NEU!/NEU! 75(1975)

画像NEU!については、ずっと以前にライヴ盤(実はライヴじゃなくてリハーサル音源)を紹介したが。
https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_666.html
こちらはLA DUSSELDORFとの橋渡しとなった3rdアルバムにして(70年代の)ラスト・アルバム。

それにしても、アルバム3枚のジャケット・デザインが基本ほぼ一緒というのがまず最高。
ダダというかポップ・アートというか。
中身はアルバム3枚通してクラウス・ディンガー(ドラム)とミヒャエル・ローター(ギター)の(加えてプロデューサー、コニー・プランクの)音楽実験室であり続けた。

3枚目にして、実験室には新たな素材と新たなメンバーが。
まずLPのA面ではミヒャエル・ローターのピアノやシンセサイザーがギター以上にフィーチュアされ。
1曲目「isi」が1stアルバム「Hallogallo」のポップ風展開という印象なのに対して、3曲目「Leb Wohl」ではアンビエントに接近。
もっとも、アンビエントと言うには多分にメランコリックでもあり。
そして、やっぱりサイケデリック。
2曲目「Seeland」と並んで、この時点で後のミヒャエルのソロを予感させたりもする。
CLUSTER+ミヒャエルによるHARMONIAに近い部分も。

一方B面ではトマス・ディンガーとハンス・ランペのツイン・ドラムをフィーチュア。
何よりぶっ飛んだのは1曲目「Hero」だ。
クラウス・ディンガーのヴォーカルとギターを前面に出したそのサウンドは…まるでSEX PISTOLSじゃないですか。
初めて聴いた時は本当にびっくりした。
この時点で1975年…SEX PISTOLSはまだ結成されたばかりだ。
この人たち、本当に早かった。
ジョニー・ロットンへの影響は、あったはず。

B面2曲目「E-Musik」は、既にLA DUSSELDORFそのものという感じ。
よりプリミティヴなLA DUSSELDORFといった趣で。
フランジャーをかけて浮遊しまくるツイン・ドラムがひたすらカッコいい。
そしてラスト「After Eight」では再びパンク・ヴォーカルと突進ドラムで駆け抜ける。
ギターのジャキジャキぶりは「Hero」以上。

…というワケで、A面がミヒャエル・ローター・サイド、B面がクラウス・ディンガー・サイドとも言うべき作りになっている。
方向性の違いは分裂せざるを得ないところまで来ていて。
結局この時のNEU!からミヒャエルが抜ける形で、残る3人によってLA DUSSELDORF結成。
その時点でもまだ1976年。
パンク・ムーヴメントがようやく始まるかという時に、完全にニュー・ウェイヴ以降を先取りしたような音。
70年代のクラウスは、オーパーツのような音を作り続けた人だったな。


(2025.2.21.改訂)

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