遠藤賢司/KENJI(1974)

画像遠藤賢司。
1947年(昭和22年)1月13日生まれ。
69年2月、シングル「ほんとだよ/猫が眠ってる」でデビュー。
以来日本フォーク/ロック界の至宝たる“純音楽家”として43年。
(現在65歳!)
その5thアルバム。
次のアルバムと並んで、ここでは遠藤賢司じゃなくて“KENJI”だ。

もうジャケット(横尾忠則)からKENJI宇宙大爆発だな。
代表曲のひとつである1曲目「踊ろよベイビー」で炸裂するメロトロンも宇宙感覚横溢だし、ズバリ「けんちゃんの宇宙旅行」も入ってるし。
あ、「ふりそそぐ星」と「またいつか会いましょう」もか。
後の「ボイジャー君」なんかにもつながっていくエンケン独自の宇宙な感じは、既にここから始まっていた。
「おはよう、こんにちわ、こんばんわ、おやすみ」にも唐突にUFOが登場したり。

「けんちゃんの宇宙旅行」は、「ボイジャー君」とか「宇宙防衛軍」なんかとはまた違って…HAWKWINDの「Space Is Deep」に通じる、何とも言えない真空な感覚が凄いね。
あるいは『2001年宇宙の旅』に通じるサイケデリックな絢爛さも。
(リリース当時はデイヴィッド・ボウイ『ZIGGY STARDUST』の影響が指摘されたらしいけど、違うと思う)
そして『嘆きのウクレレ』以降『宇宙防衛軍』まで繰り返し取り上げられるベートーヴェンがここにもちらっと。

ささやくような、というかまさにささやいてる、ミニマムでデリケートな歌声から、エレキ鳴らして大炸裂な曲まで、音や声の大きさも小ささもどっちも過剰。
それを引き立たせるバック陣の人選・演奏も、高中正義から深町純まで、そこにしかありえないという感じでズバッとハマっている。
「気をつけろよベイビー」での山内テツの太いベースが導くヘヴィなグルーヴよ。

このアルバムの次に遠藤賢司がCBSソニーからリリースしたのが『HARD FOLK KENJI』だった。
1975年だったからこその、そのタイトルだったと思う。
75年には、まだパンク・ロックがなかったから。
そしてフォークに収まりきるはずもなかったその感覚が、この頃の“遠藤賢司”じゃなく“KENJI”という表記に表れてるような。
何にせよあまりにもワンアンドオンリー過ぎる人だ。


(2023.7.31.改訂)

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