ASYLUM/AWAKE IN A REVISITED WORLD

画像ASYLUM、実に24年ぶりの新作。

失踪していたGazelleが復帰したというだけでも驚いたのに、新作まで作ってしまったから更に驚いた。
声とか歌詞の世界観とかも変わってないのにはまたまた驚いた。

メンバーはGazelle(ヴォーカル、ピアノ、ギター)、Hiroshi(ギター)、Sharmin(ベース、チェロ、コーラス)、Kanno(ドラム:COALTAR OF THE DEEPERS)の4人。
ベースは“Sharmin”とアルファベットでクレジットされているけど、このブログではおなじみ、MONE¥i$GODのしゃあみん、その人であります。
Gazelle失踪以前のASYLUM最終ラインナップのリズム・セクションに、80年代末以降のASYLUMを支え続けながら離脱と復帰を繰り返したHiroshi(トランス・レコーズでの1stアルバム『CRYSTAL DAYS』にも参加していた)という組み合わせ。

ベーシック・トラックはスタジオ・ライヴ状態の一発録りで、1日でレコーディングされたという。
そのためか演奏や音質には独特な粗さがあり。
そこのところは聴く人によって好みが分かれるかも知れないが、個人的には生々しさが気に入っている。
かつて以上にポップで聴きやすい楽曲が目立つ一方で、変拍子を交えプログレ的に入り組んだアレンジ…が一糸乱れぬというよりはある種の崩壊感覚を伴って転がって行く。
コレはやはりというか、Gazelleが大ファンだというVAN DER GRAAF GENERATORの影響も大きいかと。
そしてポップなメロディやアレンジには、これまたGazelleの原点であるTHE BEATLESの影を見る。
(「Empty Talk」のリフはちょっと「Here Comes The Sun」っぽい)

しゃあみんはベースにチェロにと大活躍。
ストリングスは80年代から使っていたASYLUMだけど、自前のメンバーで入れられちゃうというのはやはり違うだろう。
Kannoのドラムはパワフルに。
Hiroshiのギターは“カキンコキン”という感じの特異なサウンドを全開にする。
そしてGazelleの煽情的な声で歌われる刹那的で何処か物悲しい歌詞。
90年代までのASYLUMと違って、Gazelle自身がピアノを弾くというのも大きい。
コレがかなり大きな効果を上げている。

「Revisited World」はHiroshiがバイノーラル録音で録り貯めていたという音源を元にしたサウンドスケープで、ヘッドホンで聴くと効果抜群。
そしてアルバムのラストを飾る「Awake」はインストゥルメンタル。
アルバム・タイトル絡みの2曲に歌が入っていないのはどういうアレだろう、と思ったんだけど、特に深い意図はなかったらしい(笑)。
ただ、アルバム・タイトル自体が深読みを誘うというか、何とも意味深長だよね。

個人的には、何度か再発されて有名な『CRYSTAL DAYS』よりも、全然再発されないビクター時代のアルバム『ASYLUM』の方が好きだったんだけど。
今回のアルバム、それ以上の出来じゃないかと。


『AWAKE IN A REVISITED WORLD』、本日リリース。


(2024.12.11.改訂)

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