岩明均(原作)・室井大資(漫画)『レイリ』第一巻・第二巻

画像うわー、2ヵ月も出遅れちまったよ。
近所の本屋で「よし、出てるな」と思って、次に行ったら売れちゃってて。
それで、初版が1ヵ月も経たずに2巻で○○万部売れて増刷かかって。
「ひいっ、重版出来待ちですか!」と思ったら、別の本屋で初版本ゲット。

岩明均が原作で、室井大資が作画の時代劇。
『雪の峠・剣の舞』を読んだ人なら、岩明均の時代モノがどれだけ面白いかは御存知と思う。
「剣の舞」の主人公も少女剣士だったけど、『レイリ』の主人公はバーサーカー的な(?)狂戦士で。
それが室井大資の絵によって、生き生きと動く。
生き生きと…といいつつ、主人公レイリはとんでもない“死にたがり”なんだが。

“長篠の戦い”のあと、落ち武者狩りの織田・徳川連合軍雑兵に家族を惨殺されたレイリ。
自身も凌辱(もちろんその後惨殺)されようとしていたところを、敗軍の将・岡部丹波守(当時は今川家の家臣)に救われる。
以来、“丹波守のために戦って死ぬ”それだけをレーゾンデートルとして生きて来た15歳のレイリ。
しかし丹波守はもちろんそんなことを望んではおらず。
武田家の家臣となっていた丹波守の元に武田の重臣・土屋惣三が訪れたことから、レイリの人生は想像もしない方向に転がり始める…。

『寄生獣』以来の岩明均の得意技(?)である、死んだあとの人間がたちまち“モノ”と化す酷薄な描画…を、室井大資は自らのテイストで存分に描き切っている。
一方で室井大資特有のすっとぼけた味わいも随所にあり。
彼の大傑作『イヌジニン』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_1931.html)同様、どんよりと重くなりそうな話をある種ライトにも(?)読ませてしまうセンスには磨きがかかり。
そして絵で“痛み”を感じさせる描写力は、かつての比ではない。
(そりゃそうだ、『イヌジニン』からもう10年近く経っている)
岩明均のお話に室井大資の絵…両者の相性は想像以上に良い。

レイリの夢に死んだ家族が出てくるあたりは、沙村広明『無限の住人』(キムタク主演で実写映画化だってねえ…)のパロディ(?)みたいなテイスト。
一方で織田信長の狂気じみた表情には、板垣恵介っぽい風味もあったりして。
室井大資、これ以上ない舞台を得て、持てる引き出しを開けに開けてる一方で、先に書いた通り成長ぶりは著しい。

何よりも、主人公であるレイリ。
生い立ちに色々ありながらもとぼけた感じの美少女…というのは元々岩明均が得意としていたキャラクターでもあるのだが、そこに元々“目力が強くて薄幸そう”な女性キャラを得意とする(?)室井大資のセンスが加わって、絶望と狂気と脱力と色気を等分に併せ持った稀代のヒロインが誕生。
コミックス刊行から既に2ヵ月…別冊少年チャンピオンで連載開始当初から読んでいた人も含めて、既にレイリに惚れちゃってる人も多いことだろう。

武田信勝の“影武者”となったレイリ。
しかし影武者の“同僚”だった和助が敵襲に倒れ。
そもそも武田信勝って享年16歳だぞ?
(『レイリ』2巻の時点で13歳)
レイリの今後がどう転がって行くのか…3巻の発売が待ちきれない。


あとアレだ、大ヒットで左うちわになった室井大資にガールズバーおごってもらう方向で…(爆)。


追記:
ガールズバーはまだおごってもらっていない。

(2024.12.25.)

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