DAYMAREの2枚(WOLVES IN THE THRONE ROOM and CHELSEA WOLFE)

画像相変わらず旺盛なリリースを続けるデイメア・レコーディングス。
本日リリースの2枚。













WOLVES IN THE THRONE ROOM『THRICE WOVEN』(画像)

音楽自体はトレモロリフとシャーシャーいうヴォーカルでブラック・メタルそのものなのに、悪魔崇拝を歌わず、自然に対する畏敬や物質文明への警鐘を歌い続けるWOLVES IN THE THRONE ROOM。
前作『CELESTITE』(2014年)から3年ぶりとなる6thアルバム。

『CELESTITE』ではウィーヴァー兄弟によるユニットとなり、オール・インストゥルメンタルのダーク・アンビエントと化していたWOLVES IN THE THRONE ROOM。
ほとんど一時期のTANGERINE DREAMみたいな音になってた。
某誌でレヴューした時、“カスカディアン・ブラックもここまで来たか”みたいなことを書いたんだけど。
一方で、次は新展開があるのでは、とも思った。

予想通り、バンド・サウンドに回帰してきた。
本作のパーソネルはネイサン・ウィーヴァー(ヴォーカル、ギター)、アーロン・ウィーヴァー(ドラム、シンセサイザー)、コディ・キーワース(ヴォーカル、ギター)というベースレスのトリオに、ゲスト陣。
(NEUROSISのスティーヴ・ヴォン・ティルも参加)
プロデュースはSUNN O)))他で知られるランドール・ダン、エンジニアはDEAFHEAVEN他で有名なジャック・シャーリーと、スタッフも完璧。

相変わらず8~11分の大曲を中心に、神秘的かつドラマティックな世界を紡ぎ出す。
前作と違って、メタリックな部分は王道メタリックに疾走する。
一方でゲストの女性ヴォーカルをフィーチュアしてワビサビと叙情性もマックス。
水音や波の音、風の音などの自然音もたっぷり使い、アニミズム的な世界観に揺るぎはない。


CHELSEA WOLFE『HISS SPUN』

そして現代のアメリカを代表する“ゴシック・クイーン”の新作。
こちらもバンド・サウンドによるへヴィ・ロックに回帰した感があり。
本人にとってナチュラルな方向性が今作の音らしい。

QUEENS OF THE STONE AGEのトロイ・ヴァン・リーウェンがセカンド・ギタリストとして参加。
エンジニアはCONVERGEのカート・バルーと、こちらも完璧な布陣。

随所にインダストリアルやエレクトロな感じをフィーチュアしつつ、基本はバンドによるヘヴィ・サウンド。
アコースティックで叙情的なムードもあちこちにまぶしつつ。
そこにシャーマニックかつエモーショナルに歌い上げたり、ダークでセクシーなウィスパーだったりするチェルシー・ウルフのヴォーカルが乗る。
ゆったりと立ち上がり、徐々に盛り上がって壮大かつ荘厳なムードになって行くのはいつもの通り。
そこに「Vex」であのアーロン・ターナーの咆哮が華を(?)添える。

何よりチェルシー・ウルフのヴォーカルがインパクト大なのは相変わらず。
スージー・スー以降のゴシックの系譜を21世紀のアメリカで継承し続けるが如く。
どんよりしつつ、後味が必ずしもどんよりしてないのは、やはりアメリカのミュージシャンならでなのか。


『THRICE WOVEN』、『HISS SPUN』、どちらも20日リリース。


(2025.2.24.改訂)

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