浅井蓮次(原作:沢田新)『バイオレンスアクション』1

画像発売から1ヵ月ほど出遅れたが。
コレ面白いです。
小学館のサイト「やわらかスピリッツ」で昨年から連載されている作品。
重版出来の人気作だそうなんで、このブログを御覧の皆様でも読んだ人いるかもだけど。

デリヘルを装った殺し屋派遣業者「ぷるるん天然娘特急便」(という設定からして既に狂ってるが)の指名No.1・ケイ。
日商簿記検定2級合格を目指して専門学校に通い、堅実な将来を夢見る彼女…は最強の殺し屋。
容姿ばかりか頭の中身も“ゆるふわ”そうなケイが、とんでもない身体能力と百発百中の射撃テクニックで、復讐から警護からしくじった人間の処分まで仕事を選ばず大立ち回り。
10人近いヤクザもモノともせず。

どう見てもフツーの女の子(見た目は…)なケイの身体能力と射撃やナイフの腕(しかも20歳にしてマニュアル車を乗りこなす)はどのようにして培われたのか。
そもそもどうしてこんな仕事に手を染めたのか。
…といった背景やらなんやらは(少なくともこの単行本第1集では)まったく説明されず。
そのあたりをいぶかしんだり突っ込んだりするのも馬鹿らしいほど、ケイは走って跳んで撃って斬りまくり、武闘派ヤクザの皆さんは次々に肉塊と化す。
そういったアレコレを、時には簿記の勉強の合間に淡々とこなしていくケイ。
完璧にイカレたイノセンス。
ってか、ほとんどの登場人物があらかじめイカレてるか壊れてるけど。

作者の浅井蓮次という人は全然知らなかったんだけど、『バケモノの子』とか描いてた人なのね。
曲者なのは、原作者・沢田新の作劇だろう。
“和歌山県出身・在住の兼業主婦”で、この『バイオレンスアクション』が漫画原作デビューというが。
疑わしいよな…。
個人的には、それなりに名のある作家とか漫画家の仮の姿ではと踏んでいるんだけど。

原作付きの漫画と言っても、原作者がガチガチにシナリオを作って漫画家がその通りに描く場合と、漫画家にアドリブの余地が多い場合との2種類がある。
『バイオレンスアクション』の場合…セリフ回しのあちこちに登場する乾いた笑いのセンスは、原作者のモノだろうか。

クスッと笑える部分だけにとどまらず…血が吹き出そうが手足を切り刻まれようが、何処もかしこも徹底的にドライ。
家族を殺されて復讐のためにケイを指名する依頼者さえもがドライ。
この乾いたセンスが全編に横溢しているんで、随所に背筋の寒くなる部分がありながらも読後感はいっそ爽快。
(全編に…となると、このセンスはやはり原作者のモノと考えるべきか)


テイストはまた違うけど、『ガンスリンガーガール』なんかのファンにもお勧め出来る作品だと思う。
連載の方ではケイ以外の殺し屋女子も登場し、話が広がりつつあり。
第2集も楽しみです。
『バイオレンスアクション』1、絶賛発売中。


追記:
この時点ではすっとぼけて”個人的には、それなりに名のある作家とか漫画家の仮の姿ではと踏んでいるんだけど”なんて書いているが…。

(2025.1.13.)

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