収録されている)
この『SHAKIN' STREET』は一応2ndアルバムということになるけど、『VAMPIRE ROCK』収録曲を1曲再録音しているし、『VAMPIRE ROCK』がフランスでしかリリースされなかったこともあって、バンドにとって“世界デビュー”みたいな意気込みがあったことは容易に想像出来る。
俺も含めてコレが唯一のアルバムと思い込んでいた人も多かったはず。
ともあれサンフランシスコで録音されたSHAKIN' STREETの全米デビュー盤がコレ。
先に書いたとおり、制作はサンディ・パールマン(このブログではお馴染み、BLUE OYSTER CULTを世に出した男)。
録音はサンディと組んでBLUE OYSTER CULTのレコーディングを手がけていたマーレイ・クルーグマン…ではなく、RAMONESの『SUBTERRANEAN JUNGLE』『TOO TOUGH TO DIE』で知られるグレン・コロトキン。
アメリカに拠点を移すのに際して、先に書いたとおりリード・ギタリストとしてロス・ザ・ボスが参加。
コレはあまりにも強力な補強。
結果としてTHE DICTATORS同様、ハード・ロックにもパンクにも収まりきらないハードで独特なR&Rが完成した。
看板シンガー、ファビエンヌ・シャインの歌いっぷりは、1stアルバムでは妙にソフトなハイトーンなんだけど、このアルバムではグッとロックっぽい。
俺は聴いた順番がリリースと逆だったので、あとになって『VAMPIRE ROCK』を聴いてちょっとずっこけた。
音楽的にはやはりというかTHE DICTATORSに近い。
DICTATORS以上にハード・ロック寄りで、一応パンク・ムーヴメントの中から登場しつつも、いわゆるパンク・ロックとは言い難い音。
何しろ、SHAKIN' STREETと改名したのが1976年、ということは、前身バンドの結成はもっと前、ということになるワケで。
そうすると、いわゆるプロト・パンクというよりも、元々は単にハード・ロック・バンドとしてスタートしていたのかも知れない。
ロス・ザ・ボスは弾きまくり。
一方で、ハード・ロック/ヘヴィ・メタルのピュアなファンが聴いたらまた首をかしげそうな感じ。
いわばデトロイト・ロックを独自に再解釈したらこうなった、みたいな音楽性なんだけど。
日本では一番理解されないタイプのバンド(苦笑)だと思う。
個人的には大好物。
感覚的にはRADIO BIRDMAN以降のオーストラリア勢にも通じる。
実際、このアルバムに収録されているSHAKIN' STREETの代表曲「Solid As A Rock」は、HITMENがカヴァーした。
その「Solid As A Rock」を含め、このアルバムのA面冒頭から3曲連発されるスピーディーなハードR&Rはかなりカッコいい。
しかし、日本では理解されにくい音…というだけでなく、結局アメリカでもブレイクに至らなかったのは残念。
バンドはその後、BLACK SABBATHとBLUE OYSTER CULTの有名なダブル・ヘッドライン・ツアーにオープニング・アクトとして同行するが。
そこで裏方として参加していたジョーイ・ディマイオとロス・ザ・ボスが意気投合、ロスはSHAKIN' STREETを脱退してMANOWARを結成してしまう。
ロスの後任として加入したのが、後にBLUE CHEERのギタリストとして来日も果たすことになるアンドリュー“ダック”マクドナルドだったそうだ。
(BLUE CHEER来日の時、ダック・マクドナルド本人から聞いた)
しかしバンドを立て直すことはかなわず、その後のニュースは途絶えた…とか思ったら近年再結成してアルバムも出していることを最近知って驚いた。
ファビエンヌ・シャイン、このアルバムから30年以上も経っているのに、見た目もそんなに変わってない。
(2023.7.19.全面改訂)
この記事へのコメント
大越よしはる
コメントありがとうございます。
そうなんです、復活してたんですよ。
凄いですね。
willy
また懐かしいアルバムを…
そっかまだ活動してたのか。
館
https://fabienneshine.com/
大越よしはる
ファビアンヌ・シャイン、まだ頑張っているのですね!