岩明均(原作)・室井大資(漫画)『レイリ』第三巻

画像2日続けて漫画の話。
岩明均・室井大資コンビによる最新巻。

織田軍の雑兵に家族を惨殺された少女・レイリは武田家の武将・岡部丹波守の元で死を願いつつ剣の腕を磨き。
しかし何故か武田家の重臣・土屋惣三に拾われることとなり、武田勝頼の嫡男・信勝の影武者として日々を送ることになるのだった…というのが第二巻までのあらすじ。

第二巻は武田信勝と影武者・和助が刺客に襲われる緊迫の引きだったが。
話はそこから容赦なく転がって行く。
和助の死と信勝の動揺。
そして再度の敵襲。

ハイライトは約60ページに渡って展開する、2度目の敵襲とそれに伴う大立ち回りだろう。
遂に真剣で敵と切り結ぶ…いや、バッタバッタとひたすらに敵を斬り伏せて行くレイリの圧倒的な強さとアクション。
初めて真剣を振るって、初めて人間を斬ったにも関わらず、レイリはとんでもない剣技で殺人機械のように敵を仕留めて行く。
(しかも影武者としてきちんと演じながら)
剣を操るだけでなく縦横に走り、跳ぶ、驚異の身体能力。
まさに水を得た魚。
一方で、遂に敵と対峙し命のやりとりをする事態となっても、レイリの心には興奮もゆらぎもなく。
(少なくともそれは描かれず)
このあたり、昨日紹介した『バイオレンスアクション』のヒロイン・ケイにも共通するモノがあると思う。
(レイリは斬り合いが済んだ後に感情を開放するが)

それにしても。
以前このブログで紹介した室井大資の漫画『イヌジニン』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_1931.html)は、約10年前の作品。
当然のこととはいえ、現在の室井の画力は、当時の比ではない。
岩明均の世界を実に過不足なく絵に出来ているな…というのは、第三巻に至って戦闘/アクションのシーンを見ることで改めて実感出来た。
112ページ、敵に斬りかかる土屋惣三の腕が刀ごと鞭のようにしなるコマに『寄生獣』を連想した人は少なくなかったのではないかと。

ともあれ。
第三巻の終盤は一転して権謀術数の世界。
徳川軍(その背後には織田信長が?)の侵攻で危機に瀕した高天神城を守るのはレイリの恩人・岡部丹波守。
しかし武田家は高天神城の放棄を決定。
丹波守の存亡危急、レイリは何を思いどう動くのか…。


時に天正8年。
ぶっちゃけ、史実では2年ぐらい後に武田家滅亡。
それはそれとして、物語はどうなるんでしょうか。
第四巻が待ち遠しい。
『レイリ』第三巻、7日より絶賛発売中。


(2025.1.13.改訂)

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