そのD4にDOLL誌上で行なった2度目のインタヴューが以下。
2005年3月に2ndアルバム『OUT OF MY HEAD』をリリース、その直後の4月、渋谷AXでのイヴェント「BANDSTAND」のために来日した時のモノで、インタヴュー記事はDOLL05年6月号に掲載された。ここではほぼノーカットでお送りします。
この来日時、D4が日本に到着したのとほとんど時を同じくして、「BANDSTAND」で共演予定だったGUITAR WOLFのベースウルフことビリー急死という悲報がもたらされたが、メンバーは消沈しながらも必死でリハーサルし、当日のライヴでは「Invader Ace」と「Jet Generation」を演奏してビリーへの素晴らしいはなむけとしてくれた(涙出た…)。
インタヴューはライヴ翌日の4月3日、市ヶ谷のソニーミュージックで。ジミーをはじめ、ディオン(ヴォーカル、ギター)、ヴォーン(ベース)、ビーヴァー(ドラム)の4人に話を聞いた。『OUT OF MY HEAD』収録の名曲「Sake Bomb」の日本語詞を担当したTHE FACEFULのギタリスト・サワ(現在はTHE RAYDIOSのギタリストとしても活躍中)も同席。
―昨日のライヴも、前の方で観させてもらいました。
ジミー「ライヴは前の方がいいよね」
―凄くいいライヴでした。
ジミー「僕たちも楽しんだよ」
―これでビリーさんのことがなかったら、もっと楽しい気分でインタヴューに臨めたんですが…。
ジミー「ビリーはどっちにしろ、昨日いたと思うよ。きっと笑ってたと思うよ」
―ビリーさんについて思い出とかあれば、話してもらえますか?
ジミー「いろいろありすぎて、何から話していいやら…。一緒にいる時はいつもビリーが一番面倒を見てくれて、ニュージーランドでもロンドンでも僕らが演奏してるところには必ず来てくれて、いつも笑って、ジョークを飛ばして…そんな思い出がいっぱいだよ…」
―…気持ちを切り替えていきましょう…。え~…今回、通算で5回目の来日?
ジミー「ハイ」
―2003年に3回来てますよね?
ジミー「そう」
―00年に1回、03年に3回。日本好きですよね~。
ジミー「もっともっと来るつもりだよ!」
―フルアルバム2枚で、日本に5回来てるバンド、他に聞いたことないですよ。
ビーヴァー「日本イチバ~ン!(笑)」
ジミー「まだレコード契約もない時に、THE FACEFULとかGUITAR WOLFとかに呼んでもらって、最初の来日の時はサワくんのご両親の家に泊めてもらったりしてさ。新宿JAMで演った時も、GUITAR WOLFがシークレットでオープニング・アクトとして参加してくれたり…。僕らは本当に日本の文化が大好きだし、いつも来日の時は渋谷に泊まってるんで、身近に感じてるよ」
サワ「ディオンは、俺より詳しいッス、渋谷は(笑)」
ディオン「ふへへへ、僕、ミスター・ハラジュク(笑)」
ジミー「細身の服が好きなんで、日本のサイズがフィットするんだよ。だから買い物するのがとても楽しいんだ」
―前にインタヴューした時、日本をTHE D4にとってのハンブルクだ、と言ってましたが、それが凄くわかる気がします。
ジミー「BEATLESだね、まさにそのとおり!…初来日はバンドにとっても革命的な感じで、5回ショウをやったんだけど、もっと上を極めて行こうって、その時に思ったんだ。洗礼みたいな感じさ」
―今回は1週間の滞在でライヴは昨日の1回だけで、俺としては残念だったんですが…もっと回数やるプランはなかったんですか?
ジミー「ふらっと来てふらっとプレイする感じで」
サワ「前来た時、グッチ(THE FACEFULドラム)の結婚式で、そのパーティーでライヴやってくれて」
ジミー「来てくれと言われたところに行って、そこで僕らはプレイするんで。今回はプロモーターとかいろんな絡みがあって、1回だけになってしまったんだけど、次に来る時は新宿JAMとか三軒茶屋HEAVEN’S DOORとか、僕らの好きな小さいクラブでたくさんショウをやりたいね」
―小さいハコでイイから、単独公演があったらもっと盛り上がったと思うんですけどね。
ジミー「次回は絶対やるよ!…小さいハコで、観客と密接にプレイするのが僕たち流なんで、次はそういう狭いところでやりたいね」
―…さて、新作の話にしましょう。前回インタヴューした時、新作は2004年の初めくらいにという話を聞いたんですけど、実際は約1年遅れって感じですね。その間は、どうしてましたか?
ジミー「より良くするために必要だったんだ。いろんな曲を書きためて、「コレだ!」という曲が降りてくるのを待っている状態で、それを探しながら、いいアルバムを作るために1年かけたって感じ」
―いいアルバムになってると思います。特に、1曲目から「Sake Bomb」!
ジミー「飲むかい?“サケボム”!(笑)」
(註:“Sake Bomb”とは、THE D4のオリジナル・カクテル?…で、つまりビールと日本酒のミックス)
―(笑)「Sake Bomb」の、日本語の歌詞はサワくんが対訳してるんですね。
ジミー「そうそう」
―なんか、(英語の)歌詞を読んだだけで訳したんですか?
サワ「歌詞カードが送られて来て、「訳して」って言われて。…でもメロディもわかんないし、まさか録音するとは思ってなかったから…こんな感じだよ、って…」
ジミー「サワくんには絶対の信頼を置いてるからね。サワくんが書いたとおりに僕らは歌ったからね」
―“訳詞”っていうより“作詞”だよなあって…英語版と較べたら。
サワ「英語力がなかったんで(笑)」
―しかもメロディ聴かないで書いたっていうのに、なんか恐ろしいまでにピッタリはまってるっていうのが…。
ジミー「サワくんが天才なんだよ(笑)。ロックンロール・ブラザーだ!」
―最初は、英語詞のヴァージョンが先にあったんですか?
ジミー「そう」
―全然日本語ヴァージョンに違和感ないですよね!
ジミー「魔法みたいな感じで。彼は魔法使いだから(笑)」
―…そういう、楽しいナンバーも素晴らしいんですけど、今回のアルバムは前作と較べると、全体に、歌詞に非常に深みが出てきましたね。
ディオン「同じようなアルバムを2回作るのは嫌だった。パーティーのことは今回も歌ってるけど、それはファンの望むイメージに応えた部分もあって、今回はもっと個人的な歌詞にしたかった」
ジミー「この1年間、ロンドンでメンバー一緒に暮らしたりして、大きいレーベルと契約してるんでプレッシャーも凄かったんだけど、でも自分たちに正直に、本当に伝えたいことを正直に表わせたアルバムだと思う。もっと現実味のある、リアルな感じで」
―特に今回、ひとつのハイライトになってるのが、「Stops Me Cold」。
ディオン「実は元々、もっと速く演奏していたんだけど、たまたまテープをスローで逆回転させた時に、「なんだこれ、カッコいいじゃん!」ってことになってさ」
ジミー「このスローさで、恐怖心を煽るような感じにして、このサウンドに伴って、歌詞も…僕らはコレを“音楽的ストーキング”と呼んでるんだけど」
―ストーカーの歌ですよね。
ジミー「そう。僕らの中に潜んでいるストーカーについての歌。僕らの実体験にもあるんだけど、僕らが憧れていて、でも親密になれなかったような人、そんな人たちへの想いを歌った曲だね。でも普段は、壁を登って窓から入り込むような真似はしないよ(笑)」
―こういう歌詞って、西洋のロックの歌詞であんまり聴いたことがなかったんで。まあ、あったのかもしれないけど…俺が知らないだけかもしれないですけどね。日本のポピュラー・ミュージックではこういう歌詞ってわりと多いんですよ」
ディオン「日本人はストーカーについて歌うの?」
ジミー「自分たちで気付かないうちに、そういう日本的な要素を吸収したのかもね(笑)。ホテルの部屋からいろんな人を観察してるうちに」
―それをライヴで演ったのもけっこう驚きだったんですよ。
ジミー「フルセット(のライヴ)をやる時に、真ん中辺りで演るようにしてるんだ。僕らのセットはどっちかっていうとガチャガチャした感じで…その中で、観客にとっても僕らにとっても台風の目みたいになるような感じで、うるさいのとうるさいのの間に、静かな曲を入れてみたり」
―アルバム・ヴァージョンではオルガンが入って非常にブルージーなアレンジになってたんで、オルガンなしの4人だけでライヴで演ったっていうのがけっこう意外だったってのがあって。オルガンを入れるっていうのは最初からアイディアとしてあったんですか?
ジミー「実験的な感じでやってみた。オルガンを入れようってなった時に、バンドの中にはオルガンを弾ける奴がいないんで、誰か探さなきゃならないって時に、見つけたプレイヤーがちょっとダルな感じでさ。ディオンが「F!A!A!A!A!」とかオルガン・プレイヤーに号令をかけながら進めていって、とてもリラックスした自然な感じでやれたね」
―オルガンが入ったことだけじゃなく、アレンジ自体にかなり幅が出てきましたね。
ジミー「いろんな音作りに力を入れたんだ。だからこんなに時間がかかってしまったんだけど。いろんなテンポを試したりとか、いろいろ実験してみて。前作と似たようなサウンドにはしたくなかったんで、今回の曲に自然にフィットするような感じで作りたかったんだ」
―アレンジに幅が出て、ライヴの構成も非常にヴァラエティに富んだモノになってきましたね。2003年5月に「MASHROOM NITE」で観たんですけど、あの時はこう来て(…手を徐々に上げていく)LITTERの「Action Woman」のカヴァーがあって、DEAD BOYSのカヴァーがあってダーッと…いう感じだったのが、アップダウンが巧みに構成されてきたっていうか、そういう印象を持ちました。
ディオン「もっとダイナミックにライヴが出来るし、自分たちでやってても楽しいんで、1曲1曲がより自分たちを主張出来るように…今までは、全部1曲じゃないかと思われるような、同じようなノリだったんで、これからは1曲1曲に主張させるよ」
―構成にダイナミズムが出てきたっていうか。昨日もアップダウンを繰り返した末のGUITAR WOLF大会が、凄い盛り上がりになってましたね。
ジミー「僕らもとっても楽しかったよ!」
ビーヴァー「ジェットジェネレーショ~ン!」
ジミー「実は1日練習してたんだ」
―ちゃんと歌えてましたね! 全部聴こえてましたね歌詞が!
ジミー「ホントにわかった?(笑)…もう、宿題みたいに、前の晩練習してたからね。サワくんと演奏出来たのもホントに楽しくて」
ディオン「D5!(笑)」
ジミー「ロックンロール・ファミリー!」
(註:前夜のライヴではGUITAR WOLFのカヴァー2曲でサワがステージに登場し、サワを含むギター3本の5人編成で演奏された)
―で、「Jet Generation」もそうですけど、THE D4の特徴として、全然ヒネリのないカヴァー曲っていう特徴があるんですけど。
ジミー「敬意を払って、そのまんま演ってるんだよ」
―今回もいいですよね。FUN THINGSとLIME SPIDERS。
ジミー「実はレコーディング前日にカヴァーすることを決めたんで、リハーサルし過ぎた感じが出ずに、新鮮な感じでレコーディング出来たよね。急にカヴァーすることになったような状況にすぐ対応出来たのも、僕らはヴォーカル以外一緒にレコーディングする主義なんで。ギターやドラムやヴォーカルを分けて録音すると、時間もかかるし、間延びしちゃうんだけど、僕らはヴォーカル以外は一気に録ってしまうんで、ライヴ感っていうか、一体感が出せてたと思うよ」
―今でも基本的に一発録り中心なんですか?
ジミー「つまらなくならないように…何テイクか録って、どれが良かったか協議して、一番いいのを選ぶようにしてる」
―カヴァー曲の話に戻ると、FUN THINGSの「Savage」は、TEENGENERATEのヴァージョンを先に聴いたとか?
ジミー「そう。最高のヴァージョンはTEENGENERATEだから」
―今回も基本的にはFUN THINGSヴァージョンじゃなくて、TEENGENERATEヴァージョンを参考にしてますか?
ジミー「両方ちょっとずつ、みたいな」
―一昨年インタヴューした時は、ライヴが年間200本とかいってたんですが、最近のツアー状況はどうですか?
ディオン「昨年は12本しかやってないんだ」
ジミー「昨年はアルバムの準備をしていたんで、12本しか入れられなかったんだけど、今年はここまでに30本。この後20本ブッキングが入ってる。今年はもっともっとライヴがやりたいね。最低でも200本。出来れば300本!(笑)」
―(笑)そんな状態で、最近ニュージーランドに帰ってるんですか?
ジミー「行ったり来たりだね。オーストラリアに行って帰ったりとか。火曜日からはヨーロッパに行くよ。THE HIVESも一緒なんだけど、(黒スーツ姿の大越を見て)君、HIVESに入れるよね(笑)」
―もうちょっとやせないと…(苦笑)。
ジミー「HIVESは体重多めのメンバーもいるから大丈夫だよ(笑)」
ビーヴァー「THE D4に入るには体重落としてくれ!(爆笑)」
―ちなみにこの下はGUITAR WOLFのTシャツなんですよ。
全員「ファンタスティック! ビューティフル!」
―…で、ニュージーランドっていうと、THE D4以外にはTHE DATSUNSが有名ですけど、仲いいですか?
ディオン「とってもいい友達だね」
―最近会ってます?
ヴォーン「普段は会う機会が無いけど…」
ジミー「ヴォーンはドラムの奴と会ってるよ。あと、今度一緒にバーベキューやるんで、そこで会えると思う」
―昨年秋にTHE DATSUNSが日本に来たんで観に行ったんですけど、メンバー女の子みたいにみんなかわいいんでびっくりしました。THE D4とは対照的ですね。
ジミー「僕らブサイク?(笑)」←目が笑ってなかった
―いや、男らしいっていうことですよ(笑)。
ジミー「ありがとう(ニッコリ)」
―…期待されるのが次のアルバムなんですけど、今度は2年とかじゃなくて、もうちょっと早く出せるんでしょうかね?
(一同笑)
ジミー「次はそんなに待たせないで済むよう頑張るよ。今度のアルバムの時は、6ヵ月の間、それぞれ自分たちの家で曲を書こうとしてたんだけど、上手く行かなくて。僕たちはメンバー一緒に同じ環境にいて曲が書けるんだってことがわかったんで、次のアルバムはそういう風にやる。あと、ツアーが終わってすぐに曲作りに入ろうとしたんだけど、ツアーのあと1ヵ月くらい休んでから曲作りに入った方が上手く行くみたいだね。次もサワくんに歌詞を書いてもらって、僕らの想いを伝えよう(笑)」
―シリーズ化しましょう(笑)。
サワ「ギャラは?(笑)」
ジミー「ギャラの話は後で!(笑)」
―今後の展開には本当に期待してます。
ジミー「僕らも本当に楽しみだよ」
…残念ながらTHE D4が3作目を出すことはなかったが、LUGER BOA来日ライヴ、あともう1回あります。7日(日付変わって今日やんけ!)、幡ヶ谷CLUB HEAVY SICK。
(2023.8.28.改訂)
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