ZAPPA/BEEFHEART MOTHERS/BONGO FURY(1975)

画像学生時代からの長い付き合いだったフランク・ザッパとキャプテン・ビーフハート。
その二人が連名でリリースした、唯一のアルバム。
1975年5月のライヴと、74年1月・2月のスタジオ録音を組みあわせたモノ。

レーベルとのトラブルやメンバーの相次ぐ脱退でCAPTAIN BEEFHEART & THE MAGIC BANDの活動が立ち行かなくなっていたキャプテン・ビーフハートに、旧友フランク・ザッパが助け船を出した1枚…と言われている。
そう聞くと美談っぽいが。
実際のところは、ザッパとキャプテンの関係はなんだかかなり複雑なモノだったらしいけど。

パーソネルはフランク・ザッパ(リード・ギター、ヴォーカル)、キャプテン・ビーフハート(ハープ、ヴォーカル、買い物カゴ…って何?)、ジョージ・デューク(キーボード、ヴォーカル)、ナポレオン・マーフィー・ブロック(サックス、ヴォーカル)、ブルース・ファウラー(トロンボーン、ファンタスティックな踊り)、トム・ファウラー(ベース、これまた踊り)、デニー・ウォリー(スライド・ギター、ヴォーカル)、テリー・ボジオ(ドラム、水分)に、2曲でチェスター・トンプソン(のちにGENESIS)がドラムを叩いている。
ボジオが初めて参加したザッパのアルバムがコレだった。

フランク・ザッパのアルバムとしては、楽曲の構造やアレンジは比較的シンプルと言えるかも知れない。
あくまで比較的、だけどね。
そのシンプルさ、キャプテン・ビーフハートが曲を覚えられなかったから、という話もあるが(笑)、実際キャプテンが参加していない曲の方が複雑。
そしてキャプテンは、ザッパとMOTHERSの演奏の上でアクション・ペインティングのようなヴォーカルとハープを聴かせる。
(キャプテンが歌わない曲では、MOTHERSのメンバーがお馴染みのハーモニーを披露)
テリー・ボジオは後年ほど爆裂してなくて、フツーに上手いという感じ。
(その後の超絶なプレイと比較するからで、もちろんこの時点でもとんでもなく上手いんだけど)
一方ザッパのギターは冴えまくりで、あのうにょうにょとしたフレーズを連発しながらえらくカッコいいソロを炸裂させる。
(曲によってはハード・ロックっぽいと言えなくもない)

キャプテン・ビーフハートの個性は、フランク・ザッパの楽曲・アレンジとMOTHERSの演奏の下では存分に発揮されていないような気もするものの。
とはいえ、ザッパとキャプテンのどのアルバムとも違った、ハイブリッドな変態ロックが聴ける。
個人的には大好きな1枚。
(およそ売れそうな気がしないけど、実は全米66位とけっこうなヒットだったそうで)

この後フランク・ザッパがリリースした『ZOOT ALLURES』(1976年)には、MOTHERSの名がなく。
テリー・ボジオと、数曲参加したナポレオン・マーフィー・ブロックを除いて、メンバーも入れ替わっていた。
MOTHERSとしては、この変則的な『BONGO FURY』が最後のアルバムだったということになる。
ザッパにもキャプテン・ビーフハートにも、ひとつの区切りとなったアルバムかも知れない。
ただしキャプテンがバンドを再編して次のアルバム『SHINY BEAST』(78年)をリリースするまでには、更に3年を要したのだが。
(それも半分はザッパのせいだった)

それにしてもこのジャケット。
キャプテン・ビーフハートの姿は、まるで人形か置物のようだ。


(2024.12.20.全面改訂)

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