NERD MEETS PUNK

NINA HAGEN.jpgDOLLで書いた、インタヴュー以外の記事もここに再録してみたりする。
コレは、DOLL通巻200号にあたる2004年4月号に掲載された、200号記念コラムを手直ししたもの。
DOLLももうちょっと頑張れば300号まで行ったのにな~。


 中学~高校時代の前半までYMOにイカレてた俺は(何しろ中年ですから)、アニメとプロレスにハマりまくりのダメダメ童貞野郎だった。そんな俺が初めて接したパンク/ニュー・ウェイヴのアルバムは、高校2年の時友達に聴かされたニナ・ハーゲン『NUN SEX MONK ROCK』だった。
 それ以前にもクラウス・ノミとかDAFとか耳にしていたんだが、アルバム単位で聴いたのはニナが最初だと思う。ニナ・ハーゲン知ってる?…ドイツのニュー・ウェイヴを語る際には絶対外せない存在なんだけど、今の若い衆は知らないかもね。ともあれ上がったり下がったり裏返ったりを繰り返すニナの破壊力抜群のオペラティックなレロレロ・ヴォーカルを聴いて、俺は思った。「パンクっていうのはメチャクチャなもんなんだ!」
 早速自分で「村祭り」(「む~らのちんじゅのか~みさまの~♪」…ってやつ)をおどろおどろしく歌って(アカペラで)テープに吹き込んでパンクを気取ってみたりしました。ああ勘違い。

 …そのうちに弟が「宝島」を買ってきて(笑)、そこでSEX PISTOLSを知るワケだ。そんなこんなで(当然のごとく)受験に失敗、浪人生活を送りながらあらゆるロック(メタルもパンクもプログレもグラムも。ちなみに当時は“ポジティヴ・パンク”全盛時だった…)を聴きまくったんだが、しばらくの間シド・ヴィシャスのことをギタリストだと思い込んでました。ああ勘違い。
 ついでに言えば金もなかった(まあ今もだが)。世界に対する違和感と、ラジオを聴く時間、この二つだけはふんだんにあった。SEX PISTOLSもTHE CLASHもTHE STRANGLERSも、最初は全部ラジオで聴いた。それをエア・チェックしてカセット・テープに落としてた。

 初めて自分で買ったパンクのアルバムはもちろんSEX PISTOLS。その頃にはもうパンク=ただメチャクチャなもん、とか思ってはいなかったが、並行していろいろな音楽を聴きまくっていたし、一部の実験的なプログレがニュー・ウェイヴの時代に勢いを盛り返したことも意識してたんで、パンクがロックの中の単なる一ジャンルだとも思えずにいた。
 そう、パンクはロックの中でもある種特別にスピリチュアルなモノだったし、パンクな精神はジャンルとしての“パンク・ロック”に限らずいろいろなところに息づいてる。俺にとってのパンクとは、簡単に言えば“面白くなければ自分で面白くする”そして“基本的に何でもあり”ということだ。EAGLESやYESがつまらないなら、自分たちでDr.FEELGOODみたいな面白い音楽を演ってやる。1977年の若い野郎どもが思っていたのはそういうことだろうし、その後には百花繚乱のニュー・ウェイヴが咲き乱れたワケだ。ただ自分が面白いように、いろいろやればいいんだよ。そうすればいつまでも面白いぞ(少なくとも俺はそうだし、実際30歳過ぎても音楽と関わりながら楽しく過ごしてる)。ロックだパンクだ言い出さなければ、ひょっとして今でも童貞でアキバに入り浸ってたかもしれないしな。

 …で、話は変わるが、一度だけGUITAR WOLFのステージに引っ張り上げられてギターを弾いたことがある(@熊谷VOGUE)。俺にギターを渡して、SEIJIボスは耳元で怒鳴った。「メチャクチャやればいいんだよ!」
 …やっぱりそうだったのか?!


(2022.12.31.全面改訂)

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